スーパーでよく見るサンライズ

 By kohrogi34

1週間ほど前になりますが、日経新聞夕刊一面にワインに関する記事が掲載されていました。

 

ワインが安くなっている。家庭で飲まれることが増えるなど需要の裾野が広がり、スペイン産やチリ産を中心に安価なワインの輸入が増えているためだ。輸入価格の下げもあって店頭の値段も前年同時期に比べて約1割安くなった。輸入量全体も3割増のペースで伸びている。(2013年1月7日日経新聞夕刊より)

 

ワインの低価格化は、スーパーのワイン売り場で実感しています。輸入ぶどう果汁を使ったワイン以外で、500円以下のワインはざらにあります。グルメシティなんて、価格帯別の売場を作っているほど。ワインの敷居を下げることに、小売店は躍起のようです。

 

ワインの消費量・金額が実際にどうなっているのか、国税庁のホームページから調べてみました。その結果は、以下の通り。

 

【2012年度のワイン課税数量の対2011年度比較】

4月以外の9ヶ月がすべて前年以上

 

ワイン消費量が増えているのは事実のようです。ちなみに、課税金額や750ml当たりの課税金額を調べたところ、課税金額は数量とほぼ同じ割合で増減していることがわかりました。これは、酒税額が単価ではなく数量によって決まっているからです。勉強になりました。

 

税額は数量によって決まるので、酒税データからはワインの平均単価はわかりません。ただ、日経新聞の言う通り、輸入ワインの単価が下がっていることは、売場視察をする限り、実感します。

 

そこで、ワインの低価格化がもたらす、食品市場全体への影響について考えてみました。

 

【ワインの低価格化がもたらす食品市場全体への影響】

[1]    ビール・日本酒・焼酎からワインへのシフトが起こる

[2]    ビール・日本酒・焼酎を飲まなかった層がワインを飲み出す

[3]    洋食を食べる機会が増える

[4]    一度飲みだしたブランドを買い続ける

 

1は、ビール・日本酒・焼酎市場の縮小につながります。そもそも、成長余力が小さな市場だけに、大手酒造メーカーがワインに力を入れているのも事実。ここに、健康にいいというイメージが加われば、ワインへのシフトが進むかもしれません。チェーン居酒屋が衰退し、ワインが気軽に飲めるバールに人気が集まっているところをみると、このパターンが一番大きいかもしれません。

 

2は、これまでアルコールをさほど飲まなかった層がワインを飲みだすのではないか、という予測です。アルコール市場全体の拡大になるので、大手メーカーにとっては嬉しいところ。このパターンが期待できるのは、シニア層の女性でしょうか。

 

3は、ワインの低価格化が進み、手に取りやすいアルコールになれば、ワインに合う洋食の需要が増えるという予測です。スーパーで売れる品目にも、変化が起こるかもしれません。チーズ・ピザなどはワインと一緒に売れば、かなり売上が上がるのではないでしょうか。

 

4は、一番注目している所。ワインにあまり詳しくない人が、試しに飲んだワインを美味しく感じれば、そのワインを飲み続ける可能性はかなり高いかと思います。実際に、そういう人を何人か知っている人。ブランドスイッチが起きにくいので、メーカーはここを狙うのが安定的に売上を伸ばす一番の方法ではないでしょうか。面白いのは、安いから手に取ってもらえるというわけではないということ。スーパーのワイン売場を見ても、安いワインを手に取るものの、不安になって売場に戻す人が多いように感じます。そして、最終的に買うのは、比較的安心できる大手メーカーが販売する1000円ほどのワイン。(例えば、イエローテイルサンライズなど)500円以下の激安ワインにリスクを感じる人は、意外に多いのではないでしょうか。

 

このように考えると、身近なスーパーでワインを売る秘訣は、価格ではなく安心感をいかに与えるということに掛かっているように思えます。また、ブランドスイッチを促すには、割引クーポンなど何かしらの仕掛けが、他のカテゴリー以上に必要になるのではないでしょうか。

 

☆  今日のまとめ☆

売場における実感でも、ワインの低価格化は進む。

これによって、ビールなどからワインへのシフト、新規にワインを飲むことによるアルコール市場全体の拡大、ワインに合う洋食需要の拡大が起こるのではないか。

一方で、一度気に入ったワインを飲み続ける傾向が強いように思えるので、ブランドスイッチは起きにくい。

価格よりも安心感を与えることが、スーパーでワインを売る秘訣ではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ブランドスイッチが起きないとなると、ワインの面白みが半減します。

いろんなワインを飲んで、自分の好みを知る、経験値を高めるのが、私にとっての楽しみですね。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「学生時代には、何事もやってみないと分からないということで、野宿をして暮らしてみたこともあったそうです。その経験から、社会はいろんな人が様々な仕事をすることで、支えあって成り立っていると実感したそうです。」

『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。