品不足は、トライアルの機会でもある。
※多少不謹慎な内容に思われるかもしれません。マーケティングの観点からの考察でありますので、お許し願います。
東日本では、震災と原発事故による品不足が深刻なようで、その象徴として、新聞や経済誌には欠品中の棚の写真が掲載されています。西日本に住む身としては、ミネラルウォーターと乾電池がなかなか手に入らないぐらいで、カップ麺や生理用品も数は少ないですが、買おうと思えば買うことができます。
先日西宮北口にあるコープ神戸で、カップ麺の在庫がほとんどなく、その欠品の様子は恐ろしいほどでした。100円ほどで販売されている廉価品やPBなら、たまに売り切れの時がありますが、300円ほどもする比較的高価格のカップ麺まで欠品していたことには驚きました。モノがなくなる恐怖から、少々高くても買っておこうという心理になるのでしょう。
ただ、売る側から見れば、これは大きなチャンスでもあります。それは、これまで買ったことのない消費者に、商品を食べてもらう絶好の機会だからです。スーパーマーケットでは、気に入っている商品かCMなどで聞いたことのある新製品以外は、特売でもされていない限り、なかなか手に取ってもらえません。ましてや、長年継続して買っているブランドがある場合は、値札を見ずにその商品をカゴに入れることになります。その結果、棚に並んでいても、商品に気づいてもらうことさえできません。
しかし、今の東日本のような品不足の状態になれば、まずはモノの確保が優先されます。残っている商品が複数あれば、そのうちから自分の好みに一番合いそうなものを選ぶ、残っている商品が一つしかなければ、その商品を選びます。普段買っている商品がなければ、新しい商品を購入する機会になります。
通常よりも選択肢が少ない中で選ぶ場合、新しい商品がその選択肢に入る確率が高くなります。選択する際に、その商品は認知されることになります。その後、商品パッケージと値札を見て、消費者のニーズに合えば、購入されることになります。そして、自宅でその商品を食べてみて美味しければ、リピートにつながる確率は高まります。食べた後の感想が強烈ならば、これまで買っていたブランドからスイッチしてもらえるかもしれません。
このように、品不足という外部環境の変化は、これまで認知さえされなかった商品にトライアルの機会を与えてくれます。運良く購入され、さらに気に入ってもらえれば、リピートにつながります。ブランドスイッチという逆転劇が生まれるかもしれません。
メーカーにとって現在の品不足という環境は、今後の取引継続にも影響を与えるほどの困難です。操業時間を延長したり、休日を返上したりして製造している企業も多いことでしょう。ただ、これまで日の目を見なかった商品が、注目されるチャンスでもあります。いいように考えたいものです。
☆ 今日のまとめ☆
品不足の時は、モノの確保が最優先される。
そのため、これまで気づきもされなかった商品がトライアルされる可能性が高まる。
この商品を気に入ってもらえれば、リピートにつながり、さらにブランドスイッチという大逆転が起こるかもしれない。
メーカーにとっては大変な事態であるが、チャンスでもある。
☆ 今日のこぼれ話☆
高付加価値の高単価商品の場合、その付加価値に余分にお金を払うことが躊躇されます。
私も、パッケージに書かれてある説明を読んで、棚に戻すことがよくあります。
スーパーというセルフサービスによる特価販売を行う業態では、この付加価値に納得してもらうことがなかなか難しい。
かといって、対面販売をすれば、買わなければならないというプレッシャーがかかり、その売り場を避ける消費者が多いのも事実。
品不足は、このような高付加価値・高単価商品を買ってもらうチャンスですが、これは非常時にすぎません。
流通チャネルを変えるのも一つの方法です。
しかし、パッケージや売り場を駆使して、その価値を伝えることもできると思います。(まが具体的な方法は思いつきませんが。)
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→☓
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→〇