客数減を見越して打った、スタバの一手とは?

Starbucks at Shenzhen

by courtesy of Kevinix

 

前回はスターバックスの異変について、取り上げました。業績絶好調のスターバックスですが、月次実績では客数が減少傾向にあるのです。そこで客数をテコ入れする対策が必要となるのですが、スタバは既に実施済み。この辺りも、スゴイの一言です。

 

実際にスタバが行っている対策をまとめると、次のようになります。

 

【スタバが実施している客数テコ入れ策】

[新規顧客の獲得]多様な立地への出店

[既存顧客の維持]ロイヤリティプログラムの強化

第二四半期決算説明資料(PDF)より

 

多様な立地とは、郊外ショッピングセンターや幹線道路沿い、そして住宅街です。従来のスターバックスは、ビジネス街や繁華街が中心でした。しかし、そのような立地は集客が容易なため、不動産価格や家賃が高騰しています。また、もともと集客しやすい場所ほど、人口減少の煽りを受けるので、集客が難しくなります。そこで、新たな立地により、これまでスタバを利用したことのない人や利用の少なかった人の獲得に動いています。特に、住宅街への進出は、マスコミでも取り上げられるほど斬新なもの。単に、リタイア層の獲得を目指すだけでなく、通常店舗よりも単価の高い商品を販売している点で、客数のみならず客単価の向上にも寄与します。

 

ロイヤリティプログラムの強化とは、My Starbucksという会員制度の会員を増やすことであり、スタバファンの育成に取り組んでいます。2013年度上期には、90万人にも達し、店舗外での顧客コミュニケーションが可能となります。

 

また、スターバックスカードというプリペイドカードの販売にも、力を入れています。事前入金が必要なスターバックスカードユーザーが増えれば、カフェ利用時に、他のカフェではなくスタバに来店してくれる確率は格段に上がります。スターバックスカードは、顧客流出を食い止める必殺技とも言えるのです。

 

さらに、11月からはオンラインストアを開設。家庭やオフィスでのカフェ需要を取り込むだけでなく、顧客との接触機会を増やすことで、スタバとの距離を縮めようとしています。

 

消費増税を控え、外食を減らす人は相当増えると予想されます。ならば、少ない外食機会に自社(自店舗)を選んでもらえればいいのです。そうすれば、深刻な客数減に落ち込むことなく、ある程度で食い止めることができます。新規顧客の獲得までは難しいとしても、既存顧客の維持はそれほど難しくありません。そういう意味で、スタバの施策はとても参考になるでしょう。

 

☆今日のまとめ☆

消費増税を控えた客数減を見据えてか、スタバは客数減対策をすでに実施済み。

新規顧客獲得のために、多様な立地への出店を進め、既存顧客維持のために、ネット会員やプリペイドカード会員を増加させようとしている。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

そういえば、結婚式を行ったレストランから、クリスマスディナーの案内書が届きました。

昨年はなかったような。

これも、消費増税を見越した休眠顧客の掘り起こしなのかもしれません。

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