阪急うめだ本店

 

先日の日経新聞に、阪急うめだ本店に関する記事が掲載されていました。

 

エイチ・ツー・オーリテイリングは9日、2012年11月に増床開業した阪急うめだ本店について、目標売上高の2130億円を達成するのが、当初計画より2年遅れ、開業3年目になるとの見通しを明らかにした。現状では、今秋までの開業1年間の売上高は1900億円にとどまる見通しだという。(2013年5月10日付 日経新聞朝刊)

 

阪急うめだ本店の売上と言えば、リニューアルオープンから急増しています。しかし、それでも目標には到達していないようです。親会社のエイチ・ツー・オーリテイリングは、その要因を次のように分析しています。

 

【阪急うめだ本店の売上が目標未達になった要因】

[1]      改装時に顧客離れが起きたから

[2]      新規顧客の獲得が思ったほど進まなかったから

[3]      集客が売上につながっていないから

 

1については、それはある程度は仕方ないこと。それでも要因として挙げるのは、離れた顧客が戻ってきていないからに他なりません。改装工事に要したのは7年なので、改装が始まったのは2005年になります。その頃から起きた梅田の百貨店の変化と言えば、JR三越伊勢丹のオープンと大丸梅田店のリニューアルオープンでしょう。JR三越伊勢丹は、阪急以上に苦戦しているので、大丸梅田店に既存顧客が奪われたのかもしれません。大丸梅田店と言えば、若者女性をターゲットにしたうふふガールズだけでなく、ユニクロや東急ハンズなど集客力のあるテナントを導入しているので、ただでさえ少ない若者層の既存顧客が奪われた可能性は高いかと思います。また、売上好調な西宮阪急に、阪神間の既存顧客の一部が奪われたことも、十分考えられるでしょう。

 

2について、阪急うめだ本店は、リニューアルオープン当初、西は九州からも集客すると意気込んでいました。これが、思ったほど進んでいないのかもしれません。カード会員も積極的に募集したものの、結局は既存のカード会員の転換が多かったのではないでしょうか。九州に新幹線網が広がったと言えども、そう簡単に大阪に出てこれるわけではありません。コストもそれなりに掛かりますし、時間も掛かります。リタイアしたシニア層のコスト・時間認識が、思った以上にシビアだったのかもしれません。

 

3について、これが一番注目しているのですが、日経の記事の中では、次のように述べられています。

 

「広域からの集客や新規顧客の獲得はあるものの、実際に売上高に貢献するまでには時間がかかる」

 

集客は凄まじいものの、思ったほどお金を落とさなかったということです。確かに、9階のイベントフロアでの物産展やデパ地下は、多くの人で賑わっています。しかし、来店した人すべてが、購入しているわけではありません。吟味したものの、結局買わず終いで百貨店を後にした人が、多かったのでしょう。思えば、グリコのバロンドールハッピーターンズなど一部の店舗は、品切れするほど売れていますが、それ以外はそれほど忙しいようでもありません。お客さんの数の割に、さほど売れていなかったのです。

 

この記事を読んでから偶然目にしたのが、阪急からのダイレクトメール。15日からのニューヨークフェアの案内です。このチラシを見て最初に感じたことが、

 

価格が高い

 

ということ。マンハッタングルメの行列店など、とても興味深いお店がやって来るのですが、値段を見るとびっくりしました。

 

ジュニアーズのパストラミルーベン(1個)881円

サラベスのエッグベネディクト(1人前)1401円

サラベスのフルーツスプレッド(各252g)1575円

オリジナルスープマンのレトルトパック(各490g)1201円

ニューヨークワイン ピノ・ノワール(750ml)5040円

 

ニューヨークでしか味わえないグルメなので、渡航費を考えれば当然の価格かもしれませんが、それでも割高感はあります。

 

この割高感こそが、集客が売上に繋がらなかった要因ではないでしょうか。というのも、他の物産展でも、割高に感じることがあったからです。デパ地下にしても同じ。マスコミによる話題を耳にしてやってきた人や、梅田に用事があってちょっと寄った人、これらの人は、阪急うめだ本店に来店する確率は高いものの、実際の価格を見て買わずに帰る確率も高いのです。

 

阪急うめだ本店は、この処方箋をすでに投じています。それは、以前取り上げた105円の阪急パンや1050円均一ワインの導入です。そして、ちょっとした飲食需要を獲得するために導入した、デパ地下のイートインスペースです。これらの割安な商品・サービスにより、多大な広告費を掛けて獲得した集客を売上につなげようとしているのだと思います。

 

☆今日のまとめ☆

阪急うめだ本店は、目標売上の実現時期を後ろ倒しにした。

その主要因は、集客が思ったほどの売上に繋がらなかったからです。

そうなったのは、ニューヨークフェアの価格が物語っている。

販売商品の割高感が購入をためらわせ、それが売上の獲得失敗につながったのでではないか。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

それでも、目標売上を下方修正しなかった、阪急うめだ本店はスゴイと思いますよ。

これからは、グランフロント大阪という大きなライバルもいるわけですし。

さらに、JR三越伊勢丹も、着実に来店客数を増やしています。

今後どのような手を加えていくのか、阪急うめだ本店には注目ですね。