仕出し弁当

 By Nemo’s great uncle

※  「アメリカ経済事情」に関しては、サイト「ウォール・ストリート・ジャーナルから見た起業のヒント」にて更新しております。今後、ryotarotakao.comでは、メルマガには掲載しない内容を執筆する予定です。

 

11月1日の日経新聞朝刊に、ぐるなびの記事が掲載されていました。四半期決算発表時の説明会で、久保社長が話されたことのようです。(日経電子版申し込みはこちら

 

 

「ぐるなびの得意先に医薬情報担当者(MR)が加わった」と話すのは久保征一郎社長。製薬会社の営業マンであるMRが医師とミーティングするときに弁当を注文することが多いのに目を付け、昨春から新サービスを始めた。様々な業者の弁当を一つの冊子にまとめ、MRはぐるなびに電話注文するだけ。代金は自動で製薬会社に請求される。(2012年11月1日日経新聞朝刊より)

 

四半期決算資料によると、MR向けデリバリー事業では、大手製薬企業との契約が進み、シェアは60%に到達したとのこと。また、決算トークでも話されることなので、ぐるなびの各事業の中でも好調な部類なのでしょう。そこで、ぐるなびのMR向けお弁当デリバリー事業が好調に推移している要因を考えていました。

 

【ぐるなびのMR向けお弁当デリバリー事業がうまく行っている要因】

[1]    飲食店という既存顧客を活用できるから

[2]    忙しい人をターゲットにしているから

[3]    費用は会社が負担するから

[4]    単価が高いから

[5]    これまで放置されていたニーズだから

 

1については、特に説明はいらないかと思います。ぐるなびの基幹事業は、飲食店情報サイトの運営。この事業を通して、数多くの飲食店とパイプがあります。このつながりは、なかなかできるものではありません。一から創業する企業や飲食店関連以上に参入する企業と比べると、大きな強みです。この強みを活かしたのが、MR向け弁当デリバリー事業なのです。

 

2について、MRという比較的忙しい業務の担当者をターゲットにしているため、価格よりも品質(特に時間)が優先されます。よって、価格競争に陥りにくい事業となります。決算資料や新聞記事には明記されていませんが、ぐるなびにとって利益率の高い事業なのではないでしょうか。決算説明会で取り上げるぐらいなので、なおさらです。

 

3も価格に関する事柄。このサービスの代金請求は、注文したMRではなく、直接MRの属する製薬企業に請求されます。よって、MRは、規定の条件内ならば、価格を気にせず注文できます。実際、MR向け弁当メニューを見ると、どれも2000円以上。その結果、価格競争に巻き込まれにくくなり、MRに仕組みやメニューさえ気に入ってもらえれば、リピート注文が期待できます。もちろん、これはぐるなびの収益を押し上げることになります。

 

4について、単価が高いことは、同じ手数料率でも手数料金額が大きいことを意味します。また、単価が高いことにより、ぐるなびは、他のデリバリー商品よりも高い手数料率を提示することができるかもしれません。どちらも、ぐるなびの売上金額・利益金額・利益率の向上に貢献します。

 

さらに、製薬業界という限られた市場をターゲットにする以上、契約できる企業(見込み客)は限られています。つまり、客数の拡大は難しい事業となります。ここで単価が高いことが、大きな意味を持つことになります。単価が高いということは、品質さえ伴えば、より単価の高い商品を投入しても、売れるということになります。

 

売上金額=客数X客単価

 

なので、客単価を工夫次第で上げられるということは、客数に限度があっても売上金額を増加させる威力を発揮することになります。

 

5が一番重要なのかもしれません。従来、MRは自分が知っている限られた仕出し屋や飲食店に、弁当を注文していたのでしょう。それは、先輩から教えてもらったお店かもしないですし、自分で調べたお店かもしれません。そして、新たにお店を開拓するのが面倒なこともあり、継続的にそのお店に注文していることかと思います。もしかしたら、弁当に満足していないかもしれません。少なくとも、面倒なため、開拓していないことは確かでしょう。一方、医者とのミーティングにおいて、毎回同じ弁当やお店よりも、違う方が話が弾みやすいかと思います。よって、MRには、できれば毎回違う弁当・お店に頼みたいというニーズが潜在的にあったということになります。この潜在的なニーズに対応したからこそ、ぐるなびのMR向け弁当デリバリーサービスは、成功を収めているのではないでしょうか。

 

この記事を読んだ時、人口減少だからと言って、必ずしも食関連市場は縮小するわけではない、ということを実感しました。要は、市場を細分化して、満たされていないニーズを探し、そのニーズに対して解決商品を提供すれば、まだまだ売れる余地はあるのです。そういう意味で、このぐるなびの成功事例は、大きな勇気・期待を与えてくれます。

 

 

☆今日のまとめ☆

ぐるなびのMR向け弁当デリバリー事業が成功している理由は、「自社の強みを活かしたから」「お金よりも時間が大切な人をターゲットにしたから」「費用は会社が負担するから」「単価が高いから」「潜在的なニーズがあったから」である。

市場を細分化して、潜在的なニーズを満たせば、人口減少の日本でも食関連ビジネスに参入余地はある。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ぐるなびは、昔かなり利用していましたが、今ではほとんど利用していません。

今は専ら、食べログですね。

ただ実際には、ぐるなびのストック型サービスは堅調なようです。

自分の感覚と実際の世間とは、ズレがあるようです。

 

 

☆昨日の目標→その結果☆

投稿スケジュールに変動があるため、別の機会に公表します。

 

☆アニキ金本知憲の言葉☆

「『覚悟』それこそが、プロとして、もっとも大切なものだ。決意したら、必ず行動に移す。そして、それを継続させる根気があったからこそ、それほど期待されていなかった自分がここまでやってこられたと、いま、あらためて思う。」(『覚悟のすすめ』より)