【439号】ブラスト、急成長するフレイバー麦芽アルコール市場への参入方法とは?

※東日本巨大地震で被災された方に、

心よりお見舞い申し上げます。
◎本日のニュース

1)見出し
Pabst’s Horse of a Different Color: Colt 45 Enters Controversial Ring

【出典】
http://goo.gl/vIvIp

blast 45

2)要約
アメリカの老舗ビールブランド・コルト45(Colt 45)が、
ブラスト(Blast)という新シリーズを発売する。

ブラストは、フルーツフレーバーを持つ高アルコール麦芽飲料で、
アメリカでは急成長しているアルコールカテゴリーに属す。

ブラストの発売は、長年売上が低迷するコルト45のブランド回復策として、
昨年オーナーとなったメトロポーロス一族が行う第一弾とされる。

しかし、他社ブランドも含めたフルーツフレーバーの高アルコール麦芽飲料は、
そのカラフルなパッケージなどにより、未成年者の飲酒を誘発するとして、
議会や消費者団体から非難を浴びている。

3)キーとなる英文
The move places the brand into a rapidly growing category that
has drawn criticism from lawmakers and anti-alcohol groups:
high-alcohol, fruit-infused malt beverages.

4)キーとなる英文の和訳
この発売により、そのブランドは急成長成長するカテゴリーに
参入することになる。
しかし、このカテゴリーは、高アルコール度数で
フルーツが使われた麦芽飲料という理由により、
議会や反アルコール団体から批判を受けている。

5)気になる単語・表現
infuse  他動詞     ~を注ぐ、注入する

直訳すると、「この動き(ブラスト発売)は、
高アルコール度数でフルーツが注入された麦芽飲料として
議会や反アルコール飲料から批判を受けている急成長カテゴリーへ、
そのブランドを置くことになる。」

6)今日のヒント
コルト45が参入するカテゴリーは、
「先進的な大人飲料(progressive adult beverage)」と呼ばれており、
その売上金額は
年間19%増で9億5900万ドル(今年2月20日現在)。

この市場には、フュージョンプロジェクト社のフォーロコ(Four Loko)
ユナイテッドブランド社のジューズ(Joose)
アンハイザー・ブッシュインベブ社のティルト(Tilt)が含まれる。

各ブランドをウェブで調べ、コルト45の新ブランドブラストと比較したところ、
実に似ている。
記事では、ブラストのターゲットを女性も含めた幅広い層と書かれてあったが、
これは都会のアフリカ系アメリカ人をターゲットにしていた
コルト45よりも広いという意味だろう。
パッケージやウェブから考えると、
他社と同様「若者」「クラブ(踊るお店)好き」を
ターゲットにしていることが、容易にわかる。

商品特徴も、実に似ている。
「フルーツフレーバー」「高アルコール度数」「麦芽使用」という共通点を持ち、
容器は缶をメインにしているが、これもフォーロコなどと同じであり、
特に差別化しているとは言いがたい。

では、なぜ後発のブラストは大きな差別化をせずに、
参入しようとしているのか。その理由は、

1)急成長市場だから、差別化するよりも同質化する方が売上を伸ばしやすいから。
2)全米5位のビールメーカーだから、知名度やブランド力で差別化されるから。

だろう。

一つ目は、昨年日本で流行した食べるラー油でも同じことが起こった。
食べるラー油は、桃屋が発売して以来生まれた新しい商品。
欠品騒ぎになるほど売れに売れたので、
各社がこのカテゴリーに参入した。
その商品を見ると、どれも大きな差別化をしていない。
急拡大しているカテゴリーなので、下手に差別化するよりは桃屋に似た商品を発売し、
桃屋の代替品という位置づけにした方が、売れると読んだのであろう。
(ただし、普及するにつれて、具材などで差別化されるようになった。)
記事で紹介されたブラストも、若者が友人達と飲む時に、
既存の商品と似たパッケージ・特徴の方が、
選んでもらいやすいと考えたのであろう。
また、商品自体で差別化するよりは、その宣伝広告方法で差別化した方が、
ブランドの認知が広まると読んだのであろう。
(ブラストは、ラップ歌手と契約し、ライブ音楽やテレビ、
ツイッター、その他メディアで販促している。)

二つ目は、中小企業にはあまり参考にならないかもしれない。
ブラストは、老舗ブランドのコルト45の新シリーズとして発売し、
全米5位のビールメーカーであるパブストブリューイング社が製造するので、
メディアも注目する。グーグルで検索すると、
WSJだけでなくニューヨーク・タイムズなどでも取り上げられていた。
新製品と言えども、老舗ブランド・老舗メーカーの商品となれば、
手に取りやすいだろう。

このような理由により、ブラストは大きな差別化をせずに、
市場に参入をすることになった。
ただ、今後は差別化も必要になるだろう。そこで注目したいのは、
議会や消費者団体からの批判。この批判を解消すれば、
批判勢力を味方に付けることにより、競合商品よりもリードできるだろう。
パッケージなどがその最有力候補。また、ターゲットを変えることにより、
新たな顧客を開拓することも可能。
都会の知的層は、けばけばしいパッケージや甘さが嫌いかもしれない。
もちろん、ターゲットを変えることにより、
流通方法(販売店など)も変わることになる。

市場特性や企業体力により、
差別化よりも同質化により新市場への参入が容易になることもある。
しかし、いずれ差別化が必要なことは間違いないだろう。

ブラストの公式ページ http://www.blastbycolt.com/
フォーロコの公式ページ http://www.drinkfour.com/
ジューズの公式ページ http://www.drinkjoose.com/NEW_JOOSE.html
ティルトのサイト http://www.anheuser-busch.com/brandPages/tilt.html

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《今回のヒントのまとめ》

1)老舗ビールブランド・コルト45は、新シリーズ・ブラストとして、
急成長するフルーツフレイバーの麦芽飲料市場に参入する。

2)新規参入にもかかわらず、既存商品と大きな差別化を行わず、
パッケージやターゲットは大変似通っている。

3)その理由は2つあり、一つ目は、急成長している市場なので、
差別化するよりも同質化した方が、
成長の恩恵をうけやすいからである。

4)2つ目は、認知度・ブランド力で差別化できるからである。
ブラストは老舗ブランドのコルト45の新シリーズであり、
製造元は全米5位のビールメーカーなので、
メディアでも取り上げられやすく、消費者も受け入れられやすいだろう。

5)同質化で参入できたとしても、市場が成熟するにつれ、
いずれ差別化は必要になる。そのヒントになるのは、
カテゴリーが直面する問題(ブラストで言えば、社会的な批判。)であり、
新たなターゲット設定だろう。

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編集後記
こんばんは、高尾です。
花粉症がどんどんひどくなっています。
目がかゆいので、もうコンタクトは不可能な状態。
そして、くしゃみがひどいために、ティッシュペーパーの減りが凄まじい。
被災地に比べれば大した事ではないですが、
改めて今年の花粉の多さを実感しています。

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