ダラージェネラルBy Old Shoe Woman

 

◎本日のニュース

1)見出し
A General-Store Race Is On
【出典】
http://goo.gl/dmhsf

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2)要約
1ドルショップのダラージェネラル社が、
生鮮品を扱う中型スーパーの出店を加速させる。
従来の1ドルショップに比べて、中型スーパーは利益率が低いが、
生鮮品など賞味期限の短い食品を扱うことで、
来店頻度を高めることができる。さらに、
食品よりも利益率の高い衣類などの購買にもつなげることで、
客単価を引き上げることができる。

中小型スーパーは、ターゲットやウォルマートなどの
大型ディスカウントチェーンが出店を行い、
またドラッグストアも食料品を扱う店舗を増やしているため、
競争が激化している。そこで、ダラージェネラルは、
購入頻度の高い食料品を入口近くに陳列するなど、
忙しい節約志向の高い消費者をターゲットにした売り場で、
差別化している。また、生鮮食料品の買い物に困る地域である、
いわゆるフードデザートへの出店も予定している。

また、女性用衣類売り場やブランド商品の展開、
グレードアップしたPBの拡充などにより、
景気後退期に獲得した顧客の維持・拡大に努めている。
その結果、ダラージェネラルは、1ドルショップの中で
最も収益増加率の高い最大チェーンに成長した。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Dollar General Inc., whose discount stores have
stolen bargain-seeking shoppers from Wal-Mart Stores Inc.,
is trying to grab a share of the grocery business.

4)キーとなる英文の和訳
ダラージェネラル社は、ディスカウントストアとして、
これまでウォルマート社から低価格志向の買物客を奪ってきた。
今後は、食品スーパーから顧客を奪おうと画策している。

5)気になる単語・表現
grab他動詞~を不意につかむ;~を横取りする
grocery名詞食料雑貨店;食料雑貨類

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ダラージェネラル社(Dollar General Inc.)は1ドルショップで、
価格が1ドルの商品をメインに販売している。
日本で言う100円ショップと考えてもらって良い。
ただし、すべて1ドルで販売しているのではない。

参照 ダラージェネラルのサイト
http://www.dollargeneral.com/home/index.jsp

このダラージェネラルの業績がすこぶる好調である。記事では、

2011年の売上金額 148億ドル
2012年既存店売上金額の昨対比(予定) 6%増
2012年の純利益金額の昨対比(予定) 22%増

と紹介されている。

これほど好調な理由は

2007年から始まった景気後退期に、低価格志向を強めた
消費者をウォルマート(Wal-Mart Stores Inc.)などの
ディスカウントチェーンから奪ったから

である。失業率の高止まりなど将来不安に駆られた消費者が、
これまで利用したことがあまりなかったダラージェネラルに行った

ところ、
意外にいい商品が販売されていたことがわかったのだろう。
そこで、ウォルマートやターゲット(Target Inc.)などでの買い物をやめて、
ダラージェネラルでするようになり、ダラージェネラルの好業績につながった。そのダラージェネラルが、中型スーパーの出店を進めるというのが、
今回の記事。中型スーパーの商号は、ダラージェネラルマーケット。
これまでにも、出店を行なっていたが、従来の1ドルショップ業態よりも
利益率が低いことが、出店のネックであった。その理由は、
生鮮品などの賞味期限の短い食料品を扱うからである。
加工食品よりも賞味期限が短いために、ロス率が高くなる。
これが、利益率低下の要因だろう。しかし、この利益率の問題も解消されている。
その原因は、

1.生鮮品や冷蔵品を取り扱うことにより、来店頻度高まるから。
2.来店時に、より利益率の高い雑貨や衣類なども一緒に売れるから。

である。

1は、単独では利益率改善に役立つのではなく、2と合わさって効果を生み出す。
従来の1ドルショップ業態は、雑貨や衣類など利益率の高い商品を取り扱っていたものの、
すぐに消費される商品ではなかったために、来店頻度を高めることはできなかった。
一方、利益率が低いものの、賞味期限短く短期間で消費される生鮮品などの
食料品を販売することによって、来店頻度を高めることができる。そして、
食料品目当てに来店した買物客が、雑貨や衣類を購入することにより、
利益率は向上する。

