kirin bekkakuキリン公式サイトより

 

先日、ダイエーで発見したのが、キリン・別格の特売。特売と言っても、新商品の告知を目的としたものではなく、処分売りに近いもので、88円で販売されていました。確か、別格はプレミアム清涼飲料ブランドとして発売され、定価200円ほどで販売されていました。特売はディスカウント系スーパーでも全く無く、どの流通でも200円。それが88円と半値以下で販売されていたのですから、処分売りというのは間違いないと思います。

 

その理由は、至って簡単。売れなかったから。この手のプレミアム商品が売れなかったら、本当に悲惨です。容量自体も通常商品と同じなので、サイズでお得感を出すこともできません。結局、価格を下げないと処分できなくなります。その結果、通常商品と同じかそれ以下で販売されることになり、ブランドイメージは大きく毀損されるのです。

 

キリンが飲料カテゴリーでプレミアム商品をぶつけたことは、オーソドックスと言えばオーソドックス。だって、世間では「価値があれば少々高くても売れる」現象が起きているのですから。プレミアムビールもよく売れています。(プレモル・エビス以外は怪しいですが)プレミアム缶詰もよく売れているようです。(数字はわかりませんが)ならば、お茶やコーヒーでもプレミアム商品が売れるに違いない。この思考、至って普通です。

 

では、なぜ売れなかったのか。それは、飲料とビールの商材に大きな違いあるからではないでしょうか。

 

【飲料とビールの商材としての大きな相違点1】

[飲料]原材料から自分で作ることができる

[ビール]自分で作ることはほぼ不可能

 

つまり、ちょっと高級なコーヒーを飲みたければ、ブルーマウンテンのコーヒー豆を買ってくればいいのです。お茶にしても然り。一方で、ビールを自宅で作るには、特殊な装置を購入しなければなりません。万単位の支出が必要でしょう。だから、美味しいビールを飲みたければ、買うしかないのです。ちょっと美味しい飲料を飲みたいならば、別格を買うのではなく、自宅で作ればいいのです。

 

さらに、別の違いもあります。

 

【飲料とビールの大きな相違点2】

[飲料]美味しい飲料を飲みたければ、専門店の商品をテイクアウトすればいい。

[ビール]専門店の生ビールのテイクアウトは、ほぼ不可能

 

テイクアウトできる選択肢があるかないか、の違いですね。これも大きいです。外食するほどではないにしても、美味しいモノを食べたい時があります。その時役立つのが、テイクアウト。コーヒーなら、スタバのカフェラテをテイクアウトすればいいのです。一方、お店の生ビールをテイクアウトすることはできません。その場で飲むだけ。ちょっと美味しいビールを飲みたければ、プレミアムビールかクラフトビールを買うしかないのです。

 

ただし、少々高い飲料で売れているものもあります。その代表格は、ヘルシア緑茶。その理由は、

 

他商品よりもヘルシーさが明確だから

 

ですね。この「ヘルシー」「明確」がポイント。別格には、この要素はありません。

 

もしかしたら、ブティック型の食料品店の増加が、別格の失敗の一因かもしれません。ブティック型の食料品店とは、成城石井などの付加価値の高い商品を販売している小型店。この手の店舗が増加すれば、ちょっと良い物を買いたい時に、大手スーパーの利用が減ることになります。そう言えば、別格は成城石井にはなかった。別格は、販売ルートを間違えたのかもしれません。まぁ、ブティック型食料品店も、高付加価値商品を販売するなら、大手メーカーの商品よりも知る人ぞ知る専門メーカーの品を販売すると思いますが。これは、大手メーカーの欠点であり、中小メーカーにとっては大きなチャンスとなります。

 

飲料という特殊なカテゴリーというのも、影響しているかもしれません。飲料売場に行けばわかるかと思いますが、競合商品が同じ価格で販売されていることが多いカテゴリーなのです。例えば、500mlペットボトルのお茶なら、全品98円税込みで販売するチェーンもあります。この売場に、倍の価格の商品を持ち込むことは、至難の業。別格は、売場確保自体が難しかったのかもしれません。

 

価格の問題もあるでしょうか。98円でトップブランドのおーいお茶が買える売場で、よく知らないブランドに200円支払う人はごく稀でしょう。高級感のある金のデザインでその違いをわかりやすく表現している別格ですが、2倍の価格差を埋めることはできなかった。これが今回の結果でしょう。だから、キリンは、価格を下げて別格で再チャレンジするようです。(なんだか昔の安倍さんみたいですが)

 

時期も問題もあったでしょうね。別格は、運悪く消費者の節約志向の高まる時期に、発売されました。スーパーよりも割高なコンビニの既存店が振るわないのも、節約志向の高まりゆえ。コンビニなら高い別格でも売れる、とした読みが、全く外れたのかもしれません。

 

ちょっと脱線しますが、飲料は安いだけで売れるカテゴリーでもありません。各チェーンのPBのお茶は、NBのお茶よりも数円安く価格設定されていますが、売れているのはトップブランド。ブランド・美味しさが、選択基準として機能している証左です。

 

お茶で思い出しましたが、スタバジャパンが日本でお茶専門店を開くようです。どうなんでしょうか。お茶でどれだけ差別化できるかでしょうね。ただ、お茶の専門チェーンがないということは、お茶が外食メニューとしてなかなか売れないという証明でもあります。どうやって、スタバはこの常識を打ち破るのか。注目です。

 

☆今日のまとめ☆

キリンのプレミアム飲料・別格が売れなかったのは、自宅で作れ、テイクアウトもできるという飲料の特性が影響したからではないか。

販路・発売時期・価格などにも、問題があったかもしれない。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

別格はまだ飲んだことがありません。

普段ペットボトル飲料自体飲まないので、私は全くターゲットではないのでしょうね。

喉の渇きを癒やすのに、100円は少し高いかと。