【462号】ローカル証券取引所というストック型地元経済活性化策

商店街

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また、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

◎本日のニュース

1)見出し
Stock Exchanges for Local Businesses

【出典】
http://goo.gl/mDARF

2)要約
地方のお金の外部流出を防ぐとともに、
地元企業が資金調達をやりやすくするために、
ローカル証券取引所を復活する動きがある。

ローカル証券取引所が一般的だった時もある。
しかし、電子取引の普及と大規模取引所による
ローカル取引所買収により、
多くのローカル取引所が姿を消した。

ローカル証券取引所からの資金調達は、
低コストで済むというメリットがある。
それは、地元住民にのみ株式を公開しない場合は
証券取引委員会(SEC)へ申告する必要がなく、
さらにローカル取引所を完全電子化すれば、
株式引受手数料を低く設定することが可能だからである。

3)キーとなる英文
But it’s such a great idea to have a regional stock exchange
that a community controls-and be investing in itself.

4)キーとなる英文の和訳
しかし、コミュニティーが監視する地元の証券取引所を
開設することはとてもよいアイデアである。
また、それ自体に投資することもすばらしい。

5)気になる単語・表現
なし

6)今日のヒント
ローカル証券取引所を開設する動きとして紹介されているのは、
1.ランカスター市(ペンシルベニア州、Lancaster)
2.ホノルル市(ハワイ州)
3.トロント市(カナダ)
の3つの都市。
ちなみに、

ホノルルでは1976年まで証券取引所があったという。

ローカル証券取引所の説明として、
資金調達のスローフード
という言葉が使われている。
スローフードとは、その土地の伝統的な食文化や食材を見直す運動。
この食材をお金に変えると、
企業が地元のお金を見直す運動ということになる。
せっかく地元にお金があるのだから、
そのお金を使って事業活動をして、利益を生み出せば、
税収という形で地元に還元できる。

資金を差し出す地元住民には、
税収以外にも配当収入というメリットがある。
アメリカでも日本同様低金利が続いており、
預金による金利収入は微々たるもの。
(日本で米ドル預金をすれば、
その低金利ぶりが理解できる。)
さらに、アメリカにはもともと預金よりも
投資を選好する傾向が強い。

一方、地元企業にとっては、
低コストで資金調達できるというメリットがある。
中小企業への融資条件はまだまだ厳しく、
事業拡大を目指す企業が満足な資金を調達することは難しい。
かといって、株式公開による資金調達を目指しても、
上場コストが高くつく。
記事では、1500万ドルの調達に対して、
100万ドルの手数料が発生すると書かれてあり、
コストはかなり高い。
ローカル取引所が完全に電子化できれば、
手数料や上場維持コストなどが低くなり、
地元企業にとっては上場するメリットが高くなる。
さらに、法人化した州の住民にしか株式を公開しないならば、
SECに申請する必要がない。上場に関わる事務コストも低くなる。

このように、金銭面だけを見ても
地元住民・地元企業双方にメリットがあるが、
金銭面だけにとどまらない。
地元住民にとって、地元企業は雇用先でもある。
地元企業が成長すれば、雇用機会も増えることになるので、
地元住民が同じ投資をするなら地元企業の方がいいということになる。

一方、地元企業にとっては、
地元住民に投資してもらうことによって顧客を開拓できる。
投資家なら、投資した企業に成長してもらって、
キャピタルゲインや配当収入を増やしたいと思うもの。
その手っ取り早い方法は、投資した企業の製品を
購入することである。
たとえ、企業が消費財を販売していなくとも、
企業が提供する商品は最終的には何かしらの消費財に変わる。
その消費財を購入すれば、その企業の業績にプラスとなる。
投資家が増えれば、顧客(さらに進化してファン)が増えることになり、
売上増につながる。

金銭面以外のメリットは、
いわばつながりのメリットとも言える。
地元住民が地元企業に投資することにより、
雇用や購入を通じて、両者につながりが生まれる。
このつながりは長期間継続し、
地元経済の活性化に大きく寄与する。

昨日(6/6)の日経MJに、
静岡県は県内の名所や特産物などを紹介する
インターネットサイト「静岡大好き。しずふぁん!!」の記事が
掲載されてあった。
インターネットで静岡県に関する情報を発信することによって、
静岡県で生産される商品や静岡県の観光を売り込もう
というのが第一目的だろう。
(記事によると、緊急雇用対策事業として行われているので、
雇用対策という目的もあるだろう。)
地元経済の活性化を目指している。
情報発信は、その第一歩と言えるだろう。
ただ、静岡県での観光や特産物購入によって、
一時的なメリットは生まれても、
長続きするのは難しい。
一方、ローカル証券取引所では、
地元住民と地元企業が、
金銭面・つながり面でのメリットを長期間享受できる。
長期にわたるメリットを生み出す仕組みを考える上で、
ローカル証券取引所は参考になるだろう。

しずふぁん http://shizufan.jp/

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《今回のヒントのまとめ》

1)ローカル証券取引所を開設しようという動きが、
アメリカで起こっている。
この取引所を使うことにより、
地元企業は地元住民から低コストで資金調達が可能となる。

2)ローカル証券取引所のメリットは、
金銭面・つながり面の二つがある。
金銭面では、税収増・配当収入・低コスト資金調達であり、
つながり面では、雇用と顧客開拓である。
どのメリットも長期的に享受でき、地元経済活性化につながる。

3)地元経済活性化策として、
イベントや情報発信などが行われているが、
一時的な売上で終わる場合が多い。
ローカル証券取引所のように、
長期間に及ぶメリットが生まれるような仕組みが必要だろう。

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編集後記
こんばんは、高尾です。
土曜日のソフトバンク戦、負けてしまいました。
今回こそは、勝利の六甲おろしを歌おうと思い、
ジェット風船も多めに買っていったのに。
残念です。
それにしても、今年のタイガースは
どうなってしまったのでしょうか。
打てない。
そして、日曜はピッチャーも打ち込まれました。
ただ、まだ6月です。
まだまだ挽回は十分可能です。
なんとか、クライマックスシリーズには行って欲しいなぁ。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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