【437号】電子書籍レンタル事業、その影響とは?

※3/11の東日本大地震で被災された方に、お見舞い申し上げます。

◎本日のニュース

1)見出し 
E-Book Lending Takes Off 


出典
http://goo.gl/6yZ3h


Gorey on Kindle



2)要約
アメリカでは、数ヶ月前に電子書籍のレンタル事業が始まった。
この事業では、アマゾンのキンドルやバーンズ&ノベルズのヌックに
対応した電子書籍を対象に、借りたい人と貸せる人をマッチングさせる。

具体的な仕組みは、会員が借りたい本をリクエストし、
その本を貸し出せる会員が承認すれば、
アマゾンのページで交換するというもの。
14日後には、借りた人の電子書籍端末から消え、
持ち主に戻る。

この事業は、これまでの出版業界のビジネスモデルを変える恐れがあり、
業界全体に混乱をもたらしている。
ちなみに、キンドルやヌックでは、電子書籍の共有を認めてるたが、
それは電子メールアドレスを知っている友人に限定していた。
また、公共の図書館はキンドルやヌックで使える電子書籍の
貸し出しを行っていない。

一方、事業者側は、電子書籍を借りた人は、
同じシリーズの書籍や同じ著者の書籍を購入する可能性があるので、
出版社側にもメリットがあるとしている。

ただ、この事業には欠点もある。
それは、貸し出しできる電子書籍数が少ないということである。
というのは、ほとんどの大手出版社は、
一部の電子書籍の貸し借りを出来なくするとともに、
貸し借りできるものも一回に限定し、
しかも14日間に限っているからである。
会員が増えない限り、貸し出せる電子書籍数は減少することになる。

打開策として、入会条件に最低1冊の本を貸し出せる
ようにすることを設定するなど、事業者側も工夫している。

ちなみに、このサービスはユーザーに無料で提供され、
借りたい本が借りれない人をアマゾンのサイトに誘導させ、
購入になった場合のアフィリエイト収入を収益としている。


3)キーとなる英文
The sites, some of which have gathered thousands of 
users, allow strangers to borrow and lend e-books for 
Amazon.com Inc.'s Kindle and Barnes & Noble Inc.'s Nook free.

4)キーとなる英文の和訳
この事業を行うサイトは、
数千人の会員を集めているほどの人気サイトもあり、
アマゾン社のキンドルやバーンズ&ノベル社のヌックに
対応した電子書籍を、知らない人の間で貸し借りできる
サービスを無料で提供している。

5)気になる単語・表現
なし

6)今日のヒント
この記事では、書籍が電子化することにより生まれた
新しいビジネスが紹介されている。
このような事業が生まれる前提として、
電子書籍の普及がある。その数字を見ると、

◎2010年 電子書籍の売上は約10億ドル→2015年には約3倍に増加見込み
◎2010年の終わり時点 電子書籍端末の普及台数は約1000万台←2009年の終わりよりも約3倍に増加

と記事に書かれてあるとおり、
2010年は電子書籍がアメリカ人の生活に大きく普及したことがわかる。

電子書籍とは、その名の通り本が持つ情報という機能が
電子化したもの。電子化することにって、
編集や移動が容易になる。この移動に注目したのが、
この電子書籍レンタル事業であり、
電子化という環境変化によって、レンタル事業が成立する。

同じことは他の業界でも言える。
例えば、今週の週刊ダイヤモンドで取り上げられていた旅行業界。
この業界にも、電子化(ネット化)の波が押し寄せている。
具体的には、リアル店舗を持つJTBや日本旅行などが、
ネットの旅行代理店の楽天トラベルやエクスペディアに
売上を奪われている。スーパーや家電量販店にしても、
ネット通販の安売り攻勢の煽りを受け、
ネットスーパーや通販サイトを初めている。

ネットの強みは、そのコストの低さ。
それゆえ、低価格での提供が可能となる。
しかし、消費者は、低価格だけを求めているのではない。
安い方がいいに越したことはないが、
それ以上に自分の悩みを解決したりニーズを
満たしたりする商品・サービスを求めている。

例えば、電子書籍レンタル事業は、
出版業界にとっては売上減少のインパクトを持つ。
しかし、もう一度読みたいと思う読者に販売することで、
売上を上げることも可能だろう。
また、好きな本ならば、人に贈りたいと思う読者もいるはず。
その人に、ギフト専用バージョンの電子書籍を提供することもできる。
価格に頼らない価値を提供することが、重要である。

リアルのビジネスをネットに置き換えると、
低価格での提供が可能になる。
だから、リアルビジネスは、
価格で優位に立つことは大変難しくなる。
リアルだからこそ提供できる価値、
ターゲットとする顧客が求めるであるニーズを
満たすサービスを付加しなければ、
ネットに席巻されることになる。

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《今回のヒントのまとめ》                                       

1)電子書籍レンタル事業は、
電子書籍の販売を減少させるインパクトがある。

2)電子化(ネット化)は、情報の編集や移動を容易にするので、
リアルで提供されていたビジネスが、
低価格で提供可能なネットビジネスに置き換わる可能性がある。

3)しかし、消費者は低価格だけを求めているのではない。
価格以上に、自分の悩みやニーズを解決・満たす商品を求めている。

4)リアルビジネスは、この消費者の求める価値を提供することにより、
ネットビジネスとの価格競争を回避するとともに、
顧客を維持・創造することができる。


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6)おすすめ商品・サービス 

Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、
「ワイン 共同購入」検索で見つけた21年もののブルゴーニュ

http://wine.ryotarotakao.com/archives/580

です。
最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
今回は、予約配信です。
昨日の地震は、神戸でも揺れました。
大きな揺れではなかったですが、とても長い揺れだったので、
ただごとじゃないということはすぐに察知。
そして、ツイッターや日経新聞電子版を見ると、
東北地方を中心に全国に渡る大きな地震であることがわかりました。
現場の状況が映像や音声でわかるにつれ、
大変心が痛くなり、今回の配信を中止しようかと思いました。
しかし、私が情報発信を続けることによって役立つ人がいると願い、
配信を決定しました。
東北や関東にて被災された方には、お見舞い申し上げます。
(大学時代からお世話になっている先輩が、
仙台にお住まいになので、大変心配しております。)

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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