パート雇用者の増加が示す食ビジネスへの影響とは?

デリカウンター

By ParkerSav

もう一つのブログで、厚生労働省発表の現金給与総額データを取り上げました。このデータからわかることは、

 

パート雇用者数は増加傾向にある

 

ということです。すでに、リーマンショック前の水準を上回っています。ちなみに、一般雇用者数は、未だリーマンショック前の数字に届いていないので、いかのパート雇用者が増えているかがわかります。

 

間違えて欲しくないのは、この変化は、

 

一般雇用者がパート雇用に転換しているということではない

 

ということ。そういう例もあるかと思いますが、一般雇用者・パート雇用者を合わせた全体数字は増加しているので、単純に

 

働いている人が増えている

 

のは、間違いないということになります。

 

では、人は働くと、どのような変化が起こるか。

 

【働くことで起こる消費社の変化】

[1]    可処分所得が増える

[2]    可処分時間が減る

 

となります。つまり、お金が増えて時間が減るということですね。もっと言えば、

 

お金はあるけど、買い物に出かける時間がない

 

ということになるでしょうか。だからこそ、

 

ネット通販市場が伸びる

便利な駅ナカ・駅近への出店が増える

都心型小型スーパーが好まれる

 

ということになるのです。この論理展開は、かなり明確です。さらに、食という観点から見ると、

 

食事をゆっくり取る時間がない

調理・後片付けの時間がない

 

ということになるでしょうか。その結果起こることは、

 

立ち飲み店が流行る

長時間滞在しがちな居酒屋の売上が減少する

惣菜が売れる

 

ということになります。俺のイタリアンが人気な理由も頷けます。なんせ、立ち飲みスタイルで割安な高級イタリアンが食べられるのですから、お金があって時間のない雇用者にとっては願ったり叶ったり。(ただし、パート雇用者が俺のイタリアンのターゲットではないでしょうね。)一方で、チェーン居酒屋は衰退しています。特に、料理がすぐに出てこないお店は、客足が遠のくでしょう。惣菜については、コンビニ人気を見れば、一目瞭然。既存店売上高は減少していますが、全体では売上は伸びているので、消費者の支持を受けているのは間違いありません。入店から商品選択・支払いまで素早く済ませられることを考えると、コンビニが好まれるのも頷けます。

 

そこで、入ってきたニュースが、スーパーの惣菜に関する記事。

 

スーパー各社は総菜販売を強化するため、工場を増強する。セブン&アイ・ホールディングス傘下のヨークベニマルは3月に約40億円を投じた新工場を稼働させ和食の総菜などを新たに生産する。首都圏が地盤のいなげややヤオコーも数十億円を投じて新工場をつくる。シニアを中心とする少人数世帯の増加で「個食」が広がる。各社は拡大が見込める総菜需要を取り込み成長をめざす。(2013年1月31日日経新聞朝刊より)

 

この記事で言いたいことは、次の二点。

 

【スーパーの惣菜ビジネストレンド】

[1]    利益率の高い惣菜の販売に力を入れる

[2]    セントラルキッチン方式でコストダウン・マージンアップを更に狙う

 

この記事を見る限り、今後、惣菜でも価格競争を仕掛けるのでしょう。しかし、パート雇用者の実態は

 

お金はあるが時間がない

 

に他なりません。価格よりも、入店から商品選択・支払いまでの時間短縮の方が、よりニーズに合致しているのではないでしょうか。

 

☆  今日のまとめ☆

パート雇用者が増加しているということは、以前よりもお金はあるが時間がない人が増えたことに他ならない。

この変化に対応したからこそ、ネット通販・立ち飲み・コンビニは消費者から支持を得ているのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

コンビニと比べると、スーパーの惣菜は、特徴というものがほとんどありません。

商品名はたいてい一般名詞。

もう少し食欲を掻き立てるような惣菜を開発すれば、時間は掛かりますが人気商品に発展するように思えます。

そう考えれば、惣菜ビジネスにはまだまだ隙間がありますね。

 

☆サムシンググッド創業者 坂本桂一さんの言葉☆

「よく、ビジネスを食うか食われるかの弱肉強食の世界に喩える人がいるが、それは違う。たとえ勝負に負けようが、その負けをも商売のネタにして儲けることができるのがビジネスなのである。

『頭の良い人が儲からない理由』より)

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