JR灘駅構内の「みんなのやきとり」が教えてくれる、デパ地下総菜の弱点とは?
JR灘駅を利用した時に、見つけたのが焼き鳥テイクアウト専門店の「みんなのやきとり」。真新しい店舗から、出来たばかりのお店だと想像できます。見つけたのが19時前とあって、夜ご飯としての焼き鳥・唐揚げなどを購入する人がちらほら。決して行列が出来ていたわけではないですが、常連さんは付いていそうな感じ。
ぱっと見るだけでは、どこでもありそうな焼き鳥テイクアウト専門店。しかし、その売り方には、特徴的な工夫が施されています。それは、
一皿いくらという価格設定
です。「普通じゃないの?」と思われる方も多いかと思います。しかし、デパ地下の総菜は、大抵
100gいくらという価格設定
なのです。そのため、100gがどの程度の多さなのかわからない人も多いはず。だから、気の利いたお店は、100gや200gの大体の大きさをディスプレイしています。みんなのやきとりの一皿あたりの価格設定は、購入者を考えた工夫なのです。
しかも、一皿あたりの価格設定にすることで、店舗側にもメリットがあります。それは、
スピード提供できる
という利点です。つまり、注文が入れば、ショーケース内の一皿をテイクアウト用の容器に入れるだけで、提供できるのです。一方、100g単位で販売しているデパ地下の総菜店などは、注文を受けてから注文分のグラムを計り、グラムが前後する場合は注文客にこれでいいか確認しなければなりません。これが、実に時間を要するのです。時間がない消費者が混んでいる店舗に来店した場合、このやりとりが嫌で購入を止める人も多いのではないでしょうか。だから、一皿あたりの価格設定は、店にとっては、スピード提供により客数を増やすことができ、顧客にとっては購入時間を短縮できるのです。
実際に、みんなのやきとりは、唐揚げなど個数で販売できない商品は、均等にお皿に盛り付けて、ショーケース内に入れていました。これを見れば、来店客はどの程度の多さかも一目瞭然。店舗側は、注文を受ければ、注文の皿数分をテイクアウト用の容器(または袋)に入れて提供するだけです。実にオペレーションがシンプルなのです。
総菜店などの食料品を販売する小売店は、売れる時間帯が集中する傾向があります。その需要集中時間にいかに販売量を最大化できるか。収益は、ここに掛かっていると言えるでしょう。みんなのやきとりは、最需要期の販売量を最大化するために、一皿あたりの価格設定にしたのだと思います。実に戦略的ですね。
☆今日のまとめ☆
みんなのやきとりは、個数単位で販売できない総菜を、一皿あたりで販売。
この目的は、最需要期にスピード提供することで、売上を最大化するためであろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
焼き鳥は日本人の人気メニューでありながら、外食店と比べるとテイクアウト店が少ないと日々感じます。
もちろん、少ないのには理由があると思いますが、参入余地は十分あるのではないでしょうか。