価格競争から抜け出せない納豆はヨーグルトを目指せ

美味しそうな納豆

by courtesy of snowpea&bokchoi

日常的に納豆を食べるので、納豆売場を定期的に訪れるのですが、納豆ほど価格競争が激しい食品はないように感じます。ほとんどの商品が100円以下で販売されており、100円を超えると、売れ行きが鈍ることが売場を見るだけでわかります。

納豆売場で激しい価格競争が起こっている要因は、以下のようにまとめることができます。

【納豆の価格競争が激しい要因】

[1]       低価格志向が強くなるスーパーを主要チャネルにしているから

[2]       パッケージが似通い、比較が容易だから

[3]       品質の差別化がほとんどされていないから

1について、スーパーほど消費者が低価格志向になる小売店はないと思います。そもそも、定価で販売する食料品店のアンチテーゼとして生まれたスーパーだからこそ、消費者が低価格を求めるのも仕方ありません。スーパーを主要販売ルートとする限り、納豆はなかなか価格競争から抜けられないのではないでしょうか。

2について、納豆のほとんどが40gまたは45gの3個パック。よって、価格比較が容易になり、価格で選ばれる確率が高くなります。これが、価格競争を助長していることは、間違いないでしょう。もし、納豆売場が多様なパッケージの商品で構成されていれば、価格比較が難しくなり、価格以外で選ぶ消費者が増えるはずです。

3について、納豆で行われている差別化は、豆の産地や大きさ、そしてタレの味ぐらい。タレで納豆の味が少しは変わるものの、豆の産地や大きさではほとんど変わりません。多くの消費者が納豆に美味しさとすれば、品質の差別化はほとんどされていないのです。よって、品質で比較することは難しくなり、誰でも比較できる数字つまり価格で比較されることになります。

このように、納豆で起こっている価格競争はなかなか回避が難しく、お先真っ暗のように感じられますが、方法がないわけではありません。その方法とは、ヨーグルトの販売手法を真似るということです。

ヨーグルトもスーパーを主要販売チャネルにしているので、価格競争に陥りやすく見えるのですが、実際には高単価商品が売れています。その売れている高単価商品は、健康を切り口にし、食べ続けることで効果が出ると謳っています。この「健康」と「リピート」を納豆にも取り入れれば、売れる高単価商品を生み出すことは可能になるのではないでしょうか。

幸い、納豆も健康に良いというイメージが持たれている食品。(実際いいので、私は食べています。)さらに、定期的に食べる人が多い商品です。(私も定期的に食べています。)よって、ヨーグルトのように高単価商品を生み出す素地は十分あるのです。単に産地や豆の種類、タレなど味に関する部分で差別化するのではなく、健康という必要性の高い切り口で差別化すれば、高くても売れる商品を開発でき、価格競争から脱却できるのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

納豆が激しい価格競争に陥っているのは、スーパーという低価格を要求されるチャネルを主要販売ルートとしているからであり、またパッケージや品質で差別化ができていないからである。

健康という切り口で差別化できれば、ヨーグルトのように価格競争から脱却でき、高くても売れる商品が生まれるかもしれない。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

今価格に関する書籍「価格の心理学」を読んでいるのですが、これが面白い。

翻訳本なので読みにくいのが難点ですが。

原書の方が読みやすかったりして。

 

 

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