スマートフォンと値上げラッシュという二つの不況要因
日経新聞に、「スマートフォン」「多機能携帯端末」」という言葉が増えてきました。今さらかもしれないですが、スマートフォンの普及が今年相当進むと言われています。
私も二年以上スマートフォンを使っているのですが、スマートフォンを使い出して明らかに変わったのは、スマートフォンをいじる時間が長くなったということ。利便性の高さの裏返しなのですが、これまで携帯電話を通話とメールにしか使っていなかった私としては、ここまで利用頻度が高まるとは思いませんでした。一つの驚きです。
私が携帯電話(スマートフォンではなく、「ガラケー」とかフィーチャーフォンとか言われている二つ折りが主体の携帯電話。)を通話とメールにしか使わなかった大きな理由は、
- ネット閲覧するとコストがかかるから。
家に帰れば、ブロードバンドが追加料金なしで使えるのだから、通信費を余分払ってまで携帯電話でサイトを見ることはありません。しかも、
- 小さい画面で見づらく、テンキー操作が厄介
なことも、携帯でサイトを見たくなり大きな理由でした。
そんな私がスマートフォンを持つことによって、利便性を享受できた一方で、
- 通信費が大きく増えた
ことも事実。スマートフォンを持つ前は、通話料金以外では1000円程度だったものが、6000円弱なのだから、5000円弱の負担が増えたことになります。年間にして6万円弱。これは大きな金額です。
スマートフォンが普及すると、私と同じように通信費が増える人が多くなることは避けられません。携帯電話キャリア大手3社が、スマートフォンの販売に力を入れるのは、客単価(消費者一人あたりが支払う金額)が増えるから。携帯電話の普及率が頭打ちになれば、客単価を増やすことでしか、売上を拡大できません。スマートフォンの新商品が増えるのが、よく理解できます。
これで、可処分所得が増えていればいいのですが、給料はそれほど増えていないし、増える見込みもない。これまでの消費スタイルを変えなければ、通信費の増額分を賄うことはできません。つまり、これまで買っていたものが、今後買われなくなるのです。この結果、一部の企業や業界で売上が減少することが予測できます。
一方、この前久しぶりに車を走らせると、ガソリン価格が大きく跳ね上がっていました。実は、ガソリンの不足ランプが点灯したのですが、あまりの高さにそのまま帰宅したぐらいです。(この判断が凶と出るか吉と出るかは、今後のガソリン価格の変動による。)この影響は、車を持つ家計を直撃します。つまり、スマートフォンによる通信費の増加と同じで、世帯の燃料費が増加します。これも、可処分所得を減らす効果があります。
ガソリン価格の高騰だけでなく、コーヒーや砂糖・小麦などの食糧価格も高騰しています。この影響は、スーパーなどで販売されている食品やレストラン・カフェでのメニューの価格上昇という形で表れます。嗜好品ならば、買わないというのも手ですが、生活必需品の場合は、何かしら商品を購入しなければなりません。ただ、消費者には、価格が上昇した場合、
- 安いお店で購入する
- 安い商品を購入する
- 価格が高くなった商品を購入し続ける
という三つの選択肢があります。ブランド力が高く、どうしてもその商品でしか駄目な場合は、3番目の選択をするでしょうが、他の商品とそれほど大きな違いのない商品の場合は、二番目が選ばれるかもしれません。ちなみに、一番目の選択は、メーカー(生産者)には関係なく、単に小売や外食などの店舗の問題かと思われるかもしれませんが、店舗が淘汰されれば、その店舗に商品を卸すメーカーも打撃を受けます。3番目以外の選択肢は、メーカーにとってはネガティブインパクトをもたらします。
このように、スマートフォンの普及・ガソリン価格の上昇・食糧価格の高騰を考えると、どれも企業にとってはマイナスになりうる環境の変化です。(携帯電話関連の企業は、スマートフォンが売れることで潤いますが。)下手をすれば、倒産・廃業に陥るかもしれません。食に関する商売の場合、不景気・不景気と言っても、食は人が生きる上で必ず摂取しなければならないモノである以上、需要を喚起しないまでも商品を消費者に見せれば、売れることがよくあります。(「美味しい匂いを嗅いで、思わず買ってしまう。」というパターンなど)しかし、この環境の変化によって、「値上げされたかどうか」「他に安い商品はないか」「別に買わなくてもいいのではないか」というハードルを越えなければ、販売には至りません。ブランド力の高さやファンの多さが、業績だけでなく企業の存続に大きく影響を与えるように思えます。もちろん、それらは、顧客とコミュニケーションをこれまでどのように行っていたかで、決まります。
☆今日のまとめ☆
スマートフォンの普及、ガソリン価格の上昇、食糧価格の高騰は、消費者の可処分所得を減らすインパクトがある。
給料が今後増える見込みがない以上、消費者は商品選択や消費をより厳しく行うことだろう。
この結果、企業間の競争が激しくなり、ブランド力の高さやファンの多さによって、企業は、業績だけでなくその存続に大きな影響を受ける。
これらは、これまでの顧客コミュニケーションの結果に他ならない。
☆今日のこぼれ話☆
決して、スマートフォンを批判しているわけではなりません。
とても便利なものですし、生活を激変(良い意味で)させる文明の利器です。
スマートフォンの活用によって、企業活動の無駄が少なくなり、所得が上がることを望むばかりです。
ちなみに、私は、スマートフォンを使うことで、顧客サービスを向上させようと考えております。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