テーブルマークのベーカーズセレクト、販売店舗の限定が教えてくれることとは?

美味しそうなクロワッサン

 By roboppy

※ベーカーズセレクトとは関係がありません

先日の日経新聞に、大変おもしろい冷凍食品の記事が掲載されていました。

 

「全品半額」「全品4割引き」が常態化するスーパーの冷凍食品売り場。その中でメーカー希望小売価格のまま販売している商品がある。テーブルマークの冷凍パン「ベーカーズセレクト」だ。クロワッサン、メロンパンなどをそろえ価格は198円と298円。凍ったまま食べることもでき、サクサクとした食感が受けているヒット商品だ。(2013年5月6日付 日経新聞朝刊)

 

記事の内容を要約すると、次のようになります。

 

【記事の要約】

[1]   冷凍パンのベーカーズセレクトは、価格維持のために販売店舗を限定。それでも売れている。

[2]   通常、食品は販売数量最大化により収益最大化を目指すが、ベーカーズセレクトはその逆で販売店舗を限定し、価格維持を優先。

[3]   震災直後、スーパーはモノ不足により特売を中止したが、利益は増加。

[4]   一方、今では値下げ競争や出店強化により収益拡大を目指すが、利益は減少。

 

つまり、震災直後に無駄な特売があったことを実感しながら、その教訓が今に活かされていないということ。その例として、値下げをせずとも売上を拡大するベーカーズセレクトが紹介されているのです。

 

もう一度、ベーカーズセレクトと従来の食品のビジネスモデルの違いをまとめたいと思います。

 

【ベーカーズセレクトと従来の食品のビジネスモデルの違い】

[ベーカーズセレクト]販売数量の最大化よりも価格維持を優先。そのため、販売店を限定。→長期的視点

[従来の食品]価格維持よりも販売数量の最大化・収益最大化を優先。そのため、販売店の拡大を目指す。→短期的視点

 

恐らく、ベーカーズセレクトは値下げしてもさほど販売数量は伸びない、とテーブルマークは考えたのでしょう。さらに、数量は伸びない一方で、値下げによる値崩れが起こります。販売店舗間による価格競争が発生すれば、テーブルマークの収益が悪化するだけで、いいことはありません。そして、消費者から「安くなってから買えばいい」と思われれば、利益率は大きく悪化します。また、値上げが容易でないことも、ベーカーズセレクトの事例は示しています。一度崩れた値段を戻すのは、消費者・販売店の離反を招きます。ならば、いっそ初めから価格を維持すればいい。そう考えたのでしょう。

 

ただ、この戦略は、販売数量がさほど増加しないため、大量生産によるコストダウンを享受できないというデメリットがあります。そのデメリットがあるにもかかわらず、価格維持を優先するのは、それほど値崩れの悪影響が大きいということ。そして、大量生産=大量販売をすれば、短期的に収益は拡大できても、長期的には難しいということでもあります。

 

ベーカーズセレクトは、値段が高くても売れるということとともに、値崩れの恐さを教えてくれます。

 

☆今日のまとめ☆

ベーカーズセレクトが価格維持を優先したのは、それだけ値崩れが企業収益に悪影響を及ぼすからに他ならない。

 

 

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☆    今日のこぼれ話☆

GW中頃から、少し風邪を引いています。

熱はないのですが、鼻水とのどの痛みがひどい。

当分、マスクと仲良しになる予定です。

みなさんも、お気をつけて。

 

☆    最近気になる商品☆

ノートパソコンの購入を考えているのですが、なかなかいいのが見つかりません。

軽くて、バッテリーの持ちがいいのが必須。

公称のバッテリー時間が、これほどあてにならないものとは思いませんでした。

ちなみに、今気になる商品はこちらです。

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