掃除機の究極の選択から考えたリアル店舗の強み

昨日、ケーズデンキに掃除機を見に行きました。事前にカカクコムで調べたのですが、やはり実機を使ってみないとよくわかりません。

ケーズデンキでわかったことは、

サイクロン式→メリット：ランニングコストがかからない、排気がきれい　デメリット：手入れが大変
紙パック式→メリット：手入れが簡単　デメリット：ランニングコストがかかる、排気のきれいなタイプは特に紙パックが高くつく

です。店員さんが丁寧に説明してくれたのですが、どちらにするのかとても迷いました。（ちなみに、結局買わなかったですが。）サイクロン式の掃除機のラインナップが多く、メーカーさんもサイクロン式を積極的に販売しているのですが、実際に売れているのは五分五分のようです。店舗に行くまで、サイクロン式の中でどの機種を選ぶかを目的にしており、紙パック式はまったく頭にありませんでした。だから、五分五分の売れ行きは、とても意外。ランニングコストがかかっても、手間が掛からないという時短ニーズがとても強いのかもしれません。

今回のやり取りで感じたことは、

掃除機のように購入頻度が低く、購入に迷う商品の場合、ネット通販よりもリアル店舗の方が便利

ということです。掃除機の場合、利用頻度や利用する場所によって、最適な商品は変わってきます。さらに、掃除機は一度購入すれば、少なくとも5年間は使うのではないでしょうか。（あくまで私の感覚ですが。）ならば、安いからといってネットで買って、それが自分の使い方に合わなかったら、それは悲劇。ならば、少々高くても、リアル店舗で購入するのではないでしょうか。もちろん、実機を試せるというネット通販にはないメリットを、リアル店舗は備えています。

その結果、店員さんとのコミュニケーション（コンサルティングに近いかもしれません）が生まれ、店員さんや店舗に愛着が湧くかもしれません。そして、その愛着は、他の商品の販売につながります。一方、ネット通販の場合は、クリックして購買活動は完了し、あとは商品が届くのを待つだけ。購入後、利用した通販サイトからメールマガジンが届くかと思いますが、一目で広告とわかるメールを見ることはほとんどありません。楽天やカカクコムを通じて購入した場合は、購入したサイト名さえ覚えていないかもしれません。

もちろん、リアル店舗で購入する商品を決めて、実際に購入するのはネット通販という場合もあるかと思います。いわゆる、リアル店舗のショールーム化です。ただ、価格差がそれほど大きくなければ、わざわざ通販サイトを訪れる手間を掛けない可能性は高いと思います。特に、時短ニーズが強く、価格に敏感でない消費者の場合は、その傾向が強く、さらにこのような消費者こそ長期に渡って利用してもらえる優良顧客になる確率は高いかと思います。また、ネットに疎く、人とのつながりを重視する高齢者の場合は、リアル店舗で購入を決めたなら、わざわざネット通販で購入することはないでしょう。その場で即購入する方が多いのではないでしょうか。

ショールーム化を防ぐ方法がないわけではありません。例えば掃除機のように、使い方によってそのベネフィットに差が付く複雑な商品の場合は、利用方法などを購入客に提供してはどうでしょうか。この特典を受けられるのは、もちろん購入者だけ。単に商品を買うだけでなく、その活用方法まで教えてくれるとならば、リアル店舗で購入するのとネット通販で購入するのとでは、同じモノでも別の商品（モノ＋サービス）と言うことができます。

ショールーム化を避けて、リアル店舗が生き残る道は、まだまだ豊富にありそうです。

☆今日のまとめ☆

掃除機のように、購入頻度が低く購入するのに迷う商品は、ネット通販よりもリアル店舗の方が有利に販売できる。

それは、購入時のコミュニケーションが、購入の可否の大きな影響を与えるからである。

リアル店舗のショールーム化を防ぐには、購入後に使い方を購入客だけに教えるという手もある。

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☆ 今日のこぼれ話☆

掃除機売場を見て驚くのは、価格がピンからキリまであるということ。

価格差は最大10倍ほどあったかと思います。

これほど価格差のある商品も珍しいかと思います。

だからこそ、選ぶのが本当に難しい。