すかいらーくのSC出店から見えた強みとは?
すかいらーくが、出店先をロードサイドからSC内にシフトするようです。
ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは商業施設をターゲットにした新店を多店舗展開する。8割 弱を占める路面店より小型にし、スペースが限られるショッピングセンター(SC)などでも出店しやすくした。22日に1号店を出し、5年後をめどに100 店を目指す。主戦場だったロードサイドは立地が良い場所での出店余地が限られ、手薄だった商業施設を新型店で攻める。(2015年4月21日付 日経新聞朝刊)
記事にもあるように、その一番の要因は、ロードサイドの好立地が少なくなってきたから。ロードサイドで残っている立地は、大手が見向きもしない集客力の乏しい場所しかないのでしょう。人口減少も、ロードサイド好立地不足の要因。商圏内の人口減少により、採算の合うロードサイド立地が少なくなってきたのでしょう。
では、なぜSC内なのか?それは、
集客力の高さが収益に大きな影響を及ぼすから
でしょうか。SCと言えば、平日はともかく週末には多くの買物客が来店します。SC内に出店すれば、その多くの買物客を見込み客として集客できるわけです。競合は、同じくSC内に出店する飲食店。数は限られています。一方、路面店では、独自で集客しなければなりません。競合は、SC内の飲食店とは比較にならないほど多く、競争はより激しくなります。競争環境の違いも、集客に大きな差を及ぼします。よって、立地にそもそも集客力があり、競争が比較的緩やかなSCをすかいらーくは選んだのでしょう。
ただし、SC内出店はそれだけ好条件ゆえに、家賃が高い。だから、SCに出店する飲食店は、どこも原価率の低そうなチェーンばかりになるのでしょう。そうしなければ、高い家賃を支払ってペイしないですから。ここに、すかいらーくの強みが発揮します。すかいらーくは、多くのファミレス業態を多店舗展開する上場企業。ゆえに、食材・その他備品を低コストで調達することが出来ます。このバイイングパワーの強さが、他外食店にはできない低コスト運営を可能にし、高い家賃負担への耐力になるのです。
また、複数の業態を運営しているゆえに、企画力もすかいらーくの強み。例えば、新メニュー開発やキャンペーン販促には、多くのネタを持っていることでしょう。こういう企画力は、SC内での競合店との差別化要素となり、SC内競争において優位に立つことができます。
【SC内出店におけるすかいらーくの強み】
- 多店舗展開する上場企業ゆえに低コスト運営が可能となり、SCテナントの高い賃料への耐性が高い
- 複数業態を持つゆえに企画力が高い
すかいらーくはSC内第一号店として、20~40代の女性をターゲットにした、定食主体のカフェ風店舗をオープンさせるようです。カフェならば、他のカジュアルチェーンが出店してもいいものの、SC内でなかなか見られないのは、家賃負担が重いからでしょうか。SC内に飲食店を出店するには、低コスト運営が必須なのかもしれません。
☆今日のまとめ☆
すかいらーくがSC内への出店を進めるのは、低コスト運営とメニュー開発・キャンペーン企画のノウハウがあるからではないか。
それだけ、SCテナントとして出店するには、家賃負担は重いのだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
利用者から見れば、安くて美味しいものを食べたいならば、少々面倒でも、路面店に行った方がいいということになりますね。
利便性は劣りますが。