阪急うめだ本店がワイン売り場を改装した理由とは?
By Dave Dugdale
※阪急うめだ本店とは関係がありません
昨日、阪急うめだ本店に行ったところ、ワイン売り場が大きく様変わりしていることを発見しました。その変化をまとめると、次のようになります。
【阪急うめだ本店のワイン売り場改装まとめ】
[1]1050円コーナーの登場
[2]チョコレート売り場の併設
[3]ワインバーのスペース拡大
今回取り上げるのは、1の1050円コーナーの登場について。梅田にある百貨店のワイン売り場では、阪神百貨店が売場面積・試飲銘柄数で1番であり、一番力を入れているように思われます。阪神のワイン売り場にあって他の百貨店にはないものといえば、1050円のデイリーワインコーナー。大丸・伊勢丹・阪急にも1000円程度のワインはありますが、特別集めたわけではありません。国別の棚や特集売場で、販売されているのみ。だから、阪急で1050円コーナーが出来たことは、恐らく阪神の影響を受けていると思われます。なんせ、親会社は同じですから。そこで、阪急うめだ本店のワイン売り場が、1050円コーナーを開設した理由を考えてみました。
【阪急うめだ本店のワイン売り場が1050円コーナーを作った理由】
[1]税抜き1000円以下のワインの売れ行きが群を抜いているから
[2]来店客から売上を上げる百貨店全体の戦略のため
1について、これは百貨店ではなく、スーパーの売場を見れば明らかです。スーパーでは、1000円以下の銘柄が、売場全体の90%以上を占めているのではないでしょうか。具体的に調べたわけではないですが、それぐらい、ほぼすべての銘柄が1000円以下なのです。この売場構成からわかることは、スーパーでは1000円以下の商品の売れ行きが群を抜いていること。百貨店でも、この傾向が同じだからこそ、阪急は1050円コーナーを作ったのではないでしょうか。
実は、先週同じ売場に行ったところ、まだ改装前でしたが、1080円のワインを集めたコーナーがありました。この売れ行きが良かったため、銘柄を拡充したうえで、税込1050円・税抜き1000円という切りの良い価格のコーナーを作ったのかもしれません。阪急やその他百貨店でどの価格帯が売れているのか、実際には知りません。ただ、今回1050円コーナーにいる時に、1050円のワインを2本買っている20代女性を目の当たりにしました。恐らく、ワインを買うのが目的で阪急に来たのではなく、たまたまワイン売り場に行ったところ、1050円という手頃な価格で販売していたので、買ったのだと思います。さらに、阪急では、1050円のワインも試飲(恐らく一部)を実施していますので、味を確認してから買うことができます。この安心感が、この女性に2本も衝動買いをさせたのではないでしょうか。衝動買いを生み出せるなら、1050円コーナーを作ることによって、売上減少よりもプラスの売上を生み出す効果の方が期待できます。
2について、これは以前100円の阪急ベーカリーを取り上げた時に、述べたことと同じこと。つまり、阪急が直面する課題は、集客数は伸びているものの、何も買わずに買える人が多いということです。だから、手頃な商品を導入することで、来ていただいたお客様に、何かしら買ってもらおうとしているのです。この一環として、ワイン売り場に1050円コーナーを設けたのではないでしょうか。先述の20代女性も、1050円コーナーがあったからこそ、2本も衝動買いしたのであり、もしこの売場がなければ、試飲だけでして何も買わずに帰ったかもしれません。
百貨店と言えども、値頃感な商品が無ければ、売上増が見込めないのかもしれません。特に、デパ地下の場合は、既存顧客の高齢化の影響が大きいので、新規顧客獲得のために、手頃な単価の低い商品の導入は、今後も続くのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
阪急うめだ本店がワイン売り場に1050円コーナーを新設した理由には、二つあるのではないか。
まず、税抜き1000円以下のワインの売れ行きが、群を抜いているからかもしれな。
また、来店客を購入客にさせる戦略に沿ったものかもしれない。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
1050円コーナーでは、気になるワインが多々ありました。
今回は試飲できなかったのですが、次回は一度試してみたいと思います。
☆ 最近買った商品☆
食パンだけ買うつもりだったのですが、あまりにも美味しそうだったので、いろいろ買ってしまいました。
この中で一番美味しかったのは、パン・ド・ショコラ。