懐古調商品が教えてくれる、品揃えと選びやすさの関係とは?

懐かしいビックリマンBy y_ogagaga

 

少し古いですが、日経新聞に懐古調の商品に関する記事が掲載されていました。

 

「東京駅が昔の姿に戻って懐かしかった」。戦前生まれの神田のご隠居、古石鉄之介が事務所に寄った。所長が首をかしげた。「そこまで古くはないけどかつてのヒット商品も相次ぎ復活している。不思議だ」。久しぶりに自ら調査を始めた。(2012年11月10日 日経新聞朝刊より

 

懐古調というか、昔懐かしの商品の発売が相次いでいるそうです。その理由は、以下のように述べられています。

 

【昔懐かしの商品の発売が相次いでいる理由】

[1]    中高年には懐かしさ、若い世代には新鮮さを感じるから。

[2]    新ブランドよりも広告宣伝が安く上がるから。

[3]    役員が好意的で、企画が社内を通りやすいから。

[4]    よく知っている消費者には、購入のハードルが低いから。

 

1に関して、懐かしさを感じる中高年だけでなく、それを新鮮に感じる若い世代にも売れるというメリットがあります。客数の増加を図ることができます。

 

2については、懐かしさ=知名度の高さに当たるので、全くの新ブランドよりも広告宣伝費が安く上がります。嗜好が多様化して、新商品がなかなか当たらないことを考えると、懐かしいブランドを復刻した方が、リスクは小さくなります。

 

3は、社内事情。現在の役員が、懐かしいブランドの商品を昔売ったことのあるなら、そのブランドに対して思い入れがあるはず。ブランドの復刻に対して、好意的に感じるはずです。

 

4について、人は選択肢が過剰にあると、一部の情報のみで判断することがあるそうです。だからこそ、情報が多くなればなるほど、昔懐かしいブランドがアンテナに引っかかりやすくなり、購入につながるのです。これについて、次の事例が、紹介されていました。

 

米研究者の実験では、スーパーの店頭にジャムを24種と6種の2組で用意すると、消費者が試食後に購入する確率が高かったのは商品の選択肢が少ない方だった。(日経新聞より)

 

選択肢があまりに多いと、逆に選択するのが面倒になり、売れる確率が低くなるそうです。これを実感するのが、店舗での購買行動を観察した時。品揃えの多いスーパーでは、何を選んでいいのか悩んでいる人をたまに見るのに対し、品揃えの少ないコンビニでは、ほとんどの人が悩むこと無くカゴに商品を入れています。品揃えの少なさは、ユーザーにとってマイナスのように一見思えますが、実はプラスなのかもしれません。お店の目利きに信頼があれば、目利きをクリアした商品が少ないほど、安心して買えるのでしょう。

 

品揃えが多くするには、店舗面積を大きくする必要があります。その結果、買い物に時間が掛かってしまいます。忙しい人にとっては、これもデメリット。コンビニが売上を伸ばしているのは、品揃えの少なさも関係しているのかもしれません。

 

☆  今日のまとめ☆

懐古調商品人気の裏には、情報量の多い中で選びやすいという要因がある。

品揃えが多くなりすぎると、逆に選ばれないと言われている。

コンビニ人気には、品揃えの少なさも関係しているのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

クリスマスイブのケーキ屋さんの混み様は、すごいですね。

ここまで混んでいるとは思いませんでした。

それだけ、自宅で食べる人が多いということでしょうか。

 

☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆

「期間限定なら値下げをするべきではない。なぜなら、いったん値下げで安く食べられるようになった料理を、また元の価格で食べなければならない消費者は、必ず損をした気分になるからだ。」

『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』より)

※創業者・経営者・商売人の心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

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