japanese SASHIMI

昨日参加したセミナーは、農林水産省主催の「農林水産物・食品輸出オリエンテーションの会事前勉強会」というもので、10月の商談会のための講習会という位置づけでした。講師には、農林水産物・食品輸出の専門家、輸出実績のある食品メーカー代表、輸出支援コンサルタントの三名。その中で一番勉強になったのは、実際に輸出活動を行っているメーカー代表の方の体験談でした。

その方は、兵庫県丹波市で日本酒を製造されている西山酒造場の稲上部長。稲上さんの話の中でも特に、

◎     5年前から輸出に取り組むが、ここ2年ぐらいで成果が出てきた。

◎     国内の輸出商社経由で販売すると、リスクは低いが競争が激しい。

◎     経営トップが現地に行って、輸出商談に取り組む必要がある。

◎     海外の小売店で棚を確保するためには、多額の棚料がかかる。

が印象に残りました。

私も経験があることですが、やはり展示会に出展してすぐに注文があるほど甘くないとのことです。注文をいただけなくても、その後メール等で地道に提案を続けていくと、注文につながる。長期戦を戦う忍耐力が必要なようです。ただ、単に展示会に出展して試食をするだけではダメ。その場で、価格交渉になることも多々あるので、どのような条件でいくらで相手国の輸入商社に引き渡せるかは、事前に決めておく必要があります。見積書を作っておいていいぐらいです。

輸出商社を経由するデメリット「競争が激しい」ことは、自社商品はワンオブゼムとして取り扱われるからです。恐らく、輸出商社は、相手国の輸入商社に対して見積リストと簡単な商品説明を書いた提案リスト、そしてサンプル・画像を提出ぐらいで、商品のターゲット顧客や特徴がうまく伝わっていないと思われます。商社も、数多くのメーカー・それ以上に多い商品を取り扱うので、一つ一つの商品に時間を割けないのかもしれません。英語や現地語に訳するという手間もあるでしょう。現地の輸入商社への提出書類が日本語としても、現地の小売店バイヤーに販売する時には現地語に翻訳しなければなりません。その際、メーカーが本来伝えたいことが間違った解釈のもとで訳されて、商品の特徴が伝わらないという危険性があります。さらに、現地の日本産食品の価格が高いことを考えると、特徴をうまく伝えられないと価格の高さに消費者が納得できず、販売に悪影響を与えることになります。このように考えると、メーカーが独自で輸出販路を切り開く重要性は理解できますが、決済リスク・配送の手間(船の手配・検疫・関税など)は避けられない。日本の食品商流のように、輸出商社は経由するもののメーカーが現地輸入商社・現地小売店バイヤーに直接アクセスできる仕組みができれば、メーカー・輸出商社ともウィンウィンになるように思います。

経営トップの理解については、これが一番難しいかもしれません。何せ、海外への出張費用が高く、さらに語学の問題もあります。このような費用を売れるかどうかわからないものに掛けるよりは、その費用を国内販売の販促分に使った方が、すぐに売上・リスクにつながる、と短期的視点で考えてしまうでしょう。決済リスク・配送の手間などもないのですから。私が思い描く「生産者が消費者と直接コミュニケーションを行うことで、食べる価値が向上する」ことと、即効性が無い点で似ています。恐らく、この輸出促進を理解できるのは、経営者が海外に通じているか、過去に輸出で大きな売上・利益をあげた経験があるか、という認識・実績が経営者に必要でしょう。西山酒造場のように、経営者の年齢がある程度若い必要があるのかもしれません。今後の国内市場をどのように予測するかという、経営計画にも関係します。経営トップの理解がないと、輸出を試みたとしても、展示会出展後に注文がなければ「輸出=無理」という結論になってしまいます。もしかしたら、この意識改革が一番難しいかもしれません。

