サークルKの看板By jpellgen

 最近の日経新聞に、立て続けにコンビニに関する記事が掲載されました。その記事は、以下のとおりです。

 

【サークルKサンクスのPB・NB戦略】

 コンビニエンスストア大手のサークルKサンクスは親会社のユニーと共同で低価格品の開発を強化す る。仕入れの統合や共同開発品の拡充で、現在スーパーに比べ3~4割高いコンビニの価格を2年で10%以内に圧縮する。同社はセブン―イレブン・ジャパン など上位3社に比べ既存店売上高のマイナスが大きい。価格志向の強い主婦層を取り込み、販売力を底上げする。(2012年12月8日日経新聞朝刊より)

 

【ローソンの宅配参入】

 ローソンとヤフーは4日、2013年1月からインターネットによる宅配を始めると正式に発表した。ヤフーのポータル(玄関)サイトの集客力を活用し、早期に事業モデルを築く。食品や日用品の価格は大半をスーパー並みとし、簡単に料理が作れる専用のセット商品も投入する。共働き世帯などを取り込み、15年度に売上高1千億円をめざす。(2012年12月5日日経新聞朝刊より)

 

【セブンイレブンのPB強化】

 セブン&アイ・ホールディングスは2015年度にもプライベートブランド(PB=自主企画)商品の売上高を2倍の1兆円に引き上げる。手薄だった単身世帯向けの高価格帯の総菜や野菜を増やす。食品の売上高で3兆円を超え、国内最大手の同社が独自商品を増やすことで食品メーカーの生き残り競争に拍車をかけそうだ。(2012年12月7日日経新聞朝刊より)

 

これらの記事からわかるのは、各コンビニチェーンのターゲットの違いです。まとめると、次のようになります。

 

【コンビニチェーンのターゲットの違い】

[サークルKサンクス]価格志向の強い主婦層

[ローソン(宅配事業)]共働き世帯

[セブンイレブン]単身者・シニア層

 

サークルKサンクスは、販売価格をスーパー並みの低価格にするために、親会社のユニーとPB開発と仕入れの共通化を進めるそうです。この背景には、大手コンビニ3社に顧客を奪われている現状があるのでしょう。実際に記事でも、既存店売上高において上位企業との差が開いている、と記されています。大手コンビニ3社とガチンコ勝負しては勝ち目はないので、競合をスーパーに設定するのでしょう。だから、低価格化を進めるだけでなく、青果品の取り扱いも進めるようです。サークルKサンクスがミニスーパーにある日も、近いかもしれません。

 

一方、ローソンは、サークルKサンクスと同じくスーパーを競合に設定するものの、それは宅配事業において。価格はスーパー並みにするそうですが、決して低価格化を進めるとは書かれてありません。どちらかというと、簡単料理できるセット商品の販売など、簡便性の高い商品の販売に力を入れているようです。だから、時間のない共働き世帯がターゲットになります。よって、ローソンは競合をスーパーとするものの、詳しくはネットスーパーと戦うことになります。記事を読む限り、店舗への誘導は詳しく書かれてありませんが、宅配利用者にポンタポイントを付与することにより、ポンタポイントが使える店舗利用を促すのかと思います。つまり、ローソンは店舗ではリーチできない共働き世帯を、ネット宅配事業にてリーチすることになります。

 

最後に、セブンイレブン。セブンイレブンもサークルKサンクス同様、PBを強化しますが、決して低価格品に力を入れません。「温めるだけで食べられるチルド(冷蔵)惣菜」や「あらかじめ加工されたカット野菜」など、利便性の高い商品を増やすようです。利便性の高さという点では、ローソンの宅配事業と似ていますが、ローソンが調理の必要な食材を販売するのに対し、セブンイレブンはすぐに食べられる(またはレンジに入れて食べられる)食材に力を入れる点で、異なります。実際には、セブンイレブンだけでなく、総合スーパーのイトーヨーカドーも、同じような利便性の高い商品を増やすとのこと。セブンイレブンのCMを見てわかるように、最近のセブンイレブンは単身者のみならず、シニア層にも力を入れています。今回のPB強化も、そのメインテーマはシニア層の獲得のように感じます。

 

各コンビニチェーンの新たな強化策が、競合他社にどのような影響をもたらすか、考えてみました。

 

【各コンビニチェーンによる競合他社への影響】

[サークルKサンクス]小型スーパーが影響を受けるが、双方とも価格競争に巻き込まれる可能性が高い。

[ローソン]知名度の低いネットのネットスーパー部門が影響を受ける。ローソンの圧倒的な知名度・店舗数は大きな武器。

[セブンイレブン]スーパーや地元惣菜店の惣菜が影響を受ける。

 

サークルKサンクスは自ら価格競争を仕掛けるゆえ、価格競争に巻き込まれます。多店舗チェーンをしてない地方スーパーに対しては、そのバイイングパワーをして勝ち目はありますが、イオンなどの大手スーパー系小型スーパーに勝てるかは不明。価格競争に陥ることで、コンビニに期待される各種サービスが廃止されれば、客離れを引き起こす可能性があるのではないでしょうか。ただでさえ儲からないスーパーとの競争に巻き込まれるので、収益が大きく悪化する恐れもあります。

 

ローソンは、ポンタポイントがポイントかと思います。ローソンで1円から使えるので、ポンタポイントの利便性はかなり高い。よって、ネットスーパーを使うなら、より使い勝手のいいポンタポイントのもらえるローソンを使おう、と考えても不思議ではありません。ヤフーというアクセス数日本一のサイトと提携したことも、安心感を与える効果があります。地方スーパーのネットスーパーにとっては、大きな競合になるかと思います。宅配事業により、実店舗とは別の窓口を持つことができるので、ローソンは収益を大きく拡大するかもしれません。

 

セブンイレブンは、利便性のみならず小容量という点がポイント。これはコストのかかる形態ゆえに、なかなかマネの出来ない商品です。また、店舗数の多さや知名度の高さにより、これまで地元の惣菜店やスーパーの惣菜を購入していた人で、小容量にも惹かれて、セブンイレブンにスイッチする人が増えるように思えます。小容量商品というユニットプライスの高い商品に力を入れることで、人口減少時代でも収益を拡大することが可能になります。

 

3社を比べると、人口減少時代でも収益を拡大できる点で、セブンイレブンの取り組みは大変参考になるかと思います。

 

 

☆  今日のまとめ☆

単身者・シニア層という今後増える層に注目するだけでなく、他社が真似できない小容量商品を販売することにより、セブンイレブンは人口減少時代でも収益の拡大を目指す。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

コンビニは、実際に店舗に行けば、その違いが空気でわかります。

セブンの集客力の強さは、お店全体が明るい・楽しいという点にあるかと思います。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「なお、メニューについては、アイテム数よりも使用食材の数を意識すべきだ。食材のロスが増えたり、作業効率が下がったりするのは、メニュー数の増加によるものではなく、使用する食材の種類が増えたことによるケースが多いからだ。」

『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。