【雑感】食・小売ビジネスで起こっていること(その1)

nestle candy

 

WSJにて、ネスレアメリカが人口添加物の利用を止めるというニュースがありました。

 

Nestlé USA to Remove Artificial Ingredients From Candy

 

 

なんて無いニュースですが、ヘルシー志向がジャンクフードにまで及んでいることは注目に値するでしょう。ヘルシー志向の人はジャンクフードなんて食べないと思いがちですが、現実はそうではないみたいです。商品を選ぶ際の基準としてヘルシーかどうかは、もう一般的なのかもしれません。

 

マクドナルドが不振なのも、全くヘルシー志向に沿っていないから、という見方も出来ます。かつて、メガマックがヒットした時、日本マクドナルドの原田社長(当時)が、「ヘルシー志向と言われているけれど、実際にはガッツリメニューを好んでいる」旨の発言をしたことを、覚えています。今は、当時とは全く違うのかもしれません。

 

ただし、ガッツリメニューが売れていないというわけではありません。例えば、ファミレスのステーキが売れているようですが、ガッツリメニューの代表格のようなもの。ただし、単にこってり・大容量なのではなく、そこには「◯◯産ビール」「熟成肉」などのわかりやすい付加価値が付いています。この付加価値があるからこそ、2000円超えたステーキがファミレスで人気なのでしょう。さもなくば、100g100円の特売鶏胸肉のようにでもしないと、売れなくなるのでしょうか。

 

ただし、ヘルシー志向など付加価値を付ければ、売れるほど簡単でもないようです。ある程度の割安感は、必要かと。

 

ニューヨークなどで人気のアメリカの新興ハンバーガーチェーン「シェイク・シャック」は2月17日、日本に進出すると発表した。 「Hajimemashite, Japan!」(はじめまして、日本)との書き出して始まるリリースによると、飲食店や衣料販売を展開するサザビーリーグ(東京)と組んで2016年に東 京に1号店を開く。東京オリンピックが開催される2020年までに日本国内に10店舗を出店する計画だ。(2015年2月18日付 The Huffington Post

 

アメリカで人気のショップが日本に上陸するのは、珍しいことではないですが、シェイク・シャックの価格設定には少し驚いています。まだ決定ではないですが、ハンバーガー一個をアメリカ同様5ドル程度で販売するとか。グルメバーガーの部類としては、これは安いでしょう。ポテト・ドリンクとのセットで800円~900円でしょうか。マクドナルドなどのファストフードと比較すると高いですが、ご当地バーガーと比べれば同等か割安。アメリカで人気・ヘルシー志向というご当地バーガーにはない付加価値が付くので、割安と感じる人は多いのではないでしょうか。

 

またまたアメリカの事例ですが、ヘルシー志向のスーパー・ホールフーズマーケットも、割安な商品を提供することで、顧客拡大を狙っています。例えば、2ドル未満のワインなど。このある程度の割安さが、他の有機スーパーとの違いであり、だからこそ上場できたのでしょう。アメリカの一般スーパーがホールフーズマーケットを意識した品揃えをしたように、日本のスーパーも有機食材などを今後強化するでしょう。有機食材で差別化している中小小売店は、今後かなり苦しくなるかと。

 

要は、割安さで集客し、付加価値のある商品で十分利益を取ることでしょうか。これがうまいサイクルで回っているのが、ユニクロでしょうね。先日、日経新聞の紙面を見ていたら、ユニクロの広告に遭遇しました。毎週金曜に折込チラシを入れているユニクロですが、新聞紙面に広告を入れることは滅多にありません。確か、この前の昨年のクールビズ商戦開始時に、紙面広告を掲載したかと思います。今回掲載したのは、ワイヤレスブラ。機能性商品です。ヒートテック・エアリズムの成功の後は、女性用下着で機能性商品を投入し、第三の柱を作ろうとしているようです。広告は、ワイヤレスブラの機能を説明するもので、イメージ広告ではありません。専業メーカーとの違いを鮮明に打ち出しています。売れるかどうかわかりませんが、機能性で差別化することにより、高くても売れると確信しているように思えてなりません。機能性と言えば、洗剤などの日用消耗品でも、機能性を向上させることで単価引き上げに成功しています。

 

 花王は3月までに前年同期の約2倍に当たる約200品目の新製品を発売する。ライオンなど他の日用品大手も軒並み新製品を増やす。家事が手早く済む製品などが受け、日用品の販売単価は上昇基調にある。個人消費がもたつくなか、年代ごとの細かな需要に応える商品などを増やして消費者の購買意欲を刺激し、価格の底上げを狙う。(2015年1月8日付 日経新聞朝刊)

 

単価引き上げのヒントは、機能性の拡充にあるようです。単なる「◯◯産使用」などメーカー都合で付加価値を付けても、単価引き上げは難しいのではないでしょうか。

 

まだもう少しあるのですが、次に回すとして、今日はここまでにしておきましょう。

 

☆今日のまとめ☆

ヘルシー志向の波は、ジャンクフードにまで及んできている。

ただし、割安さがないと、集客につながらない。

値上げを成功させるヒントは、機能性の拡充にある。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

今日は、少しネタ切れのため、普段感じていることをまとめてみました。

いや、まとまっていないですね。

そう言えば、昔国語の授業で、まとめるという問題が一番苦手でした。

 

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