飲食店で売上よりも利益重視の傾向強まる?
by courtesy of TZA
飲食チェーンで、出店コストを下げる動きがあるようです。
外食大手が低コストで出店や運営ができる店舗を開発する。サイゼリヤは年明けから厨房面積を従来の半分にした小型の店舗を出店。他の企業でも設備を簡素に したり、省エネ機器を導入したりする動きが広がる。アルバイトの人件費上昇などでコスト負担が増しているうえ、来年春の消費増税も見据えて収益力を高める 狙い。(2013年11月27日付 日経新聞朝刊)
店舗型ビジネスの場合、既存店売上が前年比よりもプラスかどうかで、そのビジネスの良し悪しを判断します。しかし、既存店売上高が前年比プラスだとしても、利益が増えているとは限りません。ユニクロの四半期決算を見ると、既存店売上高が良くても利益が残らないことが、よくわかります。逆に言えば、既存店売上高をプラスにするのは、大きな値下げ・値引きが必要になり、その結果、利益率・利益額が損なわれる可能性が高くなるのです。
そこで、サイゼリヤやジョイフル・コロワイドが取ったのが、低コスト出店。出店コストを削減することにより、損益分岐点を引き下げようという考えです。損益分岐点が下がれば、従来よりも売上が小さくても利益は残ります。これは、飲食店が、売上よりも利益重視にシフトしたということを物語っているのではないでしょうか。
損益分岐点引き下げがさらに進めば、高騰する人件費を抑制するために、少人数運営を目指す企業も出てくるはずです。実際、ステーキ店のブロンコビリーは、店内調理を工場に移転することにより、店舗人件費の抑制に努めているようです。
つまり、今後飲食店を見る上で注目すべきは、いかに低コストで運営しているかという点になります。単に混み具合など集客数を見るだけでなく、店舗面積・運営人数・回転率を見ることが、重要になるのです。
☆今日のまとめ☆
飲食店が出店コストや人件費抑制に動くのは、損益分岐点を引き下げて、売上よりも利益を重視している証拠である。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
カウンターだけの1人で切り盛りする店舗こそが、高収益なのかもしれません。
阪急三宮駅のマクドナルド横の小さな筋には、そういうお店が多く集積しています。
混んでいるかは別ですが。