療法ペットフード市場から考えた食関連市場の明るい未来とは?

ペット

By 2-Dog-Farm

こちらのブログにて取り上げた日経新聞には、面白い統計数字が掲載されてありました。

 

ペット用の療法フードの市場規模は2011年に前年比4割増の年間400億円。ペットフード全体の10分の1程度にまで膨らんでいる。(2012年10月10日日経新聞朝刊より)

 

「前年比4割増」ということは、成長市場になります。ペット市場自体伸びているからでしょう。ちなみに、400億円市場とは、

 

国内ゲーム市場の約10分の1(約4900億円)

音楽配信サービス市場の約半分(約860億円)

アフィリエイト市場の約半分(約810億円)

ソーシャルメディア市場の約5分の1(約2000億円)

ブルーレイディスク市場とほぼ同じ(約405億円)

※     NAVERまとめより

 

になります。ペットを飼育していない人にとっては全く触れることのない市場ですが、意外に大きいことがわかります。

1年で4割も拡大する市場は、それほど多くはありません。ちなみに、急成長する市場の成長率は、以下のようです。

 

2011年第4四半期 スマートフォン出荷台数 前年同期比184.4%増

2012年         スマートフォン出荷台数予測 前年同期比 154.8%増

IDC Japan株式会社より

 

療法ペットフード市場は、スマートフォン市場には敵わないようです。

 

そこで、この急成長市場から何か新たなビジネスを考えられないか、調査をしてみました。まずは、ペット市場について。療法ペットフードがこれだけ急成長しているのだから、ペット数・ペット飼育世帯も相当拡大しているのではないか、と予測できます。実際の統計では、次のような数字でした。

 

【平成21年度~23年度のペット市場についての数字】

◯犬猫飼育頭数(単位は千頭)=22,343→21,473→21,542

◯犬猫飼育世帯数(単位は千世帯)=15,459→15,002→14,994

※     一般社団法人 ペットフード協会より(H21H22H23

 

予測は外れています。飼育頭数・飼育世帯数とも微減または横ばいになっています。ちなみに、総世帯数の次のように推移しています。

 

◯総世帯数=52,327→52,803→53,550

 

世帯数は増加している一方で、犬猫飼育世帯数は減少しているところを見ると、ペットブームは一服したのかもしれません。(そもそも、ペットブーム自体があったのか疑問ですが)

 

ただし、犬猫年代別飼育状況を見ると、面白いことがわかります。ちなみに、年代とは飼育者の年代です。

 

【平成23年度 犬猫の年代別飼育状況】

◯全年代→犬17.7%、猫10.3%

◯50代→犬22.7%、猫12.0%

◯60代→犬18.6%、猫11.8%

※     一般社団法人 ペットフード協会より

 

この統計からわかることは、

 

50代・60代の消費者は、平均以上に犬猫を飼っている

 

ということ。50・60代以外の年代は、平均以下の数字であることを考えると、50代・60代がペット市場を支えているということがわかります。しかし、平成22年度の数字と比較すれば、若干割合が減少していることがわかります。(60代の犬は増えています)

 

【平成22年度 犬猫の年代別飼育状況】

◯全年代→犬17.8%、猫10.6%

◯50代→犬22.9%、猫12.7%

◯60代→犬18.1%、猫11.3%

※     一般社団法人 ペットフード協会より

 

そこで、実際の飼い主数を計算してみることにしました。計算方法は、年代の人口に上記割合を掛けるという方法です。

 

【平成22年→平成23年 年代別人口(単位は千人)】

◯50代=16,428→15,959

◯60代=18,384→18,493

     総務省統計局より

 

【平成22年→平成23年 年代別犬猫飼育人数(単位は千人)】

◯50代・犬=3,762→3,622

◯50代・猫=2,086→1,915

◯60代・犬=3,328→3,440

◯60代・猫=2,077→2,182

 

この数字からわかることは、

 

60代で犬猫飼育する人口が増えている

 

ということです。人口の高齢化が今後さらに進むと考えれば、

 

