ターゲットBy infowidget

◎本日のニュース

1)見出し
Can Retailers Halt ‘Showrooming’?
【出典】
http://goo.gl/rKnMB

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2)要約
実店舗を持つ小売企業にとって、
実店舗のショールーム化が大きな問題となっている。
ショールーム化は、実店舗で商品を確かめてから、
他社の通販サイトで購入するという
消費行動によって起こる。これによって、
実店舗の利益が損なわれるだけでなく、
競合するネット通販専門小売企業の利益が
増えることになる。

大手チェーンを中心に、実店舗のショールーム化を
避けるために工夫を凝らす企業が増えている。
例えば、ターゲット社は、実店舗において
競合他社では取り扱わない専用商品の販売に力を入れ、
直接の価格競争から避けようとしている。
また、顧客の携帯電話に、属性に合った割引クーポンを
配信することにより、値崩れを避けつつも
実店舗の低価格を訴求している。ウォルマート社では、
自社通販サイトで注文した商品を実店舗で受け取れる
サービスを展開して、送料も含めた通販支払総額の低さ
と利便性の高さを訴えている。

実店舗のショールーム化が起こる一番の原因は、
ネット通販専門企業での価格の方が実店舗も持つ
企業での価格よりも低いからである。この低価格は、
販管費や売上税の違いによって起こる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
If brick-and-mortar stores can’t compete on price,
it is unclear how successful they can be
with tweaks to merchandising and customer service.

4)キーとなる英文の和訳
実店舗の小売店が価格で競争できなければ、
品揃えや顧客サービスで改良してもそれが
うまくいくかどうかわからない。

5)気になる単語・表現
brick-and-mortar形容詞現実社会だけの、
インターネット上に存在しない;従来型の
compete 自動詞競争する、張り合う
tweak名詞つねること;(コンピューターの)微調整、
マイナーな改良
merchandising名詞製品計画;販売促進;
戦略商品;商品化計画

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
実店舗のショールーム化については、
以前に記事で取り上げた。
http://goo.gl/xxivf
その際は、ターゲットの回避策について
取り上げられていたが、今回はターゲットと
ウォルマートの回避策が紹介されている。

実店舗のショールーム化が起こる原因は、とても単純。
通販サイトの方が実店舗よりも安いからである。
さらに、ネット通販専門企業の通販サイトの方が、
実店舗も持つ企業の通販サイトよりも安い。
記事ではこの価格差について、数字を挙げて説明してある。
◯売上税が発生しない場合、アマゾン・ドット・コムの価格は、
ウォルマートドットコム(ウォルマートの通販サイト)よりも
9%低い。
◯売上税が発生しない場合、アマゾン・ドット・コムの価格は、
ターゲットドットコム(ターゲットの通販サイト)よりも
14%低い。
◯売上税の掛かる場合、アマゾン・ドット・コムの価格は、
ウォルマートの実店舗よりも11%低い。
◯売上税の掛かる場合、アマゾン・ドット・コムの価格は、
ベストバイの実店舗よりも8%低い。
売上税の有無があるが、これを一般化すると、
価格は以下のようになるだろう。
ネット通販専門企業の通販サイト<実店舗を持つ
小売企業の通販サイト<実店舗を持つ小売企業の実店舗
実際に、大手小売チェーンでは、ネット通販の価格を実店舗よりも
低く設定する。例えば、
ターゲット→通販サイトの方が実店舗よりも2%安い
ウォルマート通販サイトの方が実店舗よりも1%安い

この価格差により、実店舗に商品を見に来た消費者は
そのお店で購入せず、競合のネット通販専門店で
購入することになる。これが、実店舗のショールーム化を
引き起こす。

このショールーム化を避けるための方法は、
以下の二つにまとめることができる。
1.品揃えや利便性追求により、直接の価格競争を回避する。
2.

