エイボン・プロダクツBy Vanessa.Cecilia

 

◎本日のニュース

1)見出し
Coty Knocks on Brazil’s Door
【出典】
http://goo.gl/EV2L9

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2)要約
米香水メーカーのコティ社がエイボン・

プロダクツ社に買収提案したのは、
ブラジル市場への進出を目指しているからである。南米は、
アメリカ・日本に次ぐ世界で三番目に大きな美容市場であり、
特にブラジルでは歴史的に美容品を使う文化がある。エイボン・プロダクツがブラジルで大きな力を持つのは、
訪問販売という販売方法による。経済が未成熟のブラジルでは、
小売店舗網が未発達であり、また女性に強い人間関係があるため、
訪問販売の売上金額・比率は他の先進国や新興国よりも大きい。
よって、訪問販売に強みを持つエイボン・プロダクツは、
ブラジルの美容品市場で大きなシェアを獲得している。

ただし、経済が成長するにつれて、店舗販売金額の増加率が高まり、
訪問販売の伸び率を凌駕するに至っている。訪問販売と違い、
店舗販売には、時間に融通が効いたり、商品を実際に手に取って見たりなど、
利便性が高いという魅力がある。特に、欧米の高級化粧品メーカーは
店舗販売での売上を大きく伸ばしている。

一方で、エイボン・プロダクツは、
新しいコンピューターシステム導入に伴う注文の取りこぼしなどにより、
昨年後半から売上が低迷している。その結果、10四半期で初めて、
売上増加率が10%下回ることになった。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Avon’s door-to-door sales force in Brazil has given it a
leading role in the country.

4)キーとなる英文の和訳
エイボンのブラジルでの訪問販売力は、ブラジル市場において
一番の役割を果たしてきた。

5)気になる単語・表現
force名詞力、強さ
role名詞役割、任務、機能
line up自動詞句一列に並ぶ
leading形容詞先頭に立つ;一流の;主役の、主演の

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ここ1週間ほど、コティ社(Coty Inc.)によるエイボン・
プロダクツ社(Avon Products Inc.)への買収提案の記事をWSJでよく見かける。
エイボン・プロダクツはこの提案を拒絶しており、敵対的買収のようである。

記事にもあるように、コティがエイボン・プロダクツを
買収したがっているのは、エイボン・プロダクツが持つ
ブラジル市場での大きなシェアを獲得したいからである。
この記事を読んで初めて知ったのだが、南米はアメリカ・日本に次ぐ
世界で三番目の化粧品市場。そのため、コティのみならず、
ロレアル(LOreal)、エスティ・ローダー(Estee Lauder)、
プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)など
多くのグローバル化粧品メーカーが、南米市場へ進出している。
コティがその他グローバル企業と違うのは、
大衆向けの低価格ブランドの販売を念頭に置いているところである
一方、グルーバル企業は高級ブランドの開拓を目指す。

この商品戦略の違いが、販売手法の違いにも表れている。
大衆品の販売を目指すコッティは、ブラジルでの化粧品販売の主流である
訪問販売を採らざるを得ない。そこで、ブラジルでの化粧品訪問販売市場で
大きなシェアを持つエイボン・プロダクツの買収を目指すことになる。
ちなみに、エイボン・プロダクツのブラジル市場での競合は、
地元企業であるナチュラコスメティコス社(Natura Cosmeticos SA)。
ナチュラコスメティコスは、化粧品訪問販売でのシェア一位である。

ブラジルの化粧品市場で訪問販売が主体である理由は、
1.ブラジル経済の成熟度が低いから。
2.ブラジルでは女性のネットワークが強いから。
である。成熟度の低い経済では、労働力のスキルは依然低いままである。
そこで、スキルの低い販売員が労働市場に参入すると、
まず身近な自分の家族や友人に売って、収入を稼ごうとする。
これが訪問販売につながることになる。さらにブラジルでは、
女性の人間関係が強いので、多くの女性が使う大衆化粧品市場で
訪問販売が主流になり得る。実際に、ブラジル美容ケア市場での
訪問販売シェアは28.6%で、13.9%の中国や7.9%アメリカよりもずば抜けて大きい。
化粧品に限らず、ブラジルの全商品を対象とした訪問販売金額は、
80億ドルにも及ぶ。(2009年実績)

