スーパーが短時間の買い物客をメインターゲットにすると、メーカーはどんな影響を受けるのか?
先日、「買う」と決める瞬間 という本を読んだのですが、その内容がかなりショッキングなものでした。この本が一貫して伝えていることは、
◎目的買いの顧客がすぐに買い物を終わらせられるように、お店を工夫せよ。
というもの。ちなみに、この本は洋書の翻訳で、アメリカでのスーパーを題材にしています。
これまでのスーパーマーケット(いやほとんどの小売店について言えることだが)は、
◎顧客を店内で買い回りさせ、できるだけ店内での滞在時間を長くする
ように、売り場を作ってきました。例えば、お店の中を巡回するほどお得な商品を見つけることができるように、お店の各ポイントに特売品を置いました。ただ、このような滞在時間が長い顧客は、長い滞在時間ほどにはお金を使わず、滞在時間あたりの売上金額が低い。それよりも、さっと入ってさっと帰る顧客をできるだけ増やして、滞在時間あたりの売上金額を増やす方が、お店にとって売上金額・利益金額とも伸びる、とこの本は述べています。
その方法として、
- 買い足す可能性の高いもの(例えば牛乳や卵など)は、入り口近くにまとめて陳列する。
- 品揃えを少なくし、顧客が選びやすくする。
- 特売コーナーに置く商品や陳列方法を吟味し、特売コーナーの売上拡大を一番の目的にする。
- カートを動かしやすいように、通路を広く取り、できるだけ迷わないように通路を配置する。
が推奨されています。
1番目の方法は、ダブル陳列(同じ商品を二箇所に置くこと)につながり、賞味期限管理がより難しくなるのではないかと私は感じます。ただ、本の中ではそんな欠点は何も述べられず、おそらくそんな管理上の問題よりも、顧客ニーズ(必要なものを短時間で買って帰りたい)の方が重要だと言いたいのでしょう。
4番目は、通路を広く取るということは、売り場を小さくするということです。この結果、2番の品揃えに大きな影響を及ぼします。品揃えは、カテゴリー(例えばカップラーメンとかカレーなど)ごとに並べられている定番売り場を意味します。つまり、定番売り場で販売される商品の種類を少なくすることで、品揃えを少なくします。この本によると、この売場の商品の売上金額は、総売上金額に占める割合が小さい。いわば、ロングテール売り場とも言えるので、この売場の商品を減らしてもお店の総売上にはそれほど大きな影響を与えない。それどころか、減らすことにより定番売り場の維持(品出しなど)コストを下げることができるとしています。
逆に力を入れるのは、エンド(定番売り場の端にある主に特売商品が販売されている場所)の売り場を強化しなければならないという。この売場に並べる商品を厳選し、メーカーと一体になって陳列方法や価格を決めることで、大きく売上を伸ばすことができるようです。
ちなみに、特売コーナーでの価格はそれほど下げる必要がないとしています。というのも、短時間で買い物を終わらせたい顧客の場合、価格が商品選び・購入点数に与える影響がほとんどないから。
このような短時間の買い物客をターゲットにした売り場がメーカーに与える影響は、
◎特売コーナーの売り場提案ができないと商品がスーパーに並ばない。
◎特売関連費用(場所代など)を負担できるメーカーが強くなる。
◎定番売り場の商品数が減るので、取引メーカーが減る。
になります。これは、メーカーにとっては大変なことです。このようなスーパーが増えると、一気にメーカーの淘汰が進むかもしれません。
ただし、これらはすべてアメリカにおける提案です。だから、日本で全く当てはまるというわけではありません。しかし、気になる傾向があります。それは、大手チェーンが、
◎都市型の小型店舗の出店を進めている
ということです。郊外での出店余地が小さくなった原因もありますが、都市中心部でのマンション建設が増え、中心部に住民が移動しているからでしょう。都市中心部には意外にスーパーは少ないですし、あったとしても営業時間が短く、都市住民のニーズを満たしているとは言いがたい。小型店舗ということは、販売する商品の種類が少ないことを意味しますので、この本の提案そのものです。
ただ、この商品絞り込みに対して、満たされない消費者ニーズも必ずあります。たまにはこだわり商品を食べたいというのは、その最たるものでしょう。そのような消費者がこだわり商品を手に入れる一番多い手段は、通販。今後、普段必要な商品は近くのスーパーで、食べたいこだわりの商品は通販で、という買い物の選別がさらに進んでいくように思えます。これまでスーパー経由でしか商品を販売してこなかったメーカーは、通販(特にネット通販)という販路の開拓を迫られるように思えてなりません。
☆今日のまとめ☆
とある本によると、アメリカのスーパーでは、必要なものだけをさっと買ってさっと帰る顧客が利益をもたらすとされている。
この顧客のニーズを売り場で満たすには、商品の絞り込みが必要となる。
日本で同じことが当てはまるわけではないが、大手スーパーが小型店を強化しているなど、商品絞り込みの動きはある。
その結果、提案力・財務力の有無で、メーカーの淘汰が起こるかもしれない。
小売店経由での販売だけに頼るのではなく、通販というルートの開拓も必要になるだろう。
☆今日のまとめ☆
今日行ったダイエーでは、早くも母の日のバラが販売されていました。
まだバレンタインも終っていないのに、少し(いやかなり)早いような。
ちなみに、販売されていたのは、サントリーが開発した紫のバラ。
開発された時かなり話題になったので、これは大きな集客につながるように思えます。
ちなみに、三ノ宮駅前のダイエーです。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎朝ツイッターでつぶやく→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