好業績のスタバと需給ギャップの関係とは?
by courtesy of Paulo Guilherme Neto
スタバの業績が好調のようです。
スターバックスコーヒージャパンが2日発表した2013年4~6月期の単独決算は税引き利益が前年 同期比72%増の25億円だった。4~6月期として過去最高となる。6月の気温が高く、高単価のデザート風飲料「フラペチーノ」の販売が伸びた。コーヒー 豆相場の下落もあり、円安による輸入コストの増加を吸収した。(2013年8月3日付 日経新聞朝刊)
肌感覚でも、スタバは本当に流行っていると思います。上陸した当初のような「いつも満席」というお店はほとんどありませんが、客席をいつ見てもそれなりに人で埋まっています。そこで、スタバの好調さを需給ギャップから考えてみようと思います。
需給ギャップとは、需要と供給の差異。差異の程度により、そのビジネスの儲けが変わってきます。
【需給ギャップと儲けとの関係】
[需要>供給]値上げしやすい(価格競争が起こりにくい)→利益率が向上しやすい
[需要<供給]値下がりしやすい(価格競争に陥りやすい)→利益率が低下しやすい
スタバの業績がいいのは、前者の状態に身を置くからに他なりません。しかし、一般的に、喫茶店やカフェ業界(飲食業界全体と行ってもいいかもしれません)は、
需要<供給
な環境に陥っています。人が集まりそうな場所に行けば、何かしらのカフェや喫茶店があるはず。つまり、コーヒーを飲みたくなれば、いつくか選択肢がある状態が多いのです。よって、通常ならば、
値下がりしやすい→利益率が低下しやすい
はずです。しかし、スタバは値下がりどころか、単価の高いフラペチーノの販売が好調で、利益率が向上しています。では、なぜスタバは、「需要>供給」状態にすることができたのか?その理由は、
商品開発・ブランド力により差別化に成功したから
でしょう。特に、ブランド力の差別化には大成功しているのではないでしょうか。そう感じるのは、
フラペチーノを持ち帰りで購入するケースが結構多いから
です。実際カウントしたわけではないですが、フラペチーノを飲みながら歩く人や電車を待つ人を、見かけることがあります。ちなみに、他のコーヒーチェーンのカップを持つ人は、ほとんど見たことがありません。恐らく彼らは、スタバのマークの付いたカップを持ち歩くことに、何かしら価値を感じているのでしょう。
スタバと言えば、「心地よい店内」というのもウリの一つ。だからこそ、スタバで仕事をする人が多いのでしょう。また、空間という付加価値分が価格に転嫁されているので、メニュー価格が他のセルフサービスカフェよりも高いのでしょう。その付加価値の高い空間を使わずに持ち帰りする人がいるほど、スタバのブランド力は高いのです。ブランドを高めることに成功したことで、正の需給ギャップを生み出し、高単価商品の販売に成功したのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
スタバの業績がいいのは、ブランド力を高めることに成功した結果、正の需給ギャップを生み出したから。
その結果、価格競争を回避するばかりか、値上げに成功した。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
そう言えば、最近カフェに行く機会がほとんど無くなりました。
お茶を持ち歩いているからです。