ファミレスチェーンのガスト、メニューを3割減らした理由とは?

ガストFullyFunctnlPhil

ファミリーレストランの記事が、日経新聞に掲載されていました。ファミレス市場全体では、マイナストレンドから回復に転じているようです。この勢いに乗って、大手のすかいらーくが、ガストの全店を改装するようです。

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは約1300店ある「ガスト」全店を改装する。2014年から4年で約130億円を投じる。単身世帯やシニア層 が増えており、家族客に的を絞った従来型の店では集客が難しくなると判断。2人席を増やし、年配者も落ち着ける内装にする。低迷が続いたファミレスの売上 高は回復傾向。来春に見込まれる消費増税に備え、競争力を高める動きが広がってきた。(2013年6月29日付 日経新聞朝刊)

改装を行う目的は、増える単身者やシニア層を集客するため。これまで家族をメインターゲットにしてきたファミリーレストランも、大きな変化を余儀なくされていることがわかります。

この記事の中で、もう一つ発見したことがあります。それは、メニューを3割削減したことです。

メニューは約120品目と昨年より3割絞り込んだ。谷真社長は「グループで約3000店ある規模の優位性を生かす」としており、食材の共通化にも取り組む。合理化を進め、来年春に予定されている消費増税後も低価格戦略を維持できるようにする方針だ。(同)

メニュー削減の目的は、

[1]    増税を見越したコスト削減

[2]    客席を増やすことによる売上増

です。

1は、今後やってくる消費増税で増税分を価格に転嫁すれば、客離れを引き起こす恐れがあります。特に、割安感をウリにするガストの場合、割安感が薄れれば、客足が大きく衰えるリスクがあるのです。だからこそ、値上げ幅をできるだけ小さくする必要があります。そのためのコスト削減の一環として、メニュー数を削減し、オペレーションコストを下げるというわけです。メニューが少なくなれば、キッチン作業のみならずホール作業も軽減されます。アルバイト人員を減らせるかもしれません。

2は、メニューを減らせば、キッチンの負担も減り、キッチン面積を小さくできます。その分、客席を増やせれば、売上拡大につながります。

メニュー数の削減は、コスト削減と売上増による利益拡大を目指したことなのです。ただ、気になることがあります。それは、

メニューを減らすことで集客に悪影響が出ないのか

ということ。メニューが減れば、それだけ選択肢が小さくなり、和洋中食べられるファミリーレストランの魅力が薄れる恐れがあるのです。その結果起こるのは、集客減。売上の減少につながります。にもかかわらず、メニューを3割も減らしたのは、その悪影響がさほど大きくないと判断したからでしょう。それどころか、ある程度メニュー数を絞った方が、選ぶのに悩む必要がないため、より消費者にとって便利なのかもしれません。

品揃えが豊富なのは、それだけ魅力的なことです。しかし、一方で煩わしいと考える消費者もいるのは事実。その層をターゲットにするならば、品揃えを必要分だけに絞ることも重要なのではないかと、思います。

☆今日のまとめ☆

すかいらーくがガストのメニューを3割も減らしたのは、減らしも集客に大きなマイナスにはならないと判断したからではないか。

品揃えを減らせば、その分選ぶのに悩む必要が無くなり、ありがたいと感じる消費者もいるだろう。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

☆  今日のこぼれ話☆

ファミリーレストランが復活しているようですね。

正直、あまり行きませんが、シニア層・ママさん層が多いというイメージです。

ファミレスチェーンのガスト、メニューを3割減らした理由とは?” に対して2件のコメントがあります。

  1. CATS より:

    2014年10月に、ガストに久しぶりに入店、前回は消費税が8%になって2週間後

    入店してびっくりした、
     1.メニューが非常に貧弱
     2.モーニング定食にはドリンクサービスがカット
     3.ランチサービスはドリンクサービス+サラダセットがカット
     4.以前は単品で250円程度であったドリンクサービスが
       300円以上に極端な値上げ
     5.入店客が減ったので昼時に行っても、無料駐車場には空きがある。

    もっとビックリしたのは以前はランチ+サラダ+ドリンクバーで精々700円程度で
    あった価格が970円近くもした。
    サラリーマンの昼飯としては高いしガストでは何のメリット感じられない。

    ビジネスマンも少ないし、商談をしている客は非常に少ない、以前はたむろしていた
    学生もいない、ガストは何の魅力も無い コストパフォーマンス最低の飯屋に成り下がっていた。

    最後にアルバイト学生も店舗から消えていた。
    消費税+円安がずっしりとこたえているらしい。

    二度と行く事は無いだろうガスト・・・

    1. ryotarotakao より:

      CATさん

      コメントありがとうございます。
      ガストはご無沙汰しているのでよくわからないのですが、ファミレス復活に乗り業績はいいみたいですね。
      都市部の店舗を増やしているようです。
      値上げについては、値上げしている企業ほど業績がいいみたいなので、今後増えると思います。
      値上げして顧客に納得してもらえるかですね。
      単に価格を上げるだけではなく、付加価値も付けないと客離れも速いですから。
      またコメントいただけると、幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です