神戸フィエスタ、入場料を取るメリット・デメリット、新たな活用法とは?

神戸の食By JanneM

 

今週末に神戸・三宮で、神戸フィエスタというイベントが行われます。神戸フィエスタとは、食のイベントなのですが、神戸に店舗を構える飲食店・スイーツショップの料理・お菓子を野外で食べられるというのが、大きな特徴です。よって、出店者は、飲食店・スイーツショップに限られ、食品メーカーは出店していません。

 

実を言うと、このイベントを知ったのは昨日の朝。ABCラジオの「おはようパーソナリティ道上洋三です」を聞いて、イベントの存在を知りました。もし、このラジオ番組を聞いていなければ、その時間帯に耳を傾けていなければ、神戸フィエスタを知らずにいたと思います。少なくとも、日経新聞には掲載されていませんでした。こういう体験をするたびに、宣伝広告の重要さは身にしみます。

 

このイベントで注目したいことは、

 

入場料を設定している

 

ということです。この手のイベントで入場料を取るのは、大変珍しいことです。野外で行われる食関連のイベントで、入場料を取るイベントを、これまで聞いたことがありません。恐らく、野外の場合、イベント会場を囲って入り口を設けることにコストがかかることが、入場料を設定できない理由なのだと思います。

 

となると、食フィエスタはお金を掛けてイベント会場を囲っていることになるのですが、公式サイトの情報によると、そうではないようです。

 

◯リストバンドを500円で購入することが、名目上のルールとなっている。

◯リストバンドがあれば、イベント会場内で飲食物を購入できる。

◯よって、実質誰でも入場できる。(入場料は無料になる。)

 

つまり、誰でもイベント会場に入れるものの、会場で飲食物を購入するには、リストバンドを購入しなければならないという仕組みです。

 

入場料を設定することに対する、メリットとデメリットを考えてみました。

 

【メリット】

  1. イベントの収益化・リッチ化
  2. 入場数をカウントでき、次回の出店者・スポンサー募集を効率化できる
  3. 実質的に誰でも入場できることで、賑わいを保てる
  4. 食への関心の高い消費者を集客でき、出店者・スポンサーのPR効果が高まる

 

【デメリット】

  1. 飲食物が売れない可能性がある
  2. 滞在時間が縮まる恐れがある

 

まず、メリットについて。1は特に説明はいらないかと思います。従来のイベントでは、出店者・スポンサーによる出店料や広告費で、費用を賄う必要がありました。一方、食フィエスタでは、入場料という新たな収益が生まれるため、イベント自体の収益化が容易になります。さらに、使えるお金が増えることで、イベントに有名人を出演してもらうなど、イベントの価値を高めることが可能になります。ちなみに、食フィエスタでは、道上洋三が出演されます。

 

2は、お金のやり取りが生まれることで、入場者をカウントできるようになります。これにより、入場者を正確に把握できるので、次回イベントの出店者・スポンサー募集がしやすくなります。継続的にイベントを行う場合、これはとても大きなメリット。ちなみに、食フィエスタは、今年で5回目。昨年は約8000人の集客があったようです。

 

3は、入場料を取ることのデメリットを解決してくれます。たとえ1円でも入場料を取ることで、無料の場合よりも、必ず集客は落ちます。しかし、食フィエスタでは、実質的に入場は無料。ブレスレットを購入しなければ飲食物を買えない仕組みですが、まず会場に入って、どんな料理が食べられるかを確認することは、無料でできます。この結果、失敗したくないと購入ハードルが、下がることになります。食フィエスタに興味のある人は無料で入場できるので、集客力はある程度保てることになります。先程の「約8000人」も、「入場者」ではなく「集客」と表現しているので、無料で会場に入った人もカウントしているかと思います。

 

4について、ブレスレットをした人としてない人で、その属性は大きくことなります。ブレスレットをしている人は、お金を払ってまでイベントを楽しみたいと思ったことになるので、食に関して大きな関心を持つ人になります。つまり、ブレスレットが、来場者の属性を示すことになります。その結果、ブレスレットを付けた人とのコミュニケーションを行えば、PRの費用対効果は高まることになります。出店者・スポンサーは、効率良くPRを行うことが可能になります。

 

