阪急百貨店

 

百貨店の売上が好調のようです。

 

大手百貨店5社が2日発表した11月の売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月を上回った。全社そろってのプラスは2カ月ぶり。気温が下がったため、主力の衣料品の売れ行きが冬物を中心に良かった。高級腕時計や宝飾品などの高額品も堅調が続いた。(2013年12月3日付 日経新聞朝刊)

 

好調どころか、絶好調という方が正しいかもしれません。大手5社すべてが前年を上回ったということは、百貨店という業態が支持を得ている証拠です。その牽引役は、利益率の高い衣類と単価の高い高額品です。

 

思えば、つい最近まで百貨店という業態はもう終わったと言われていました。それだけ、売上減少に歯止めが掛からなかったからです。しかし、それが今では絶好調。その要因は、もちろん株高・景気回復期待というアベノミクスなのですが、それでもこのV字回復ぶりには驚くばかりです。

 

百貨店復活を支えているのは、比較的裕福なシニア層なのですが、シニア層が一年近くも高額品を買い続けることは、なかなか考えにくいのです。だから、シニア層以外にも百貨店利用が広がっていると考えた方がいいかと思います。

 

シニア層以外で百貨店を比較的利用しているのは、大企業などの正規雇用者でしょう。しかし、比較的所得に余裕のある正規雇用者でも、1年前までは節約志向が強く、百貨店の利用頻度は低かったはず。では、なぜ百貨店の利用頻度が、こうも上昇したのか。その理由は、

 

見栄を張りたいというニーズが高まったから

 

ではないでしょうか。もともと人間は、幾ばくかは見栄を張りたいと思うもの。人よりも優位に立ちたいという感情です。他人の不幸を喜ぶ人が多いのも、他人が不幸になれば、自分が比較的優位になるから。このもともとあった見栄を張りたいニーズが、以前よりも高まったのではないか、と思うのです。

 

見栄を誘発したのは、ボーナスなど所得の向上に他なりません。実際に手元に残る給与が増えたからこそ、見栄を張ろうという気になったのではないでしょうか。さらに、高額品を購入するシニア層を目の当たりにすれば、そのシニア層よりも優位に立つには、自分も負けじと高額品を購入するしかありません。だから、シニア層による高額品の購入が、正規雇用者の見栄を誘発し、高額品購入に駆り立てたとも考えられるのです。

 

同じことは、住宅・自動車・家電の消費にも当てはまります。

 

年末に向けて消費が堅調に推移している。内閣府がまとめた11月の消費動向調査で、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)が2カ月ぶりに前月を上回った。冬のボーナス支給額も多くの企業で増える見通しだったことから収入の項目が上昇した。家電量販店や百貨店の年末商戦の出足も好調で、今後も消費者心理が上向いた状況が続きそうだ。(2013年12月13日付 日経MJ)

 

見栄を張りたい欲求が高まったからこそ、正規雇用者にまで高い消費意欲が広がっているのです。

 

ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、以前のバブル様にブランド品というだけで売れるとういことは無いということ。いくら見栄を張りたいと言っても、コスパ意識は働きます。ブランド品でも、話題性やそのブランド独特の考えに納得した上で、価格とのバランスを考えて、購入するのではないでしょうか。

 

見栄を張りたい欲求をうまく利用すれば、消費増税による買い控えも小さく終わるかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

百貨店の売上が絶好調なのは、シニア層から正規雇用者にその購入のすそ野が広がったからではないか。

その背景には、正規雇用者の見栄を張りたいニーズの高まりがあると思われる。

このニーズをうまく活用すれば、消費増税による買い控えも小さく済ませることができるかもしれない。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

百貨店は、他の小売店が排除してきたサービスが、見栄ニーズをかき立てるのかもしれないですね。

良いサービスを受けると、またここで買いたいと思ってしまうものです。