甘味処・あかちゃや、1時間待ってもまた利用したいと思う理由とは?

あかちゃや

 

先日、神戸の王子公園近くにある甘味処・あかちゃやに行きました。あかちゃやには、神戸護国神社近くにあるので、8月15日の終戦記念日に行くことが、恒例行事化しつつあります。そして、今年も終戦記念日に行きました。目当ては、かき氷です。

 

昨年初めて行ったのですが、時間が17時を越えていたこともあり、すんなり入店できましたが、今年は全く事情が異なりました。16時少し前ぐらいに着いたのですが、店の前には多くの人。ウェイティングリストがあるのですが、リストにはすでに8組の人が記入されていました。そう、実際の列にはなっていませんでしたが、実態は長い行列が出来ていたのです。

 

結局待つこと1時間。こんなに待ったのは、春に行ったUSJ以来でしょうか。そして、あかちゃやでかき氷を食べるのは、今年で最後にしようと心に決めたのでした。何せ、あかちゃやの近くにある水道筋商店街には、多くの喫茶店があり、かき氷を食べたいなら、いくらでも選択肢があるからです。しかし、この決心は、あかちゃやの黒みつ(黒みつがかかったかき氷)を食べて、撤回することになりました。また、食べたいと思ったからに、他なりません。

 

私のように思う人が多いからこそ、かき氷激戦区でありながら、行列ができるお店にまで発展したのでしょう。そこで、あかちゃやに行列できる理由について、考えてみました。

 

【あかちゃやに行列ができる理由】

[品質(Q)]舌の上で溶けるような細かい氷だから

[見た目(AP)]レトロ調の店舗・備品で懐かしさとオシャレさがあるから

[価格(P)]単価は高いものの、かき氷はかなり大きくコスパも高いから

[アクセス(A)]繁華街から離れた住宅街にあるから

[その他]時間がゆっくり流れ癒されるから

 

おなじみのカッパ(QAPPA)理論による分析です。最後のアクセスだけは、決して良くないだけに、行列にはマイナスになるように感じますが、そうではありません。遠いからこそ、せっかく来たというサンクコストが大きく感じられ、待ってでも食べたいと気になるのです。実際、あかちゃやの近くに住んでいるであろう主婦が、行列を確認して帰るという光景を目にしました。待つのが面倒と思い、諦めて帰ったのでしょう。近くに住んでいるならば、わざわざ混んでいる日・時間帯に行く必要はありません。遠くから来たからこそ、行列ができているにもかかわらず、待とうという気になれるのです。遠いことが、行列にプラスに働いていることがわかるかと思います。

 

最後にその他について。これは、店の雰囲気も関係していますが、店を切り盛りしている姉妹(恐らく)の存在が大きいかと思います。行列ができているにも関わらず、切羽詰まってサービスをスピーディーに行うのではなく、いつも通りのオペレーションが守られていました。「もう少し工夫すればいいのに」とも感じましたが、あの独特な雰囲気のオペレーションだからこそ、ゆっくり流れる時間を演出でき、見た目の差別化につながるのでしょう。このオペレーションこそが、大きな差別化なのかもしれません。

 

美味しいかき氷は、技術力を高めることで真似をすることは可能です。しかし、店の雰囲気は、オペレーションやそこで働く人とも関係するので、機械的に再現することは難しいもの。結局、あかちゃやに行列ができるのは、カッパ理論もさることながら、この雰囲気にあるのではないでしょうか。高い収益性は期待できませんが、ファンを増やせるビジネスでとしては、とても参考になると思います。(もちろん簡単に真似はできませんが)

 

売り切れ頻出のあかちゃやの宇治金時

 

☆今日のまとめ☆

甘味処・あかちゃやに行列ができるのは、かき氷の品質やお店のデザイン・価格・立地などもあるが、それ以上にオペレーションを含めた店の雰囲気にあるのではないか。

忙しい時間帯でも、時間がゆっくり流れる雰囲気があるからこそ、ファンを獲得できるのだろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

今年の夏にもう一度かき氷を食べるなら、JR大阪三越伊勢丹の赤福でしょう。

ここもいつも行列ができています。

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