一方、デメリットもあります。5に関して、飲食物を購入する際に、ブレスレットを買わなければならないというハードルがあります。このハードルのために、飲食物の購入を諦める人も少なからずいるのではないでしょうか。ハードルがない場合と比べて、売上が減ることは避けることができません。

 

6については、イベント会場で飲み食いをしてこそ、会場内に留まる時間は長引きますが、飲み食いしないとなると、ひと通り見たらおしまいになる可能性は高いでしょう。特に、三宮という街中で行われるので、さっと見て買い物に出かけたいと思う人も多いかと思います。会場内で飲み食いしなくても、街中には飲食店は星の数ほどあるのです。その結果、イベントの集客に悪影響が出るかもしれません。

 

ブレスレットを販売することで、入場料を取るというのは、とてもユニークなやり方です。ただ、もう少し工夫すれば、来場者の満足度も高めつつ、収益もさらに上がるかもしれません。その工夫とは、

 

  1. リストバンド特典を増やす
  2. 無料来場者も飲食物を購入できるようにする
  3. リストバンド購入者をリスト化して、イベント後の売上につなげる

 

です。

 

7に関して、ただ飲食物を購入できるという特典だけでは、物足りなく感じる人がいるかもしれません。リストバンドというモノを使うので、このモノを活用してはどうでしょうか。リストバンドを、イベント後にクーポンとして利用することは可能です。例えば、出店者のお店にリストバンドをして行けば、特別メニューが食べられるとすれば、食に関心の高い人の心をくすぐるかと思います。

 

8に関して。時間を割いてせっかく来てくれた人にも楽しんもらうことこそ、このイベントの主旨に合うかと思います。また、目当てのお店の料理だけ食べたい人もいるでしょう。そこで、リストバンドがない人も飲食物を購入できるようにしてはどうでしょうか。ただ、リストバンドを購入した人と差別化するために、値段は高めに設定してもいいかと思います。ちょっと食べたい、ちょっと楽しみたい人のニーズを満たすことができます。

 

9は、7に似ています。先程も述べましたが、

 

リストバンド購入者=食に関心の高い消費者

 

です。よって、この消費者を会員にできれば、食の売上を効率的に上げることができます。一方、食に関心の高い消費者も、食の情報を欲しています。リストバンド購入者をリスト化することによって、

 

◯食の生産者・販売者

◯食に関心の高い消費者

 

をマッチングすることができます。具体的には、リストバンド購入者のメールアドレスを取得し、出店者の新メニューの情報やスポンサーの新商品情報などをメールで提供することで、リストバンド購入者は食の情報を入手でき、一方で出店者やスポンサーは売上を拡大することができます。ただ、会場内でリストバンド購入と同時にメールアドレスを記入してもらうことは難しいので、ウェブ上でリストバンドを販売すればいいかと思います。そのインセンティブとして、割引価格にしてはどうでしょうか。

 

このリストバンド活用による入場料の設定は、大変おもしろい方法です。また、主催者にとって、集客への悪影響など反対意見があるなかで、大変思い切った決断だったのでしょう。イベントを継続的に行うには、企業による出店料や広告料に依存するのではなく、来場者からの収益をできるだけ大きくする必要があります。リストバンドをさらに活用すれば、神戸フィエスタの収益はさらに拡大するように思えます。

 

 

☆  今日のまとめ☆

神戸フィエスタは、入場料を設定する食の野外イベント。

飲食物を購入できるリストバンドの販売を通じて入場料を取るので、実質的には無料で入場できる。

リストバンドというモノをさらに活用すれば、イベント会場内だけでなく、イベント後の売上も伸ばせるだろう。

企業による出店料・広告料に依存せずイベントを継続するためには、リストバンドをさらに活用すればいいと思う。

アメリカのビジネス最新事情メルマガ
今飲んでいるワインのこと知っていますか?

WSJメルマガからスピンアウトした英単語サイトです。
Twitterやっています
FaceBookはほぼ引退しました
Tumblr本格的に始めました

 

☆  今日のこぼれ話☆

神戸フィエスタは6/3に行われるのですが、同じ日に東遊園地で神戸オクトーバーフェスト2012in三宮が行われます。

この日の三宮は、すごい人ごみでしょうね。

 

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓

◎部屋や家の掃除をする→◯

◎営業日誌を付ける→☓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です