灘五郷オータムフェスタ、作り手と消費者を結びつけるには?(改善案付き)

灘五郷オータムフェスタ2011

昨日、灘五郷オータムフェスタ(Autumn Festa in Kobe)に行きました。このイベントは、11/14から11/18まで神戸・元町の朝日ビルディングで行われていました。着いたのは19時前、金曜日だったためか、すごい人。イベント会場に収まりきれなかったのか、枠外にも机が用意されていました。机の数は30卓ほどで、1卓に平均4名程度いるとして約120名。17時~20時のイベントで45分で1回転するとして、4回転。480名ほどは集客していたと思います。

この集客数だけを見ると、すごいの一言。日本酒の販売数量が減っていることがウソのようです。しかも、このイベントは無料ではありません。500円支払うと、3杯の試飲券とおつまみ(おかき類と竹輪かソーセージ)がもらえます。3種類の飲み比べが出来るとは言え、500円という価格は決して低いわけではありません。それでもこんなに人で賑わうのですから、日本酒という商品が依然消費者ニーズを満たしている証でもあります。

ただし、会場で周りを見ると、この考えが少し揺らいできます。来場者のほとんどは、会社帰りの方。18時までに来場されている人は、リタイア後の高齢者の方が多いのですが、19時ぐらいになるとほとんどがサラリーマン(給与所得者という意味で男女問わず)になります。(実は、14日にも視察に行きました。その時は17時からセレモニー、17時半から試飲開始。開始時から試飲会場に足を入れたのですが、高齢者の方が多かったです。)そこで繰り広げられているのは、

飲み会

なのです。つまり、会場は人でごった返し、賑やかなのですが、上司や同僚との会話が弾んでおり、日本酒談義というよりも会社のこと・その他雑談のよう。(あくまで私の印象)飲み比べをしている人も見かけたのですが、どの銘柄か認識せずに比べているように思えました。(商品名や酒蔵の名前で比較しているのでなく、単に「こっちよりもおいしい」という比較。)メインは話、日本酒はサブのようでした。

また、試飲の際、日本酒にそれほど詳しくないのでどれを選んだらいいか少し迷いました。そこで、酒蔵のブースにいるスタッフの方に質問をしたのですが、回答がなんともわかりにくい。原材料や醸造方法などの違いを説明してくれるのですが、肝心の味(甘い・辛いやまろやか・スッキリなど)の説明は少なかったように感じました。消費者が一番知りたいのは、味だと思います。さらに、ブースの前を通るとスタッフの方が呼び込み(「◯◯です。」「◯◯はどうですかぁ。」など)をしているのですが、お酒を決める時にはあまり説明がありませんでした。「これが人気」「これが売れている」「これは純米吟醸です」などは伝えてくれるのですが、「辛口ならこれがいい」「◯◯は竹輪によく合う」などの提案はなかったように思えます。酒蔵と消費者のコミュニケーションが意外なほど少なかったように思えます。日本酒が好きな方やフレンドリーな方は、酒蔵スタッフに話掛けていましたが、酒蔵スタッフから消費者への会話はそれほどなく、あまり弾んでいなかったかと思います。

卸がメインの製造企業の場合、消費者との接点はあまりありません。どちらかというと、卸店や小売店への働きかけ(提案など)がメインの仕事になります。日本酒業界はどちらかというと、卸メインの業界。よって、消費者とのコミュニケーションが慣れていなかったのかもしれません。だからこそ、対消費者イベントは貴重なコミュニケーション機会になります。少しの工夫で、灘五郷オータムフェスタがもっと消費者に近づけるいい機会になったように思えます。

ちなみに、私が提案するのは、以下の改善です。

  1. 各商品に統一フォーマットのPOPを付ける。(味・原材料・醸造方法・適する料理など)
  2. お酒を入れた試飲カップを渡す際に、その銘柄のカードを渡す。(飲み比べた際、どの銘柄かわからなくなるから。)
  3. コンテストを実施する。(アンケートに一番気に入った銘柄を記号で記入してもらう。)
  4. 日本酒の利点を紙で配る。(健康への利点などのプレートが掲げてありましたが、ほとんど目立たなかったため。)
  5. 会場近くの販売店をすぐに答えられるようにする。(一部の酒蔵スタッフに聞いたところ、その場ではわかりませんでした。)
  6. 灘五郷の特徴(他の酒蔵・地域とどう違うのか)をわかりやすく伝える。(ほとんどわかりませんでした。)

このイベントによって、日本酒を飲む機会があれば、灘の日本酒を選ぶ消費者が増えるかと思います。ただ、日本酒を飲む機会自体が増えるかどうかはかなり疑問。さらに、灘の日本酒の販売量が増えるとしても、大手スーパーチェーンに卸している大手酒蔵にはメリットはあるものの、飲食店や直販メインの中小酒蔵にはあまりメリットはないかと思います。ちなみに、このイベントに出展している酒蔵の多くが、知名度のある大手酒蔵。このメリットの無さを見越して、中小酒蔵は出展していないのかもしれません。お祭りに近いイベントでさらに震災チャリティーの意味合いも大きいので、多くの消費者を集めて盛り上がることに大きな意味があるのかもしれません。しかし、売上・利益が上がってこそイベントを継続できるのです。もっと、売りにつながる仕掛けを作ってもいいのではないでしょうか。

☆今日のまとめ☆

灘五郷オータムフェスタは、多くの人を集め、かなりの盛り上がり。

ただ実態は、お酒よりも上司や同僚・友人との話がメインのように思えた。

酒蔵と消費者がもっとコミュニケーションを取れる工夫があれば、日本酒や銘柄の良さが伝わったのかもしれない。

消費者とコミュニケーションを取れる貴重な機会なので、工夫次第でももっと売りにつなげられるだろう。

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☆ 今日のこぼれ話☆

昨日は、久しぶりに一人で飲み過ぎました。
一人飲みはいつ以来でしょうか。
そのためか、ツイート数もかなり増加。
少し言い過ぎたかな。

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→☓

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

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