60代の人口が増える→犬猫を飼育する人・犬猫の飼育頭数が増える

 

ということが容易に推測されます。ペットフード協会の統計には、70代以上の飼育状況についての数字はありませんでした。元気な70代が増えていることを考えれば、70代でペットを飼う人が増えてもおかしくありません。人口減少を招く高齢化は、ペット数の増加を導きそうです。

 

ペット数の増加は、ペット用品市場の拡大につながります。ペットフード市場も例外ではないはず。そこで、ペットフード市場について調べてみました。ペットフード協会の統計によると、平成16年(2004年)をピークにして減少トレンドにあります。平成21年から平成23年の間に犬猫飼育頭数がさほど減っていないことを考えると、意外なトレンドです。

 

一方で、療法ペットフードは年間40%も成長しています。この差(ギャップ)は何なのか。恐らく、

 

ペット購入層の二極化

ペットフードの二極化

 

が進んでいるように思えます。つまり、ペットは全所得階層に普及する一方で、生活に余裕のある層はより高品質・高価格のペットフードを購入し、余裕がない層はよりリーゾナブルなペットフードを購入している、ということです。ペットフードも、人間用の食品同様、価格破壊が起こっていてもおかしくありません。ペットフードの低価格化がペット飼育頭数を増やす一方で、リーマンショック以後は、生活に余裕のない層がペットを手放したのかもしれません。

 

【ペットフード市場が減少トレンドの理由】

◯ペットフードの低価格が進んでいる。

◯リーマン・ショック以後、生活に余裕のない層がペットを手放したから。(→犬猫飼育頭数の微減)

 

生活に余裕があるかどうかの指標として、個人金融資産を考えれば、50代以上の余裕さがわかるかと思います。平均以上の資産を持っているのは、50代以上に他なりません。(こちらのサイトより)特に、60代以上の資産は、他の年代よりも大きいことがわかると思います。60代は、資産が豊富にあるゆえ、比較的生活に余裕があると言えます。よって、この層がペットを飼うようになれば、ペットフードにお金を掛けても不思議ではありません。つまり、60代のペット飼育人口が増えることにより、

 

高品質・高単価のペットフードの売上が伸びる

ということが予測できるのではないでしょうか。

 

人口減少が起きている一つの要因は、少子化です。そして、人口減少の結果、食関連市場は大きな打撃を受けることになります。一方、人口の高齢化は、上記のようなペットフードの高品質化・高単価化を導きます。まとめると、次のようになるでしょうか。

 

【少子化・高齢化による影響】

少子化による人口減少→食関連市場の縮小

人口の高齢化→高齢者のペット飼育人口の増加→高品質・高単価ペットフード市場の拡大

 

人間用の食市場の将来は暗いですが、ペット用の食市場の将来は明るいことになります。ならば、

 

スーパー・コンビニにおける高級ペットフード販売の拡大

食品メーカーのペットフード市場への参入

 

により、人口減少の悪影響を和らげることはできないでしょうか。特に後者の場合、衛生面の問題があるかもしれないですが、原料供給などの方法を取れば、参入は不可能ではないような気がします。

 

☆今日のまとめ☆

人口減少は食関連市場の縮小を招くが、一方で高齢化は、余裕のあるペット飼育人口の増加を導き、その結果、高級ペットフード市場が拡大するかもしれない。

この高級ペットフード市場に参入できれば、食関連企業は人口減少の悪影響を緩和できるかもしれない。

 

☆What to EAT Yesterday☆

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よく買うのは、伊藤園の充実野菜。

カゴメでもいいのですが、量が多い上に安いのが魅力ですね。

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☆今日のこぼれ話☆

決してペットフード市場に参入しようなんて、思っていません。

ただ、生活していて感じるのは、ペットを飼っている人が増えたということ。

そして、比較的余裕のある層がペットを飼っているということ。

一方で、ペットショップのチェーンがないということでしょうか。

ペット関連に強みがあれば、参入しても面白いかもしれません。(私には強みがありませんね。)

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

◎営業日誌を付ける→☓

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