最後が一番厄介な問題かもしれません。というのも、棚料の値段に基準がないからです。さらに、棚料を支払ったとしても売れる保証がないからです。これは、国内流通にも存在します。小売店側の視点で見ると、理解できます。小売店が目指すべきことは、売り場あたりの売上金額と利益金額を最大化することです。(もちろん、この前提として、顧客ニーズに答えることがあります。)だから、儲かる確率の低い商品は置きたくないのです。このリスクをヘッジするために棚料があります。(実際、小売店側が求めている商品が販売される時には、棚料が掛からない場合が多い。)日本から輸入した商品は価格が高いため、価格だけを見ると儲かる確率は低い。だから、棚料は高くなりやすい。この高い棚料を支払ってまで、メーカーが利益を確保するには、棚にある商品が売れて回転させなければなりません。(棚料は、売上数量に比例しない固定価格のため。)回転させるためには、消費者に認知してもらう必要があります。そのために、店頭で試食・試飲販売をすることになります。ここにも、多額の販促費用が発生します。このように、小売店と取引をするためには、コストが高くなる傾向があります。そのため、メーカーが利益を確保するためには、ある程度利益率の高い商品を販売する必要があります。または、大きな利益を上乗せて引き渡し価格を高めに設定する必要があるでしょう。(ただし、価格を高めに設定すると、店頭価格が高くなり、その結果商品回転率=販売金額が下がるという逆効果あり。)やみくもに、何でも輸出をすればいいというわけではありません。相手国で売れそうな商品ならば輸出に力を入れる、または相手国で売れそうな商品を開発する、というマーケティングが事前に必要になると思われます。

ホーチミンへの食品輸出ミッションに参加するにあたって、食品輸出に関わるビジネスを模索しています。今日の講習会から考えたことは、

◎     輸出にまつわる「決済リスク」「配送の手間」「商談の手間」「販促コストの大きさ」を小さくしたいというニーズが存在する

ということです。このニーズを満たせば、商売が成り立つように思えます。例えば、

◎     決済を代行する。

◎     配送の手配を代行する。

◎     商談を代行し、商談結果のフィードバックを行う。(販売レップみたいなサービス)

◎     メールの提案の際に、翻訳を代行する。

◎     日本食限定の試食・試飲を代行する。

◎     ネットを通じて、海外の消費者に日本の食品情報(商品情報やレシピなど)を提供する。

◎     ネット・カタログを通じて、日本の食品の通販を行う。(ただし、引渡しは店舗にて。頒布会も一案。)

などのビジネスアイデアです。また、いきなり小売店販売を目指すのではなく、日本食レストランのレシピに使ってもらい、ブランド認知度を高めるという方法もあります。(国内で、ある食品メーカーがロイヤルホストとタイアップした事例を新聞記事で聞いたことがあります。)

ただし、輸出ばかりに経営資源を集中させることがいいことではありません。自分の消費行動を考えてみても、普段の買い物でどれぐらい輸入食品を買っているかを振り返ってみればわかります。どうしても輸入品を買わないと代替品が無い場合は、高くても輸入品を買いますが、国産の代替品があればそちらを買う方が多いと思います。例えば、少し前までは、モッツァレラチーズが欲しければEUからの輸入品しかなかったのですが、今ならば国産品が複数のブランドで販売されています。フランスのクッキーがおいしいからと言って、毎回輸入品のクッキーを買う人はまれでしょう。価格の高さが大きなネックとともに、まだまだ所得も低いので、輸出販売量が飛躍的に拡大するのは一部の商品に過ぎないと思います。今は日本産の食品しかないものでも、いずれ現地生産品が主流になるかもしれません。海外市場を本格的に狙うならば、現地生産は避けられないと思います。

☆     今日のまとめ☆

輸出において、食品メーカーが海外の輸入商社と直接取引きするメリットは、商品特徴や企業の強みを直接伝えることができるということ。

デメリットは、決済リスクや輸送の手間を自社で背負わなければいけないこと。

輸出を増やす前提として、経営トップの長期的戦略が必須となる。

また、海外で販売するには、棚料などの販促費用が高く付くので、利益を考えた商品選びや根付けをする必要がある。

海外市場を本格的に狙うなら、現地生産は避けられない。

☆9/28の目標 ☆

1  プライベートブログの更新 ×

2  午前6時起床 ×

3  毎朝、鏡の前で笑顔の練習 〇

4   腕立て・腹筋を各30回 ×

5  部屋・事務所などの掃除をする ×

6  手帳に今日の反省の明 日の希望を書く。×

7  読書(書籍・雑誌)をする 〇

8  毎朝、ツイッターでつぶやく ×

☆今日のこぼれ話(今日は告知です)☆

ホーチミンの商談会に持っていく商材を探しています。

常温保存できる加工食品で、できれば兵庫県産がいいですね。

無料で提案・事後報告をしますので、食品メーカーさんのご連絡お待ちしております。

また、有料でカテゴリー全体の調査も募集しています。

一件あたり5,000円から。(調査時間により金額が変わりますが、金額は渡航前に決定いたします。)

報告書を発行しますが、内容にご不満の場合は全額返金予定です。

ご連絡は、こちらまで。(題名に「ホーチミン無料食品提案」または「ホーチミン食品市場調査」と明記願います。)

よろしくお願いいたします。