一方で、高級品は店舗販売という方法を取る。恐らく、
店舗販売によりブランドイメージを統一・維持することが可能だからだろう。
訪問販売が主流のブラジルでは、店舗網は発展途上であるが、
経済成長するにつれて店舗販売も増えている。例えば、
◯エスティー・ローダー→昨年売上金額が50%近く増加。
◯ロレアル→メイベリン(Maybelline)ブランドの売上金額は、
2年連続年率50%増加。今後ブラジルでの生産増加や値下げ・TVCM放映により、
更なる増加を目指す。
など急成長を遂げている。店舗販売が伸びるのは、訪問販売と比べて
、買い物時間を縛られないからである。訪問販売の場合は、
友人と会う時間を予め設定しなければならない。一方、店舗販売の場合は、
開店時間であるかぎり、買いたい時にお店に行けば済む。
また、友人や店員さんに気兼ねせず商品を触れるのも、
店舗販売の大きな魅力である。

ここで、訪問販売と店舗販売のメリット・デメリットをまとめると、
以下のようになる。
【訪問販売】→発展途上の経済で主流
◯メリット→信頼できる友人から購入できる
◯デメリット→友人の薦めを断りにくい、好きな時に買い物できない、
商品を気兼ねなく試せない
【店舗販売】→発展した経済で主流
◯メリット→好きな時に買い物できる、商品を気兼ねなく試せる
◯デメリット→店員が信頼できるかわからない
経済がさらに発展・成熟すると、店舗販売の先にネット販売が
現れるのであろう。
【経済の発展度合いと販売手法の関係】
1.発展途上→訪問販売
2.発展→店舗販売
3.成熟→ネット販売

このように経済の発展度合いにより販売手法も変わるが、
ネットを通じた情報流通が世界的に広がり速まると、
この変遷のスピードは経済の発展度合い以上に速まるだろう。
よって、ブラジル市場におけるエイボン・プロダクツの訪問販売という強みは、
それほど維持継続できないのではないかと、懸念される。
特に経済が急成長する市場では、次を見越した商品や販売方法の開発が求められる。

Coty Inc. http://www.coty.com/
Avon Products Inc. http://www.avon.com/

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《今回のヒントのまとめ》
1)コティがエイボン・プロダクツの買収を目指すのは、
エイボン・プロダクツが持つブラジル化粧品市場での
シェアの大きさが魅力的だからである。経済が発展途上のブラジルでは、
エイボン・プロダクツの訪問販売が、大衆化粧品販売で大きな力を
発揮している。

2)一方で、アメリカ・日本に次ぐ大きさの南米化粧品市場を目指して、
高級化粧品メーカーは、ブラジルでの店舗販売を進め、
売上金額を急増させている。店舗販売が急激に伸びるのは、
訪問販売よりも利便性が高いからである。

3)経済の発展度合いによって、販売方法も変遷する。
発展・成熟するに従って、訪問販売が店舗販売に変わり、
そしてネット販売が伸びるようになる。

4)ただ、ネットを通じた情報流通が速まると、
この変遷スピードが経済の発展度合いを飛び越すことになる。
特に、経済成長の著しい新興国では、この傾向が高まるので、
先を見越した商品・販売方法の開発が求められる。

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編集後記
私の小さな頃は、化粧品や食器などの訪問販売がちらほら見られました。
しかし、今ではほとんど見かけなくなりました。
大きな流れとして、小売の販売手法が人から
セルフに変わってきているからでしょう。
ただし、消費が多様化すると、範囲の狭い情報の重要性が高まるので、
セルフから人に回帰するのではないかと、思います。
例えば、より安全な食料品を求める人は、
スーパーではなく八百屋に行くようになるなど。
この場合、単にモノを買うのではなく、
販売を通じた情報も買うことになるのでしょう。

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