訳あり商品で価格下落を防げるか?
今週の日経ビジネスでは、「PB後遺症で食品再編も」と言うタイトルで、食品業界が取り上げられている。要約すると、消費者のPB離れ・NB回帰が始まり、NBの価格競争が激しくなっているということが述べられている。この記事の中で大変驚くべきことが記載されていあった。それは、
◎ 訳あり商品を作れないか、との依頼が小売店バイヤーからある
というメーカーの証言。訳あり商品とは、賞味期限が近づいている商品やパッケージが古い型の商品を言う。この手の商品は、訳があるがゆえに破格の安値で販売され、消費者の受けはいい。だからバイヤーは、価格は安いが売れる賞品である訳あり商品の製造をメーカーに頼んだのだろう。また、訳あり商品を販売するとスーパーの来店客数が増え、ついで買いも期待できる。
一方、メーカー側にもメリットがある。まず、不良資産を現金化できる。賞味期限を過ぎれば、売ることもタダであげることもできず、廃棄するしかない。この廃棄代が馬鹿にならない。だから、安くても売れれば万々歳なのである。(サンクコストの考え方からしても、原価割れで売る方が理にかなっている。)さらに、訳あり品として販売しているために、レギュラー品(賞味期限がたっぷりある通常の商品)との違いを消費者に示すことができ、低価格で販売してもレギュラー品の価格に影響しない。今の消費者は価格に敏感なので、一度値段を下げて特売された商品は、通常価格で購入しようとはせず、次の特売を待つことが多い。この結果、定番棚(商品が所狭しと並べられている横長の棚)の商品が通常価格でなかなか売れなくなる。しかし、訳あり商品として安売りすれば、一度限りの価格なので、通常価格での販売に悪影響は及ぼさない。
◎ 値崩れを起こさないで済む
というメリットが、メーカー側には存在する。
しかし、よくよく考えてみると、
◎ 値崩れを起こさなくて済む
ということはほとんど起こらないだろう。その理由は、訳あり商品の性質をじっくり見ればよくわかる。賞味期限が短くなった商品とは売れ残った商品であり、売れ行きが悪かった商品をお店が仕入れるわけがない。パッケージが古い商品は、すでにリニューアル品が市場に出回っているので、仕入れることすらできないだろう。よって、その商品自体が市場から消えかけているので、値崩れを起こそうにも起こせない。メーカーのせめてものメリットは、安売りメーカーというレッテルを消費者に貼られずに済むということだろう。一番怖いことは、訳あり品が氾濫することにより、通常品の需要が減る事態。訳あり品でも充分だと消費者が考えれば、このシナリオも現実味を帯びるだろう。いくら価格が低くなったとしても、一人の人間の食べる量が増えるわけではない。ある程度の訳あり品はエコの観点から有効活用するべきだが、増えすぎると食品業界全体を蝕むことになる。その結果、消費者の食べる楽しみをさらに縮小させてしまうだろう。
☆ 今日のまとめ☆
訳あり品の販売は、小売店にとっては売上確保・集客、メーカーにとっては不良資産の現金化・値崩れ防止というメリットがあると言われる。
しかし、訳あり品の性格上、値崩れ事態はありえないのではないだろうか。
訳あり品が氾濫すると、食品産業全体が蝕まれるだけでなく、消費者の食べる楽しみも縮小してしまうだろう。
☆8/23の目標 ☆
1 プライベートブログの更新 〇
2 午前6時起床 ×
3 毎朝、鏡の前で笑顔の練習 〇
4 腕立て・腹筋を各30回 ◯
5 部屋・事務所などの掃除をする ×
6 手帳に今日の反省の明 日の希望を書く。×
7 読書(書籍・雑誌)をする ◯
8 毎朝、ツイッターでつぶやく ×
☆今日のこぼれ話☆
今日は、以前の仕事でお世話になった方とお会いしました。
約2年ぶりに会ったのですが、業績が良さそうで何よりです。
食品輸出に関する事業について相談したのですが、私が推測していたことと実際は少し違う模様。
もう少し市場調査が必要なようですが、ずっと調査ばかりしては人生が終わってしまいます。
ある程度目星が付けて、収益を上げる仕組みを組み立て、営業を始めたいと思います。