大幅値上げしたデニーズとユニクロの共通点
デニーズがメニューを刷新し、価格を大きく引き上げるようです。
セブン&アイ・フードシステムズはファミリーレストラン「デニーズ」を高級路線に転換する。顧客1人 あたりの支払額(客単価)が1~4割高くなるよう、約100ある食事メニューの4割を3月に入れ替える。昨年4月の消費増税以降、比較的価格の高い商品の 好調と、利用客数の伸び悩みが同時進行している。「少し高くてもおいしいものを食べたい」という消費者ニーズを積極的に取り込む価格設定で、収益力を高め る。(2015年2月17日付 日経新聞朝刊)
デニーズは消費増税を期に、値上げを実施。ただし、今回はそれ以上の値上げで、一気に高級路線に走るようです。記事によると、
朝食 950円
ランチ 800~900円
ディナー1300~1400円
が主体になるとのこと。ただし、実際に公式サイトで調べてみると、朝食は税込み600円~700円が主体で、950円の商品は一番高い商品。そう高いという印象を受けません。それ以上に公式サイトの新メニューページで興味を惹いたのは、サラダメニューを一番最初に出している点。サラダが一番売りたいということでしょうか。消費者のヘルシーニーズの獲得を目指していることは、確かです。
近くにデニーズが無いせいか、最近店舗を利用したことがないのですが、公式サイトを見て印象が少し変わりました。ロイヤルホストの公式サイトと比較すれば、その違いは一目瞭然。
【デニーズとロイヤルホストの公式サイト比較】
[デニーズ]先進的、ファッショナブル
[ロイヤルホスト]伝統的、老舗
あくまで私の印象ですが、デニーズのサイトは白が基調で、画像を大きくシンプルに見せています。一方のロイヤルホストは色が濃い目で、シンプルさよりも詳しさが際立っています。
このシンプルさ、どこかで見たことがあるような。そう、ユニクロです。ユニクロの店舗・イメージに似ており、シンプルなのです。そう言えば、デニーズを運営するセブンアイドアイフードシステムズの社長は、昔ユニクロのコンサルをしていたような。そして、ユニクロはシンプルさを全面に打ち出すことで、老若男女をターゲットにカジュアル衣料を販売しています。デニーズも、ユニクロに似たシンプルイメージを出すことで、ターゲット層を広げようとしているのかもしれません。
ちなみに、セブンアイドアイフードシステムズの直近四半期実績では、既存店客数は減少。ユニクロで成功したシンプルイメージを出すことで、客数引き上げを目指しているように思えます。
価格引き上げとその成否については、次回に。
☆今日のまとめ☆
大幅値上げで客単価引き上げを狙うデニーズだが、公式サイトはシンプル・ファッショナブルさが特徴的で、ユニクロに似ている。
客数増が続くユニクロに似せたイメージを出すことで、デニーズも客数増を目指しているのかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ロイヤルホストと比べると、デニーズは信じられないほど店舗が少ない印象です。
関東には多いのかもしれませんが、関西ではロードサイドというイメージ。
それだけ、スクラップを進めたということでしょうか。