飲食業界から学ぶ、大手流通による寡占化から小売店を守る方法

スーパーの店内

by courtesy of tim_d

10月の日経ビジネスにて、消費増税が特集されていました。増税によって、消費行動がどのように変わるのか、そしてその変化に企業はどう対応するのか。消費増税は、消費と企業活動に大きな影響を与えるのです。

その変化を一言でまとめると、支出をできるだけ抑えようとする消費者が増えるわけであり、この消費者の変化が企業活動に影響を当たることになります。節約志向を強めた消費者に対策の一つとして、企業はさらなるコスト削減を進めるわけです。その結果起こるのが、大手流通による寡占化。

なぜ寡占化が起こるかというと、小売業は規模の経済が働きやすいからです。仕入れ量が増えるほど、仕入れコストは下がり、取扱量が増えるほど、運賃が下がります。装置産業のメーカーも然り。生産量が増えるほど、原価は下がります。規模の経済を期待して、小売業ではM&Aが増え、町中の店舗の多くの大手小売チェーンになるわけです。実際、神戸東部でも、ダイエーを含めイオン系のスーパーがかなり増加しています。

一方、飲食店では、大手チェーンの寡占化はさほど進んでいません。逆に、前回取り上げた総合型居酒屋では、大手居酒屋チェーンは苦戦しているほど。寡占化が進む小売業と、寡占化が進まない飲食業。この差を生み出すものは、

販売商品

に他なりません。

小売業では、販売商品に接客も含まれるものの、その大部分はモノ。一方、飲食業では、販売商品に含まれるサービスの割合は大きく、モノの持つ影響力は小さいのです。規模の経済に関しては、モノは働きやすいものの、サービスはほとんど働きません。つまり、サービスの要素が大きな飲食業では、規模の経済が働きにくいということになります。その結果、規模の経済によって差別化する大手チェーンの影響力は小さくなるのです。

逆に言えば、小売業で規模の経済を働きにくくさせるには、サービスを付加させればいいことがわかります。そうすれば、大手流通の寡占に巻き込まれなくなります。それは、価格競争を回避することに他なりません。

 

☆今日のまとめ☆

飲食業界で大手チェーンの寡占化が進まないのは、販売商品の中でのサービス要素の割合が大きいからである。

ならば、小売店でもサービス要素を増やせば、大手流通による寡占、つまり価格競争に巻き込まれないだろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

消費増税により、PB商品の販売が相当増加するそうです。(日経ビジネス曰く)

実際、私も一部の商品をPBにシフトしました。

ブランドとはなにかを、考えさせられます。

 

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