神戸のディーン&デルーカでわかった、シニア層の願いとは?

ディーン&デルーカのカタログ

 

先日、神戸大丸のデパ地下に行った際、ディーン&デルーカを覗きました。関西初出店のディーン&デルーカなので、その売れ行きが気になるからです。単価の高い商品が多いということにも、興味があります。高い商品が神戸で売れるのか?ディーン&デルーカのブランド力にも依りますが、神戸の消費者ニーズを表すものでもあります。

 

そこで偶然遭遇したのが、60代ぐらいの女性と女性店員との会話。仲良く話していましたが、話の内容から、今日初めて接客したお客様の模様。そこで、驚くべき言葉を耳にしました。その言葉とは、

 

「このキッシュも、少し欲しいのよね。」

 

詳しい内容はわかりませんが、恐らく惣菜の量が多すぎるという旨のことを、店員に話している模様。そして、実際にそのキッシュを見ると、キッシュを普段食べない人にとっては、ちょっと大きいかもしれません。私なら、家族で半分できる前提がなければ、購入を諦めるかもしれません。キッシュは、少し食べたいとは思いますが、メインディッシュには少し重い、と感じるからです。60代らしきシニア女性なら、私以上でしょう。キッシュの美味しさを知っていても、欲しいのはほんの数口。シニア層には、明らかに大きいと感じました。

 

その後の会話も耳に入ってきましたが、何やら少しの量でいろんな料理を食べたいみたいなのです。そのシニア女性は、相当食に興味があるのでしょう。また、その会話の中で、女性店員は、次のような内容を話していました。

 

「過去にイタリアに住んでいた人もよく来られるんですよ。」

 

若い頃に食べたイタリア料理を、少し食べたいというニーズがあるのでしょう。イタリアに住んだことのある人は少なくても、イタリア旅行に行ったことのある人はそこそこいるかと思います。子供と同居している時は、好きなイタリア料理を作っていたかもしれません。しかし、今は夫婦二人なので、作っても全部食べられません。その前に、作ることが面倒と感じている人もいるでしょう。好きなイタリア料理を、少し食べたいというニーズが、高齢者にそれなりにあるのではないでしょうか。

 

この会話で感じたのは、

 

高齢者のニーズを考えた惣菜がまだまだ少ない

 

ということ。高齢者の願いが、「少しの量」の「いろんな料理」を「自宅で気軽に」楽しみたいだとすれば、デパ地下には、その願いを叶えるお店はほとんどないことになります。デパ地下で購入できる惣菜のほとんどは、100g単位。小さなパックもありますが、ほとんどが和食です。和食の好む高齢者の方が多いことは事実かもしれませんが、たまにはいろんな料理を楽しみたいもの。このニーズに、まだ埋まっていない隙間を感じました。

 

シニア層の海外旅行が増えれば、和食以外の料理を食べたいニーズがさらに強まることでしょう。「高齢者=和食」という固定観念をまず、捨て去る必要があるかもしれません。

 

☆  今日のまとめ☆

シニア層には、「少しの量」の「いろんな料理」を「自宅で気軽に」楽しみたいという願いがあるのではないか。

シニア層の海外旅行が増えれば、和食以外の料理へのニーズはさらに強まるかもしれない。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ディーン&デルーカには、惣菜だけではなく洋風の加工食品から和風の加工食品、雑貨まであります。

こういうお店は、専門店の市場を奪っているんでしょうね。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「「おいしさ」評価を考えた結果、生まれたのが「ルック見た目」「アロマ食前の香り」「テイスト味」「フレーバー食後の香り」「プライス価格」という5つの要素に分けて、勝利や食材を点数化するという評価手法だ。」

『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

 

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