ビジネスの視点から見たAKB48前田さんの卒業

 

※今回の記事を読んで、ファンの方は不快に思われるかもしれません。熱狂的ファンの方には、この記事を読まないことをお勧めします。

 

AKBから前田敦子さんが脱退することについて、日経新聞で知りました。日経新聞にこのような芸能ニュースが掲載されることに、少し違和感を覚えますが、逆に考えれば、AKBの経済効果が大きいと捉えることもできます。

 

ただ、なぜ今卒業したかについて、疑問に思いませんか。AKBは今が絶頂期。これからますます仕事も増えることでしょう。さらに、前田敦子さんはAKBの中心メンバー。

AKB=前田敦子

と考えれば、

AKB人気が拡大→前田敦子人気が拡大

になります。このままAKBの前田敦子として仕事をした方が、得です。少なくとも、損にはならないでしょう。(ただし、AKBで不祥事が起これば、中心メンバーだけにその悪影響は他のメンバーよりも大きくなりますが。)

 

なぜ、前田敦子さんは今AKBから脱退したのか?経済的に考えると、次の理由からではないでしょうか。

 

  1. アイドルよりも女優の方が、寿命が長いから。
  2. 絶頂期に女優に転身した方が、人気をスムーズに保てるから。

 

アイドルの前田敦子さんをビジネス上で考えれば、

カテゴリー:アイドル (例 粉末洗剤)

ブランド:前田敦子  (例 アタック)

となるでしょうか。

 

アイドルというカテゴリーは、その顧客層がかなり限定されます。メインターゲットは中高生。一人のファンは、この12年間にアイドルというカテゴリーの中から気に入るブランドを選ぶことにあります。また、常に新規参入が絶えません。つまり、人気を保つことはかなり難しいカテゴリーと言えます。例えば言えば、コンビニで売っているカップラーメン。カップラーメンのように毎週新商品が発売されるまではないですが、毎年新しいアイドルが登場します。

 

一方、女優は、顧客層はかなり幅広い。どちらかというと、中高生よりも年配の人の方が、熱狂的なファンがいるとも言えます。アイドル同様新規参入が多いカテゴリーですが、アイドルのように目新しさが求められません。どちらかというと、演技力・イメージが力をいうカテゴリーになります。

 

このように考えると、アイドルよりも女優の方が、売れる期間が長くなります。これからの芸能生活を考えると、寿命の短いアイドルよりも長く活躍できる女優を選ぶのは、何ら不思議ではありません。だから、前田敦子さんは、アイドルから女優への転身を図ったのです。(もちろん、女優になるのが彼女自身の夢であることが、一番大きな要因ですが。)

 

ただ、なぜ今なのか?もう少しAKBで名前を売ってから、少しずつ女優になればいいのに、とも思います。これに関しては、プロダクトライフサイクルを考えると、納得できます。

 

プロダクトラフサイクルとは、

 

製品の売上と利益の変遷を4つの段階で説明するモデル

出典はこちら

 

であり、商品は次のような変遷を受けることになります。

導入期:市場拡大期(設備投資費・開発費回収のため、速やかな売上拡大を行うこと。)

成長期:差別化、浸透戦略(フォロアー対策のためブランドの確立を行うこと。)

成熟期:シェア維持戦略、ニッチ戦略(競合他社による侵食を阻むこと。成長期において開拓しなかった隙間市場を埋めること。生産工程の効率化を図ること。)

衰退期:撤退戦略(製造設備の転換廃棄に見込まれる損失を見極め、損益分岐を元に撤退を図ること。)

出典はこちら

つまり、

成長期から始まった製品は、必ず衰退期を迎えることになり、未来永劫そのまま存続することはない

ということがわかります。これを、AKBに当てはめると、AKBも必ず衰退期を迎えることになります。現状は、成長期から成熟期に向うところではないでしょうか。ならば、これからは、これまでのような急成長は望めないことになります。

プロダクトライフサイクルの考えでは、企業は衰退期までにその製品をブラッシュアップ、または新製品を発売して、新たなプロダクトライフサイクルを描こうとします。前田敦子さんで言えば、女優・前田敦子という新製品を発売して、新たなプロダクトライフサイクルを描くことなります。

ただ、導入期には、市場に新製品を浸透させることに大きな広告費・販促費がひつようになるため、大きなコストがかかります。新製品だけに、既存品のようにはなかなか売れません。それは、市場には既に競合製品があるからです。女優・前田敦子も同じ。女優というカテゴリーに参入しても、アイドルカテゴリーと同じようにはいきません。既に、若手女優がいるからです。

ならば、できるだけ有利な環境で女優・前田敦子を売りだせばいいのです。その有利な環境とは、人気が高い時でしょう。成長期から成熟期に向かうAKB=前田敦子の高い人気をそのまま活用すれば、スムーズに女優カテゴリーに移ることが可能となります。もし、人気絶頂のAKBでもう少し活動してから女優に転身しようとすると、AKBは成熟期から衰退期に向うことになります。この時期には、すでに新しいアイドルも登場し、AKBの知名度は高くとも、「最近見ないね」と言われているかもしれません。その中心メンバーの前田敦子も、同様の認識に変わるでしょう。その時は、女優に転身する上で有利な環境とは言えません。だから、今、前田敦子さんはAKBを卒業する意味があったのです。

前田さんが女優として成功するかどうかはわかりませんが、前田さんのAKB脱退はかなり戦略的だと感じます。この事例から、

人気の高いブランドも必ず衰退期を迎える

成長期のうちに、次の行動を起こさないと手遅れ

ということが学べるのではないでしょうか。人気があるからといって、胡座をかいている暇はありません。

☆  今日のまとめ☆

前田敦子さんのAKB脱退は、今後を考えた戦略的なもの。

アイドルよりも女優の方が商品としての寿命が長いため、そのブランド価値を長く享受できる。

さらに、プロダクトライフサイクルでアイドル・前田敦子が成長期から成熟期に向う今女優へ転身した方が、スムーズに女優・前田敦子を売り出すことができる。

この事例から学べることは、人気の高いブランドも必ず衰退期を迎えるので、成長期のうちに次の行動を起こさないと手遅れになる、ということである。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

恐らく、モーニング娘。の歴史も考えたんじゃないでしょうか。

2000年前後、人気を独り占めしていましたが、その人気もすぐに落ち目になりました。

落ち目になってから、モーニング娘。のメンバーは他の道を歩みましたが、成功したとは言えません。

ビジネスの視点からAKB48を見ると、いろいろ学べることがありますね。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→◯

◎営業日誌を付ける→☓

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