ただし、来店頻度が高くなっても、もともとの顧客数が少なければ、
利益率が高まっても金額は稼げない。実際、中小型スーパーは、
ウォルマートやターゲットなどの大型ディスカウントチェーンが参入し、
さらにほとんどのドラッグストアが食品の販売を始めるなど、
競争が激化している。そこで、ダラージェネラルには、
競争の激しい中小型スーパーにおいて、集客力を高めなければならない。

ダラージェネラルが採った集客策とは以下の通り。
1.購入頻度の高い食料品を、低価格で販売するだけでなく、
入口近くに陳列する。
2.生鮮食料品の購入が困難なフードデザートへの出店を進める。
3.大型スーパーで売上上位の商品に絞って販売する。
4.女性用衣類売り場で、他店にない小さなサイズを揃え、
また新商品の導入を早め、さらにすべての商品を半額で販売する。
5.ブランド商品の品揃えを増やすだけでなく、品質を改良したPB商品を拡充する。

1は、競合店とは大きく差別化されている。競合店のほとんどは、
購入頻度の高い商品(牛乳、パンやジュースなど)を店舗奥で販売することにより、
店舗内での回遊を促している。一方、ダラージェネラルは、
入口近くに購入頻度の高い食品を陳列し、すぐにレジで決済できるようにしている。
これにより、ダラージェネラルは、忙しい低価格志向の顧客のニーズに
答えることができる。これは大きな差別化である。

2・3については、競合他社もマネをすることができるのでは、
大きな差別化にはならないだろう。

4については、生鮮品目当てで来店した女性に、衣類を購入させるクロスセルだけでなく、
頻繁に新商品が並ぶ売り場にすることにより、衣類目当てでの来店も期待できる。
この結果、利益率を高めることができる。

5は、顧客の属性に即した売り場を展開している例である。ダラージェネラルは、
景気回復後消費者の経済力が回復すると、景気後退期に獲得した
顧客を失うのではないかと、懸念されていた。そこで、比較的裕福な顧客向けに、
ヘインズ(Hanes)の衣類やストーファーズ(Stouffer’s)の加工食品など
ブランド力の高い商品を増やした。一方で、従来の低価格志向の強い顧客向けには、
PB商品の品質を改善し、よりコストパフォーマンスを高めている。

これらをまとめると、次のようになるだろう。

◯生鮮品など賞味期限の短い食品の販売→来店頻度を高める効果
◯早く買い物を済ませられる売り場の展開→競合他社とは異なる顧客の獲得
◯サイズ展開・新商品導入・価格など女性衣類売り場の工夫→女性顧客の獲得・維持
◯NB商品の拡充→より経済力の高い顧客の維持
◯PB商品の拡充→より経済力の低い顧客の維持

ダラージェネラルは、生鮮品を取り扱うだけでなく、
売り場において競合他社と差別化し、さらにより利益率の高い雑貨や
衣類のクロスセルを行うことにより、中型スーパー業態の利益率を高めている。

ダラージェネラルの後を追う、同じ1ドルショップのファミリーダラーストアーズ社
(Family Dollar Stores Inc.)と比較すると、収益力の差は歴然としている。
ファミリーダラーストアーズは1平方フィートで145ドル売り上げているのに対し、
ダラージェネラルは213ドルも稼いでいる。その差は約1.5倍と大きく開いている。

Dollar General http://goo.gl/b9UVZ
Family Dollar http://goo.gl/7tGC9

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《今回のヒントのまとめ》
1)ダラージェネラルが、競争が激しい中小型スーパーで利益率を
改善しているのには、大きな理由がある。そもそも、
スーパーは生鮮品など賞味期限の短い食料品を扱いために、利益率は低い。

2)それは、購入頻度の高い食品を扱うことにより、
来店頻度をたかめているだけではない。

3)競合他社と差別化するために、早く買い物を済ませられる売り場を採用している。
また、女性・経済力の高い顧客・経済力の低い顧客に合った売り場を作ることによって、
より利益率の高い雑貨・衣類のクロスセルを行なっている。

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編集後記
日本の100均ショップでは、品揃えではダイソーが一番、
デザインではセリアが一番かと思います。
ただ、最近、ダイソーもかなりデザインに凝った商品を導入しています。
電気代の値上げや消費増税など可処分所得が下がることを考えると
今後100ショップの利用者は増えるのでは、と予測しています。

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