酒屋のカクヤスから学べる逆張り思考
by courtesy of Rex Roof
たまたまはてなブックマークを読んでいたら、とてもおもしろい記事を見つけました。
日経ビジネスオンラインの記事です。サイトを見ると、日経トップリーダーという中小企業がターゲットの専門雑誌が主催した講演会で述べられた内容のようです。この中で、とてもおもしろい話がありました。
それで「やっちゃおうか、宅配」と思ったのです。 その当時、宅配をするお酒のディスカウントショップはありませんでした。当然です。もっともコストがかかるサービスが、配達だからです。価格をディスカウントしてさらに配達もするなんて、ビジネスとして成立するわけがないのです。だから、誰もやらない。(日経ビジネスオンラインより)
当時のカクヤスは、大変立地の悪いコンビニを経営していたようですが、立地の悪さゆえに売上は低迷していました。一方、酒類販売の世界では、お酒のディスカウントショップが人気を博していました。今では少なくなりましたが、郊外によくある店舗面積の大きなお酒の格安店です。この人気ぶりを見て、この立地の悪いコンビニをお酒のディスカウントショップにしたようです。しかし、この旧コンビニには、大きな販売スペースも無ければ、広い駐車場もありません。つまり、お酒のディスカウントショップが備える条件がないのです。だからこそ、宅配を始めたのです。
ただ、宅配は店舗販売よりもコストが掛かります。運ぶ車も用意する必要があります。(カクヤスは、自動車を置くスペースすらなかったので、自転車を利用!)このような手間もコストも掛かる販売方法は、低価格・大量販売を是とするディスカウントショップが採用するわけがありません。誰もやらないからこそ、真似されない差別化になったのです。
この「真似されない」というのが、とても重要。いいアイデアを思いついて商品化しても、競合他社に真似されてしまえば、その差別化はすぐに無くなってしまいます。そして、その先には価格競争が待っているので、競合他社よりも体力が無ければ、負ける確率が高まります。
手間・コストが掛かるから、競合が真似しない。だから、やる。この逆張り思考、既存ビジネスに適用すれば、競争力の高い新事業が生まれるかもしれません。
☆今日のまとめ☆
カクヤスは、立地の悪いコンビニを酒のディスカウントショップにするために、宅配を始めた。
宅配は、手間・コストの掛かるサービスだけに、競合は真似しない。
この逆張り思考は、既存ビジネスに適用すれば、競争力の高い新事業が生まれるのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
今回取り上げた記事は、はてなブックマークでたまたま見つけたもの。
これだから、ソーシャルブックマークは大好きです。