ユニクロ・セブン-イレブン・無印良品の共通点は、高くても売れる戦略
日経新聞に、業績好調な小売店の共通点として、単価引き上げに成功していることが取り上げられていました。
消費増税や円安の逆風が吹くなか、客単価を引き上げた小売企業の業績が好調だ。脱デフレ期待の高まりを背景に、価格を低く抑えシェア拡大を狙う企業が苦戦する一方で、品質にこだわり高付加価値戦略を採る企業の業績好調が鮮明だ。(2015年4月21日付 日経新聞朝刊)
単価引き上げの一番の成功事例は、ユニクロ。毎週金曜日に折り込まれるチラシを見るだけでも、値引きが渋くなったなぁ、と実感するほど。セブン-イレブンも、100円のコーヒー・ドーナツというイメージが強いですが、弁当・総菜などはスーパーと比較すれば割高感を感じます。無印も然り。
もちろん、単価引き上げの裏には、高付加価値商品の投入があることは当たり前。単なる値上げだけでは、客単価が上がってもそれ以上に客数が減って、既存店売上高は結局マイナスになりますから。ユニクロ・セブン・無印は、それだけ消費者ニーズに合った価値の高い商品を販売しているということです。
ただ、単に価値の高い商品を扱っただけで、売れるという単純なものではありません。例えば、目隠しでコンビニの弁当を食べ比べた結果、一番高い評価を得たのはサークルkサンクスの商品だった、ということを耳にしたことがあります。しかし、コンビニ業界で日販が一番低いのが、サークルkサンクスであり、ブランドを隠した評価とは異なります。ユニクロ・セブン・無印は、商品力以外に強みがありそうです。
その強みこそ、イメージだと思うのです。それを支えるのが、マス広告。アパレル小売で、テレビCMを打つのはユニクロぐらいであり、コンビニも今ではセブンのCMをよく目にする一方で、ローソン・ファミマのCMはほとんど見なくなりました。無印良品は、テレビCMはないものの、バス停などで看板をたまに目にします。ユニクロのCMは洗練されており、セブンは安心感があり、無印はナチュラル感が満載です。マス広告によって、ブランドのイメージを高めることに成功し、高単価商品の販売につなげているのではないでしょうか。
また、マス広告以上にイメージアップに貢献しているのが、コーポレートデザイン(CI)を含むデザインかもしれません。ユニクロ・セブンは、CI刷新するにあたり佐藤可士和さんを起用し、競合ブランドにはない洗練されたCIに作り変えました。ユニクロ商品に付いたカタカナのタグは、クールジャパンも意識したものかもしれません。セブンはCIのみならず、弁当・総菜のデザインも競合コンビニチェーンにはない高級感のあるものに変えています。中身だけではなく、見た目でも差別化しているのです。無印良品は、そもそもイメージで売る宗教のようなブランドなので、説明不要でしょう。
単に価値が高いから高単価商品が売れるのではなく、ブランドイメージの高さが販売力に大きく寄与しているのかもしれません。
☆今日のまとめ☆
ユニクロ・セブン・無印が単価引き上げに成功したのは、単に付加価値の高い商品を投入したからではないのではないか。
ブランドイメージの高さが販売に大きく寄与しているのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
先日、本格芋焼酎でレモン酎ハイを作りました。
今夏は、糖質が気になるビールを減らして、酎ハイで乗り切ろうと思います。