モスバーガーの10月既存店実績で起きた異変
by courtesy of Ben Metcalfe
スタバ同様、四半期業績の良かったモスフードサービスですが、その主力業態・モスバーガーでも、スターバックス同様に何か異変が起きています。
それは、10月既存店実績に表れていました。要は、10月の既存店実績が悪かったのですが、単に悪かったで済ませられる数字ではないのです。上期平均値と比較すれば、以下のようになります。
【モスバーガーの2014年3月期上期と10月既存店実績】
[既存店売上]上期101.2%→10月88.0%
[既存店客数]101.6%→91.0%
[既存店客単価]99.6%→96.6%
既存店売上が減少に転じているだけでなく、その下げ率も大きくなっています。ちなみに、既存店売上高が88%以下になったのは、2012年1月以来なのです。そして、その要因は、客数・客単価の大幅減少。
上期平均値では、客数がプラスになっていますが、客数は常にプラスというわけではありません。ただし、客数の減少に悩むファストフード業界にあって、上期の半分をプラスにしたのはスゴイの一言。対照的に客数減少が止まらないマクドナルドから顧客を奪ったとも予測できますが、客数増の要因は、朝食・カフェ需要を開拓したからだそうです。
一方の客単価は、恒常的なマイナスが続いていましたが、8・9月にプラスに転換。新商品の発売や定番商品のリニューアルによって、単価の高い商品の購入が増えたからでしょうか。ただ、比較的客単価の低い朝食やティータイム(カフェ利用)の集客に力を入れているので、ある程度客単価の下落は仕方のないことかもしれません。その分、粗利益率の高い飲料の販売が増えるので、営業利益にはプラスに働くわけです。(実際、営業利益率は前年同期比で向上しています。)
この客数増・客単価増を狙った施策に成功したかに見えたモスバーガーですが、10月はその様相が大きく異なります。客数・客単価とも下落しただけでなく、今期で最大の下げ率を記録しています。台風の影響もあるでしょうが、それは客数に影響するのみ。逆に、朝食やカフェ利用の客数が減れば、客単価にはプラスに働きますが、実際には客単価も減少しています。
スターバックスの10月実績もモスバーガー同様に、客数・客単価とも下落しています。この2つの事例によれば、10月に消費者が財布の紐を少し引き締めたのは間違いないようです。
☆今日のまとめ☆
四半期業績好調のモスフードサービスだが、10月に大きな異変が起こっている。
モスバーガーで、客数・客単価とも下落し、既存店売上が大きく減少しているのである。
スターバックスの実績からみても、10月に消費者が財布の紐を引き締めたのは間違いないだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
元町・三宮でも、閉店に追い込まれた店舗がぞろぞろと増えています。
ここ最近の話なので、消費者心理が少し変化したのかもしれません。