ビール販売増に寄与した生ビールの変化とは?

安くなった生ビールの値段

普段街を歩いていると、実感することがあります。それは、生ビールの値段が大きく下がったということ。今に始まったことではないかもしれないですが、生ビール380円という値付けは、今では珍しくなくなりました。チェーン居酒屋ではなく、普通におしゃれな居酒屋でも、380円で提供しています。少しオヤジ臭い居酒屋では、300円を切るお店もよく見かけます。それだけ、ビールの価格が下がっているのです。

そこで、アサヒビールを傘下に持つアサヒグループホールディングスのIR資料を確認しました。目的は、アサヒビールの営業利益率の変化です。下がっていれば、それだけ値段を下げて販売していることになります。

【アサヒビール営業利益率の推移】

[2013年度Q1]7.1%

[2012年度Q1]7.8%

こちらのPDF資料より

2012年度の他四半期についても調べることもできると思うのですが、時間がないので今回は第一四半期の比較だけにします。前年同期比で、約1割も営業利益率が低下しています。原材料価格の高騰などの影響も考えられますが、外食店舗を見る限り、値下げも大きく影響しているのではないでしょうか。

生ビールの値下がりは、生ビールを提供する店舗数にも影響します。つまり、生ビールの卸値が下がるということは、生ビールが仕入れしやすい商品になるのです。生ビールは一定のニーズが必ず存在するので、扱えば一定の売上を稼いでくれます。そんなおいしい商材を扱わないのは、不良在庫化を懸念するから。売れ残り廃棄になれば、利益が小さくなるどころか、損失が発生しかねません。しかし、卸値が下がれば、損益分岐点も下がるので、それだけ損失が発生する確率が下がります。値下がりにより、生ビールがより扱いやすい商材に変化すれば、生ビール販売店が増えるわけです。

実際、街の飲食店を見ると、居酒屋以外でも生ビールを扱うお店が増えていることを実感します。生ビールを扱う中華料理店は、もう珍しくありません。それどころか、中華料理店は、安く飲める場所として認識されているほどです。その他、生ビールと相性がいいとは思えない定食屋でも、生ビールを扱うお店があります。例えば、やよい軒。やよい軒では、夏場生ビールを期間限定で値下げし、集客商品として活用しています。

先日、グランフロント大阪で見つけたのが、こちらの準備風景。

グランフロント大阪の一番搾りガーデン

グランフロント大阪の入り口付近に、大きなビアガーデンが登場するようです。ビアガーデン人気もありますが、生ビールがより扱いやすい商材になったことも、期間限定でビアガーデンを開きやすい要因でしょう。

生ビールの値下がりは、単に販売数量を増やすだけでなく、扱い店を増やす効果もあります。その結果、生ビールはよりアクセスの良い商材に成長し、さらに売上を増やしていくのではないでしょうか。生ビールの好循環を見る限り、景気が大きく落ち込むことがなければ、ビール販売数量は今後も伸びるものと思われます。

☆今日のまとめ☆

生ビールの値下がりは、販売増だけでなく取扱店増も導き、そのアクセスの良さがさらなる販売増をもたらすのではないか。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

生ビールがこれほど安くなれば、ふとした瞬間飲みたくなるもの。

ちょっと一杯の需要が積み重なれば、大きな数字になりますよね。

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