【393号】大きく利益を増やしたアメリカ企業から学べることとは?
◎本日のニュース
1)見出し
Propelling the Profit Comeback
2)要約
アメリカ企業は、景気後退による収益悪化から立ち直り、
直近四半期では、歴史的に高い利益増加率を達成している。
この理由は、固定費削減により損益分岐点を引き下げることに
成功したからである。そのため、売上減少にもかかわらず、
利益は大幅に増加している。
さらに、海外売上比率が過半数以上の企業は、
消費が低迷する国内市場主体の企業よりも、
売上金額の回復・増加が早いためにより大きな利益を獲得している。
業界別で言えば、IT・金融・消費財セクターの利益の拡大が大きく、
逆に、原油や化学などの基礎素材セクターは、資源高の恩恵を受けた
2008年の水準にまだ到達していない。
3)キーとなる英文
U.S. companies are rebounding quickly from the recession and
posting near-historic profits, the result of aggressively
re-tooling their operations to cope with lower revenue and
an uncertain outlook.
4)キーとなる英文の和訳
全米企業は、景気後退から急速に回復し、
歴史的に高い利益を記録している。
これは、売上の低迷と先行き不透明な見通しに対処しようと、
自社の企業活動を再構築した結果である。
5)気になる単語・表現
cope with 自動詞句 ~と争う;~を乗り切る、耐える
※the result以下は、前文を言い換えたものである。
6)今日のヒント
アメリカ企業が行っている固定費削減とは、具体的には、
人員削減・不採算部門の閉鎖・生産コストの低い国への生産施設の移転・
生産工程の合理化などである。事例として、
◎スターバックス社→国内648店舗を閉鎖、オペレーションを効率化
◎コカコーラ社→ペットボトルやキャップなどの資材を一括購入
が、紹介されている。
同じような戦略が、日本の大企業でも行われている。
それは、デフレに悩む国内市場と新興国市場を対応するため。
特に、国内での雇用には慎重のため、雇用情勢がなかなか好転しないのが、
今の日本経済であろう。
中小企業に目を移してみますと、大企業ほどには固定費の削減が
進んでいない。特に、大企業の下請けを行っている
中小零細企業の場合は、大企業がグローバルに調達するようになると、
価格が合わず、採算が合わない案件でも受けざるを得ないのが現状。
もちろん、技術を磨いてより高く売れる製品を作ることも重要だが、
技術を高めたり新商品を開発したりするには時間がかかる。
その間に、会社が傾いてしまっては元も子もない。
だから、コストを見直し、無くても大きな影響の出ない固定費を削減して、
少ない売上でも利益の出る体質を作る必要がある。
固定費削減の一つとして、アウトソーシング(外注)の活用がある。
自社の競争力に関係ない業務で、規模の経済が働く仕事
(PCへの入力などの単純業務)は、アウトソーシングを
使った方がコストを削減できることが多い。
アウトソーシングを提供する企業は増えてきたが、
まだまだ企業ニーズを満たしているとは言えない。
こういうところからも、事業ヒントを見つけることができる。
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《今回のヒントのまとめ》
▼アメリカ企業の利益拡大の要因は、固定費削減により
損益分岐点を引き下げたことにある。
▼同じことは日本の大企業でも行われているが、
中小企業のコスト削減はこれからである。
▼コスト削減の一つとしてアウトソーシングの活用がある。
アウトソーシングができてコストが削減できる業務を考えると、
事業アイデアに結びつくだろう。
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