ローソン・らでぃっしゅぼーや共同出資企業設立、ネットで選んで店舗で買うという消費行動は起こるのか。

ローソン

 (From Flickr

日曜日(8月14日)の日経MJで目が止まった記事がありました。その記事は、

 

ローソンは有機野菜宅配のらでぃっしゅぼーやと9月1日に共同出資会社を設立する。生鮮食品の販売を強化し、客層を従来の若い男性から主婦や高齢者に広げる狙い。事業内容は今後詰めるが、両社の農場で生産する野菜の相互供給などを含めて検討している。

 

というもの。

 

共同出資会社を設立して、その先どうするかについては何も書かれてありませんでしたが、ローソンがらでぃっしゅぼーやの野菜を今後販売することは容易に想像できます。「両社の農場で生産」とあるように、ローソンはすでに千葉県の農業法人で作った野菜を販売しています。それにプラスして、今後らでぃっしゅぼーやの野菜を売るのでしょう。

 

野菜販売でより専門的なのは、もちろんらでぃっしゅぼーや。また、らでぃっしゅぼーやは店舗を構えず、ネットやカタログで商品を選んでもらい宅配しています。ということは、

 

らでぃっしゅぼーやには、売れ行きのいい有機野菜のデータが蓄積されている

 

ことでしょう。もちろん、野菜を販売するローソンにも販売データはありますが、コンビニという業態ゆえ野菜の販売がメインとは言いがたく、らでぃっしゅぼーやのデータの方がより価値が高いと言えます。

 

らでぃっしゅぼーやの売れ筋の商品をローソンで扱えば、

 

らでぃっしゅぼーやの売れ筋商品=ネットやカタログで売れている有機野菜

 

ということなので、ローソンが売り込む以上の訴求力が出てきます。また、これまでローソンで野菜を買ったことがなかった層が、

 

ローソンには消費者から支持されている有機野菜が売っている

 

と考え、ローソンに行くようになるかもしれません。らでぃっしゅぼーやの売れ筋商品を店頭に並べることで、ローソンの集客数が増えるという効果が期待できるのです。

 

一方、らでぃっしゅぼーやにもローソンで売るメリットはあります。通販の大きなハードルとして送料があるということは、何度か他の文書で言及してきました。らでぃっしゅぼーやは有機野菜の通販。これまで、らでぃっしゅぼーやの野菜を食べたくても、その送料が大きな壁となり、購入まで至らなかった消費者は多かったのではないでしょうか。この通販の壁を、ローソンで販売することにより崩すことができます。ローソンで販売することにより、らでぃっしゅぼーやがこれまで送料問題で取りこぼしていた消費者に、自社商品を販売するチャンスを得ることができるのです。

 

これがもし成功すれば、ネット通販企業とリアル店舗との業務提携が増えてくるように思えます。その結果、消費者は、ネット通販で欲しい商品を、リアル店舗で買うことができる。ロットの問題で、商品受け取りまで少し時間がかかるかもしれませんが、送料は気になるが受け取りまでの時間をあまり気にかけない層も存在します。特に、低単価の食料品で、このチャネルが支持されるかもしれません。

 

さらにこの路線が進化すれば、店頭であまり回転しない商品は在庫を持たなくなるかもしれません。回転率の低い商品の売場がなくなる代わりに、店頭で販売していた以上の品揃えをネットで提供できるようになれば、消費者にとっては選ぶ楽しみを今まで以上に享受できます。その商品販売ページには、店頭ではふんだんに使えなかった画像・動画を活用したプロモーションも可能でしょう。小売側にサイト作成の手間がかかるかもしれません。ならば、メーカーがサイト作成を行えばいいのです。これによって、メーカーは販売員を店頭に置くことと同じような効果が期待できます。

 

店頭の商品データがネットで公開されれば、アメリカの一部で試験運用されているスマートショッピングに繋がることも予測できます。店頭で携帯端末から商品を検索すれば、売り場が指定され、その商品を携帯端末でスキャン(決済)すれば、おすすめ商品が画面上に示されるという現実は、もうアメリカでは起こっています。

 

いささか想像が膨らみましたが、ローソンとらでぃっしゅぼーやの提携は、リアル小売店の販売手法・店頭での品揃えに大きな変化を引き起こすように思えます。

 

☆ 今日のまとめ☆

ローソンとらでぃっしゅぼーやの提携により、ローソンはネットでの売れ筋商品を店頭に並べることができる。これは、新たな集客につながる。

一方、らでぃっしゅぼーやは、送料が壁となって売上につながらなかった消費者に、ローソンで販売することができる。

この提携が成功すれば、ネットで買ってリアル店舗で受け取るという購入方法が広がるかもしれない。そして、それはリアル店舗の品揃えにも影響を与える。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

昨日は、神戸駅周辺でカフーツの伊藤さんとばったり会いました。

カフーツとは、神戸のコーワーキングスペース。

開店(?)以来、ほとんど行けてません。

Ustreamで勉強させていただいています。)

ウェブ関連の人が多いから少し躊躇してしまうんですよね。

消費者としての知識はあっても、ウェブ専門の知識はそれほどないから。

でも、それほど気にしなくてもいいみたい。

自分としては、事業が走り出してから参加しようと思います。

カフーツを通じていろんな方と知り合えたので、どんな形であれ貢献したいですね。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

ローソン・らでぃっしゅぼーや共同出資企業設立、ネットで選んで店舗で買うという消費行動は起こるのか。” に対して2件のコメントがあります。

  1. 共働きなんですが より:

    らでぃっしゅぼーやに限らず、宅配系事業は配送時の在宅拘束がすごくおおきなネックです。
    一方で、生産は計画的に提携先確保をする事業形態のため、コンビ
    店頭販売をするといっても、あまった場合しかコンビに降ろせない。

    共働き層など、コンビに受取りで販路拡大のほうが大きな狙いになるかと。

    1. ryotarotakao より:

      コメントありがとうございます。
      宅配での在宅拘束がネック担っている人は、意外に多そうに思えます。
      私も、この待つ時間がとても惜しい。
      重い物なら自宅まで届けて欲しいけど、大して重くないなら、通勤途中で受け取れれば一番ベスト。
      コンビニの店舗数は、大きな競争力です。
      まだまだコンビニは化けそうに思います。

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