焼きキットカット・ネスプレッソでネスレ日本が目指すものとは?
キットカットがさらに進化したようです。
今度は焼いて楽しんで――。ネスレ日本は24日、チョコレート菓子「キットカット」で、トースターで焼いて食べることを推奨する新商品=写真=を発売する。そのままでも食べられるが、焼くとクッキーのような食感と香ばしさが楽しめるという。(2014年3月14日付 日経MJ)
キットカットが食べるお菓子から、作るお菓子に進化したとも捉えることができます。香ばしさというチョコレート菓子には出せなかった価値を付けることに成功。この商品は、お菓子ではなくスイーツと捉えることもできます。この付加価値型キットカットを発売することで、キットカットと消費者の接点を増やすだけでなく、スイーツ市場にも進出することができました。実際、キットカットのスイーツ店「キットカットショコラトリー」の人気商品をアレンジしたとのこと。
同様にネスレの進化した商品に、ネスプレッソがあります。ネスレのコーヒーと言えば、ゴールドブレンドやエクセラなどのインスタントコーヒー。淹れて飲むレギュラーコーヒーはありません。ネスプレッソは、インスタントコーヒーを進化させた商品ですが、価格から考えて、競合はインスタントコーヒーではなくレギュラーコーヒー。既存のレギュラーコーヒーの味や種類・調理(作業)工程に不満な人が、より簡単で美味しく、多種多様なコーヒーが飲めるネスプレッソに魅力を感じるのでしょう。つまり、ネスプレッソを発売することで、ネスレはレギュラーコーヒー市場に参入したとも捉えることができます。
このように、焼きキットカットやネスプレッソを販売することで、ネスレは新市場に参入しようとしているのです。新市場に参入すれば、人口減少の影響は小さくなります。海外市場に進出できないネスレ日本(もしくはネスレのローカル法人)だからこその知恵とも言えます。
☆今日のまとめ☆
焼きキットカットやネスプレッソによって、ネスレは新市場に参入しようとしているのではないか。
新市場に参入すれば、人口減少の影響を小さくできる。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
普段インスタントコーヒーを飲まないので、ネスレのブランドを検索しようとしたのですが、これが意外に苦労しました。
「ネスレ インスタントコーヒー」で検索すると、ネスレ公式サイトは表示されるものの、そこからインスタントコーヒーのブランドまでクリックすること数回。
数回のうちに公式オンラインショップなどが表示されるなど、見つけるのを断念しようになったほどです。
検索サイトは便利ですが、まだまだ不便です。