過激なハッピーアワーは劇薬にならないか。

happy hourby courtesy of Andee Duncan

先日、WBSで飲食店によるハッピーアワーの設定が増えているという特集を目にしました。今では、ハッピアワーだけを専門に紹介するサイトもあるとか。サイト名は忘れましたが、恐らくサイトでハッピーアワーでの利用を予約し、サイト上で決済まで完了するというやり方なのだと思います。そうでないと、サイトは手数料収入を得られないので。グルーポンなどが扱う格安クーポンとほとんど同じですね。

消費者としては、安い価格で外食できるというメリットがあり、店舗には、空いている時間に売上を確保できるというメリットがあります。ウィンウィンの取引なので、今後の拡大が期待できるわけです。WBSでも、かなり好意的にハッピーアワー関連サービスが取り上げられていました。

しかし、ふとここで思うわけです。それは、

ハッピーアワー価格で食べた消費者が、正規価格で食べようと思うか?

ということです。ハッピーアワー価格と正規価格の関係は、単純値上げのようなもの。低い価格で手に入れた商品と全く同じモノに、高い価格が付けられれば、どうしても割高感が生じます。単純値上げ後の価格=正規価格が、競合品よりも割安ならば、正規価格でも利用しようと思いますが、正規価格が割安ならば、そもそも繁盛店のはず。ハッピーアワーという面倒な価格設定を、わざわざ行う必要はありません。つまり、ハッピーアワー価格で食べた消費者の再来店は、なかなか難しいということになります。顧客層の拡大は期待できないわけです。

それ以上に、ハッピーアワー価格を設定すれば、ハッピーアワーがなければ正規価格で食べたであろう人が、ハッピーアワー価格で利用する危険性があります。これは、客単価の引き下げになり、売上減少要因です。

かといって、空いている時間にも、人件費や家賃という固定費が掛かっているわけであり、変動費を超える価格で売れるならば、売上を増やしたいはず。ならば、ハッピーアワー価格に設定するのは、ビールなどのアルコール類やちょい飲みセットなどの特別セットにするのが賢明のような気がします。もっと言えば、価格を下げるよりも、ビール一杯のサービスなど、品質を向上させたほうが、客単価下落を避けられるので、より優れているのではないでしょうか。

そもそも、価格を変えるのは、慎重に行いたいもの。というのは、下げるのは簡単ですが、上げるのは相当難しいからです。マクドナルドのように、長期に渡る客数減少に悩まされるかもしれません。大幅値引きのハッピーアワー価格を導入すれば、ハッピーアワー価格でしか売れなくなり、ハッピーアワーに依存するお店になり兼ねません。ハッピーアワーは劇薬にもなるので、注意が必要です。

☆今日のまとめ☆

大幅に割り引いたハッピーアワー価格を設定することは、単純値上げを行うことに等しい。

正規価格を支払う顧客数が激減する危険性もあるので、慎重に行いたいもの。

ハッピーアワー価格を設定するよりも、ビールなどサービスする方が、客単価下落も避けられていいのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

個人的には、大幅値引きをするようなお店には、好んで行きません。

特に初めてのお店の場合、正規値段美味しくない可能性があるからです。

 

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