商品だけでなく商品と送料の総支払金額で専業通販サイトと競う。

1は、ターゲットによる独自商品の販売である。
ターゲットは、供給業者に競合企業(ネット通販・実店舗)
では扱っていない独自商品の供給を強く要望している。
販売商品を大きく差別化することによって、
ターゲットでしか買えない状況を作り、実店舗での購入を促す。
また、ウォルマート・ターゲットは、買い物リストが簡単に作れる
スマートフォンアプリを配信している。
この利便性の高いアプリを使えば、実店舗や自社通販サイトでの
買い物を簡単に行うことができる。

2については、さらに二つに分けられる。まず、
ウォルマートによる店舗引き取りサービスである。
これにより、ウォルマートの通販サイトで購入した商品を、
最寄りの店舗で引き取ることができる。もちろん送料は掛からず、
購入日と同じ日に引き取ることができる。
商品を受取るとなると混雑も予想される。そこで混雑回避のために、
タッチスクリーンで操作できるコンピューターを受け取り場所に設置し、
待ち時間が短くなるように工夫している。

もう一つは、ターゲットによる個別割引クーポンの配信である。
このクーポンでは、顧客ロイヤリティプログラムと連動しているため、
顧客の属性に合った商品が割引される。これにより、
値崩れを避けるだけでなく、購入確率の高い人に購入確率の高い商品を
割引販売できる。この結果、利益率を大きく損なうことになく
売上を確保できる。

この二つの方法は顧客属性によって、効果が異なる。
効果を最大化するためには、
1.価格重視の消費者→2の総支払価格で専業通販サイトと競う。
2.利便性・サービス重視の消費者→1の品揃え・サービスによって
専業通販サイトと差別化する。
というように、属性によって採るべき方法を変える必要があるだろう。

実店舗のショールーム化は、専業通販サイトと
実店舗との価格差によって起こる。さらに、
その価格差は、販管費や税負担によって生じるので、
ビジネスモデルの違いと言ってよい。ならば、
店舗不動産や運営コストの掛かる実店舗企業が、
低コストの専業通販サイトと価格で競うことには限界がある。
そこで、実店舗を持つ小売企業は、専業通販サイトが持たない
実店舗という経営資源を活用する必要がある。

実店舗という強みを活かすという点で、
ウォルマートの方法は参考になる。ウォルマートは、
店舗引き取りサービスにおいて、引取り場所の店舗奥に設置している。
これにより、引き取りにやってきた消費者は、
商品が並ぶ店舗内を回遊する必要があり、
ついで買いをしやすくなる。店舗引き取りサービスは、
利用者にとっては、すぐに送料無料で手に入れられる
というメリットがあり、一方でウォルマートにとっては、
ついで買いを起こすことにより売上を増やせるという
メリットがある。これは、実店舗の持つ「否応無しに商品が目に入り、
受動的に買い物をさせる」という強みを活かしたものである。
ちなみに、ネット通販では、検索による能動的な買い物が
主体である。

実店舗を持つ小売企業が、価格だけで専業ネット通販企業と
競争するには無理がある。そこで、価格を重視する消費者と
サービス・利便性を重視する消費者に顧客・見込み客を分けて、
それぞれに異なった販促を行うことによって、
売上・利益を確保する必要があるだろう。また、
受動的な買い物をさせるという店舗の持つ強みを活かすことも
必要である。

Wal-Mart Stores Inc. http://www.walmart.com/
Target Corp. http://www.target.com/
Best Buy Co. http://www.bestbuy.com/site/index.jsp

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《今回のヒントのまとめ》
1)実店舗のショールーム化が起こるのは、
専業通販サイトと実店舗に価格差があるからである。
さらに、その価格差は、販管費や税負担の違いによって起こるので、
両者のビジネスモデルは異なる。

2)ビジネスモデルが異なる両者が価格で競争しても、
限度がある。

3)そこで、より運営コストのかかる実店舗を持つ小売企業は、
価格を重視する消費者とサービス・利便性を重視する消費者に
顧客・見込み客を分けることにより、販促方法を変える必要がある。
これにより、利益率の大きな低下を避けるとともに、
売上を稼ぐことができる。

4)また、実店舗という強みを活かすことも重要だ。
実店舗には、来店客に有無を問わず商品を見せられる
という強みがある。この受動的な買物をさせる強みは、
ネット通販にはない。

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編集後記
実店舗の持つ強みとして最近私が考えるのは、その情報です。
商品にまつわる情報でもいいし、全く関係のない情報でもいいのです。
あのお店で買うと、店員さんが耳寄りな情報を教えてくれるとなると、
少々価格が高くとも売れるのでは、と考えます。
その情報によって、これまで知らなかった商品の使い方を
知ることができれば、商品の価値が上がり、
相対的な商品価格は下がることになります。
さらに、店員さんとのふれあいにより、
人と交流したいという消費者のニーズは満たされることになり、
そのお店で買う価値が高くなります。
逆に、これらの付加価値のない実店舗は、
ネット通販との価格競争に敗れていくのでしょう。

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