美味しいだけの中小零細レストランが失敗すると考える理由とは?
by courtesy of Michael Wu
※記事内容とは全く関係ありません
食関連のビジネスをいろいろ考えた結果、次のような結論にたどり着きました。それは、
美味しい→価格競争の可能性大→大手有利
美味しい+α→価格競争を回避できるかもしれない→中小零細可能
です。美味しいだけでは当たり前。別に何か付加価値が必要と言うわけです。
例えば、何か美味しい料理を開発したとします。発売当初は、それなりに売れることでしょう。今で言えば、パンケーキがこの部類に入ります。ただし、その商材が儲かるということが自明になれば、競合が真似をするのは必至。その競合が中小零細企業ならば、何とか太刀打ちできるかもしれませんが、大企業になれば勝ち目はほとんどありません。大企業は、安く食材を仕入れることができるので、同じ製法で作ったとしても、中小零細よりも低コストで調理できるからです。つまり、大企業の参入で、価格競争が起こるのです。大量仕入れができない中小零細企業に勝ち目はありません。
この戦いで大企業に勝とうとすれば、美味しい以外の付加価値が必要になります。パンケーキの例で言えば、
美味しい+見た目が綺麗
美味しい+ヘルシー(低カロリー・低コレステロールなど)
美味しい+心地よいサービス
など。
もっと言えば、美味しいだけでは売れないかもしれません。例えば、冷凍食品が売れているのも、
美味しい+簡単調理
というように、別の付加価値があるから。ブランド化に成功すれば、これがブランドでもいいわけです。
俺のイタリアン→美味しい+ブランド+比較的安い
スタバ→美味しい+ブランド
さらに、技術革新(機械化など)により、美味しさのハードルは相対的に下がっているとも言えます。例えば、冷凍食品の美味しさが高まれば、ファストフードで食べることと冷凍食品を食べることが競合するようになります。これは、ターゲット層が求める最低限の美味しさを冷凍食品がクリアしたことにより、美味しさの競争で、冷凍食品とファストフードの料理が同じレベルに位置づけられるからです。たとえファストフードの料理が冷凍食品よりも美味しくても、ターゲット層がその差異に価値を見出さなければ、美味しさ以外の付加価値で冷凍食品と戦うことになるのです。
【冷凍食品とファストフードが競合する理由】
冷凍食品の美味しさが最低限をクリア
→ファストフードと冷凍食品の美味しさの差異に価値が見出されない
→ファストフードと冷凍食品は競合
このように考えれば、料理人がその技術力を頼りにレストランをオープンすることは、かなり危険なことがわかります。
☆今日のまとめ☆
美味しさ以外の付加価値がなければ、大企業には太刀打ちできない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
もちろん、サービスで差別化すれば、美味しさが魅力のお店も勝てますよ。
ターゲット層が心地良いと感じるサービスがあればいいんですよね。
だから、昔ながらの定食屋や一杯飲み屋が、いまだ元気に営業しているのです。