Photo:Vivitix - Hello Kitty Shop By:welovepandas
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5月終わりに株価が急落したサンリオですが、その原因はビジネスモデルの転換を誤解されたからのようです。今年の方針発表にて、店舗運営に力を入れると発言したばかりに、ライセンス収入主体から収益モデルを転換すると市場は判断したようです。これが株価の急落につながったのは、利益率の高いライセンス収入に対し、店舗運営は初期投資が掛かるわりに、利益はそう高く望めないから。つまり、ビジネスモデル転換によるROE低下を、市場は懸念したのです。

 

疑問に思うのは、なぜサンリオが収益率の低い店舗運営に力点を置くのかということです。発表資料によると、直営店舗を作ることで、キティの世界観をより直接的に表現できる、とされています。つまりは、ユーザーと直に接触することにより、キティとユーザーの距離を縮め、ロイヤリティを高めようとしているのです。直営店により、買い上げ点数の増加、つまり客単価の増加が期待できることになります。さらに、ライセンス品では見向きもしなかった層を、直営店の開発商品によって、取り込むことも可能になります。これは、新規顧客の獲得になり、客数の増加が期待できます。逆に言えば、提携企業によるライセンス品では、これ以上ロイヤリティを高められず、キティファンが増えないと判断したのかもしれません。

 

店舗運営に関しては、楽天のニュースも飛び込んできました。

 

楽天は29日、東京・渋谷にEC(電子商取引)サイト連動型のカフェを開店した=写真。インターネット通販「楽天市場」で人気のコーヒーやスイーツなどを販売するほか、座席に設置された電子書籍端末「Kobo(コボ)」で雑誌なども無料で読める。店内に常駐する案内係が楽天のサービスを紹介。実際に体験する場を設けることでサイト利用者を増やす。(2014年5月30日付 日経MJ)

 

楽天が店舗なんて、これも考えられないことです。自社で販売するのではなく、販売店をテナントとして集める不動産業として効率よく利益を上げてきた楽天とすれば、初期投資が大きく掛かり、競争の激しいリアル店舗は、非効率そのもの。それでも、カフェを出店するのは、カフェを通じて楽天で販売する商品の良さを、よりわかりやすく訴えることができるからでしょう。既存の楽天ユーザーの買い上げ点数の増加が期待でき、これは客単価の上昇につながります。さらに、シニア層などネットに疎い消費者や無意識にアマゾンを使っている層に対しては、カフェを通じてリーチすることができます。これは、客数の増加をつながります。

 

サンリオ・楽天の共通点は、非効率な実店舗運営を通じて、客数・客単価の増加を目指しているということ。それだけ、ライセンス供与やネットだけでは売上を伸ばすことが難しくなったということであり、逆にリアル店舗にはネットにはできない訴求力があるという証拠でもあります。

 

ブランドロイヤリティを高めるための実店舗の出店が、今後増加するかもしれません。

 

☆  今日のまとめ☆

サンリオ・楽天に共通しているのは、非効率な実店舗を作ることで、客数・客単価増を目指しているということ。

逆に言えば、非効率なことをしなければ、売上増は難しいことの証左でもある。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

楽天はプロ野球参入などを通じて、かなり知名度は高くなりました。

それでもカフェを作るのは、実店舗のネットにはない力を実感しているからかもしれませんね。

電子書籍事業もなかなか黒字化しませんし。