天ぷら定食まきのの強さと弱点(その2)
前回はまきのの強さを取り上げましたが、今回は私が気付いた弱点について述べたいと思います。
【天ぷら定食まきのの弱点】
[1]薄利多売ビジネスモデルゆえの小型店舗の低収益性
[2]天ぷらという購入頻度の低い商材
[3]メニュー数の少なさによる飽き易さ
1について、まきのでは特殊な大きなフライヤーを使って、天ぷらを揚げます。ファストフードチェーンで見られるようなフライヤーではなく、専門店のような見た目の良いフライヤーゆえに、小型化は恐らく難しいでしょう。人口密集地へ出店しても、今の大きなフライヤーを使うことになり、固定費が膨らみ、損益分岐点が高くなります。よって、小型店では収益性が落ちる危険性が高まります。かといって、小型店舗を開発しないと、出店余地が限られるため、多店舗展開も難しくなり、チェーンストアの強みを活かすことはできません。
2について、これは実際に食べてみて気付いたのですが、食べ終わった頃にはお腹の中に結構残るものがあります。また明日食べたいという気にはならないのです。これはまきのに限ったことではなく、天ぷらの特性かもしれません。たまに食べるから美味しいのであって、そう頻繁に食べたいメニューではないのです。よって、リピーターができたとしても、そう頻繁な来店を望めず、経営を安定させるためには、他業態よりも多くのリピーターを必要とします。つまり、集客コストを考えた場合、一人あたりの損益分岐点の高い業態なのです。
3について、これも食べてみて気付いたのですが、一口二口食べるた時には美味しいと感じたものの、最後の方はそう美味しいとも感じなくなりました。恐らく、天ぷらに飽きたのだと思います。フライものの中でも、素材に衣をつけて揚げるだけの天ぷらは、飽きやすいのかもしれません。それゆえ、そう高い利用頻度を望めません。
他にも、トリドールの他業態にも言えることですが、従業員を多数必要とするオペレーションなので、そう簡単に多店舗展開できないというデメリットがあります。サービスの良さ・店員とのコミュニケーションもウリとしていることを考えると、性急な出店は、顧客離れにつながりかねません。
このように考えると、まきのは、多店舗展開に向かない業態のように思えます。実際、トリドールの公式サイトを見ると、まきのはその他業態としての扱いになっています。もともと、多店舗展開できない業態として開発したのかもしれません。天ぷら定食を安く提供できる業態はそう真似できないので、店舗数の少ない珍しい店舗として、その行列をウリにするのもいいかもしれません。株式市場が許すかどうかはわかりませんが。
☆今日のまとめ☆
まきのの弱点は、小型化による低収益化の恐れ、購入頻度の低い商材、飽きやすい商材ではないか。
多店舗展開の難しい業態ゆえに、レアな行列のできる店舗として売り出すのもいいかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
うどんと比べると、てんぷらの飽き易さはかなり高いですね。
まだ、天丼の方が飽きにくいかもしれないですね。
そういえば、天丼のファストフードチェーン・てんやは外国人にも人気のようです。
まきのにも、外国人をターゲットにするという手がありますね。
そうなると、目指すは海外進出かな。