台風の影響が大きかったユニクロ、軽微だった百貨店、その原因とは?

伊勢丹新宿店

 

国内ユニクロの7月既存店売上が発表されました。結果は、4.8%の減少。前年を下回るのは9ヶ月ぶりだから、ネガティブサプライズです。要因は、天候不順、特に台風の影響による客数減。客数が12%も減ったのだから、売上が大きく落ち込むのも無理はありません。ちなみに、客数が前年比80%台になったのは、昨年10月でその月も既存店売上高が前年を割っています。ユニクロの場合、客単価よりも客数が売上に大きな影響を及ぼすことがわかります。

 

台風が要因ならば、他の小売店・アパレル店も同じく客数を減らしているはず。そこで、大手百貨店の7月月次を調べてみました。結果はまちまちなのですが、阪急・阪神と三越伊勢丹はプラス。悪天候の影響は軽微だったのです。記事によると、確かに前半は台風の影響を受けたものの、後半は好天に恵まれて盛り返したそうです。

 

そこで、この違いがどこから生まれるのかを考えてみました。

 

【ユニクロと百貨店で台風の影響に差があった原因】

[1]セール頻度の違い

[2]立地の違い

 

1について、ユニクロのセールは毎週金曜から翌月曜まで行われるのに対し、百貨店のセールは基本年2回です。年間ベースで比べると、ユニクロは年54回に対し、百貨店は年2回。この差が、セールの珍しさとなり、来店動機に影響しているのではないでしょうか。つまり、セール機会の多いユニクロの場合、来店動機が弱くなるので、天候が悪ければ、見込み客は来店をやめようと考えるのに対し、百貨店の場合、年に2回しかない珍しいセールなので、来店動機が強くなるので、天候が悪ければ、来店を延期するものと考えられます。この違いが、客数の差に表れるというわけです。

 

2について、ユニクロは全国津々浦々に立地しているのに対し、百貨店は交通の便のいい都市の中心部に立地しています。これが、来店ハードルの差になるのです。つまり、天候が悪ければ、来店しにくいユニクロへの来店を諦める確率は高くなるのに対し、交通の便のいい百貨店への来店は、ユニクロよりも諦める確率が低くなるのではないでしょうか。ユニクロだけで考えれば、都心立地の店舗は郊外立地の店舗よりも、台風の影響は小さかったと考えられるわけです。

 

同じ天候条件でも、来店動機の強さ・来店ハードルの高さによって、既存店売上への影響はこうも違うものなのですね。

 

☆今日のまとめ☆

7月のユニクロ既存店が台風の影響を大きく受けたのに対し、百貨店が軽微だったのは、来店動機と来店ハードルに違いがあるからではないか。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

天候の影響を軽微にするために、ユニクロは駅前・駅ナカ立地を増やしているのかもしれませんね。

 

 

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